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蓄電池にまつわるよくある質問とその答え

2024年1月現在の回答になります。


Q1:リチウムイオンの蓄電池って長持ちしないんじゃないの??

曖昧な回答で申し訳ないですが、長く持つものもあれば、長く持たないものもあります。家庭用蓄電池の取り扱い商品の中では、16年程度の寿命~32年程度の寿命のものが多いです。

【もっと詳しく】
一般的に、リチウムイオンの蓄電池の寿命は「サイクル数」で評価されます。サイクル数とは、電池を一回フルに使い切った後、フル充電して1サイクルとします。多くのご家庭が、太陽光の電気を蓄電池にためて、それを夜間に使い切り、また翌日太陽光でためて・・・という生活をするので、1日=1サイクルといえます。
蓄電池は繰り返し使っていくと、劣化していくものではありますが、当初の容量の60%(メーカーによっては50%)になると、故障や破裂の可能性が高まり動作停止となるため、60%(メーカーによっては50%)まで劣化するまでにどれくらい繰り返し使えるかを「サイクル数」として評価しています。

前置きが長くなってしまいましたが、リチウムイオン蓄電池はあくまでLi(リチウム)が関係しているだけで、何と混ぜているかによって何種類もあります。
例えば、Panasonicや韓国のLG電子が制作している蓄電池は、「三元系」と言われ、マンガン+ニッケル+コバルトでできており、おおよそ6000サイクルとなります。最近の主流ですと、ダイヤゼブラ電機のEIBS7やHUAWEIの蓄電池などは、「リン酸鉄」と言われ、おおよそ12000サイクルの高寿命の機種となります。

Q2:蓄電池って高いから、もっと普及してきたほうが安くなるんじゃないの??

残念ながら蓄電池はどんどん値段が上昇しています。レアメタルである資源の高騰や、人件費の高騰、工場での電気代等の高騰が原因です。そもそもほとんどの蓄電池の費用は研究費によるものがほとんどです。
実際、蓄電池がほんとうに高かったのは出始めの2012年頃でしたが、実際は補助金があって1/3程度を国が負担してくれていましたので、その頃が一番よかったかもしれません。現在は毎年10%から20%程度値上がりをしていますので、導入を検討されている方は早めのほうがいいかもしれません。

Q3:蓄電池って、待ったほうがよりいいものが出るんじゃないの??

まずよりいいものって何なのでしょうか?
例えば、蓄電池の“寿命”について考えてみますと、現在販売されている蓄電池に比べて、2016年に東芝から発売されたeneGoon(エネグーン)という蓄電池のほうが寿命が長かったのです。eneGoonは、16000サイクルというおおよそ50年程持つといわれるSCiBという電池を採用していましたが、東芝が住宅用ではなく、社会インフラのほうに注力するようになり、現在では販売を停止しています。
そのほかに蓄電池の“機能”面でみると、現在では、天気予報との連動のAI機能やインターネットを使っての見守りサービス、電気自動車との連動が可能なモデルでも現在では発売されていますが、どんどん多機能になればなるほど値段は上がっていってしまいますね。

ただ、実際待ったほうが良い場合もあります。それは、設置場所の温度の問題です。リチウムイオン蓄電池の最大の問題点であり、一番解決に時間がかかるといわれています。
ほとんどの蓄電池が、-10℃から40℃が設置条件となっており、40℃の高温のほうは建物の影だったり、ファンでの調節でなんとかなる場合がほとんどですが、低温には耐えられません(動作しません)。それも屋内に置くタイプの蓄電池もありますので、設置場所が家の条件に合うかどうかというのが、一番のテーマかもしれません。

Q4:停電時って、太陽光があれば昼間は電気使えるんじゃないの??

これはパワーコンディショナ(以下、パワコン)によって回答が異なります。
「自立運転」機能がついているパワコンであれば、太陽がでており、1.5kW以上発電していれば、1500W(1.5kW)ほど電気の使用が可能です。SHARPのパワコンですと停電時使えるコンセントが作ってあったり、屋内のパワコンの場合だと、パワコン横に刺すタイプがあったりします。ただ、蓄電池がなければ充電はできません。
自立運転機能がないパワコンは停電時動かすことはできません。
また、「Ready」型とよばれたり「蓄電レス」とよばれる新しいタイプのパワコンもあり、こちらは、停電時でも太陽光の電気をフルに使えるタイプのパワコンもあります。ですが、こちらも蓄電池がなければ充電はできません。

Q5:蓄電池があれば、家じゅうの電気を全部使えるの??

蓄電池にも大きく二パターンあり、「特定回路」タイプと「全負荷」タイプです。「特定回路」タイプは、停電時に一部分(基本的には、ブレーカー1つ分)だけ、「全負荷」タイプはその名の通り、家じゅうのすべての電気をまかなえます。
停電時にもエコキュートやIHやリビングのエアコンのように200Vを利用したいならば「全負荷」タイプの蓄電池がいいと思います。

Q6:停電時の対策だけで蓄電池って割高じゃないの??

蓄電池には、経済効果があります。
ひとつは、「深夜電力を蓄えて昼間に使う」こと。
ふたつめは、「太陽光発電の余剰電力を売るのではなく、蓄えて夜間や悪天時に使う」ことです。

蓄電池の動き

特に、ふたつめの経済効果はFITと呼ばれる10年間の高い金額期間を終了された方はより大幅なメリットがでてきます。
蓄電池自体が長寿命の商品ですので、FIT終了後にとらわれず、近年の電気代高騰の波を受け、元がとれる蓄電池という考えで、はやめの導入を考えられたほうが良いと考えています。

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