スキな人が集まるスキな場所だったからこそ、さよならポスターをスキ勝手につくちゃっいました、というお話
こんにちは。ワンファイブのグラフィックデザイナー近藤です。
初めての投稿をFacebookでご案内したところ、京都メトロのプロデューサー林さんやKyoto Jazz Massiveの沖野さん、そして西堀さんにもシェアしていただきました。ありがとうございます!
また予想以上に「スキ」の数もいただき嬉しい限りです。
それにしてもメールで「スキのお知らせ」というタイトルでご報告を受けるとなんだか心がざわつきますね…(笑)
さて、二回目の投稿は前回のボーナストラック的なお話になります。
一昨年の2019年10月16日に開店20周年と同時に閉店を迎えた京都・五條楽園、鴨川沿いに佇むカフェ「efish」。
そのフェアウェルパーティー当日のDJとしてお招きはいただいたのですが、デザイナーとして何か西堀さん夫妻とスタッフの皆様に感謝の気持ちを伝えることができないかと色々思考を重ねました。
フェアウェルパーティーのプロデュースは、ゼロ年代に名古屋カフェ界のドンと呼ばれ「孤狼のパラダイス・ガラージ」との異名をも持つ村上シゲキ氏が采配を振るわれるというので、恐る恐る事前にその概要をお聞きすると、メインイベントに「オーナー兼カリスマデザイナー、男・西堀晋への挑戦」という名目で「そうめん早食い大会」を開催するとのこと(笑)。しかもシークレットゲストとしてあのミナ ペルホネンの皆川明さんに覆面(ミナ ペルホネンの代表的なファブリック「タンバリン」柄で!?)を被っていただき「ミナ・ペルホマン」として大会に登場させるという大胆な演出を考えていると。
◎パーティー当日の「そうめん早食い大会」の様子。左から王者「シン・カメハメハ」こと西堀さん、お隣は挑戦者のお一人、パナソニックのデザイナー浅輪達良さん、そして「ミナ・ペルホマン」!
そこで思いついたのが、村上さん(悪徳プロデューサー)に「eル・シゲッキ」という架空の「ロートル」覆面レスラーを演じていただき、撮影した写真をモチーフにフェアウェルパーティーの告知ポスターを勝手に作って、西堀さんご夫妻に内緒でお贈りするということ。
撮影は、私が描いたラフスケッチと往年のレスラーの宣材写真を素に、LOMO番長・村上さんのパートナーであるチヨコさんにスタイリングも含めてお願いしました(ちなみにミナペルホマンの覆面もチヨコさん作!)。
[図版説明]上が私が描いたなんともポンチ絵なラフスケッチ。下は写真の質感イメージとして送ったアンドレ・ザ・ジャイアント(左)とザ・デストロイヤー(右)。
そのような超ラフなディレクションで撮影していただいた写真は、村上さん(ウサギ好き)の体型も含めて私が描いたイメージ通り!
ロートル感の演出には欠かせないと無理を言った「膝サポーター」はなんとチヨコさんのストッキングで制作したとのこと(笑)。「試合後の汗」も良い感じでメイクされていて完璧。
そんな写真を素に、粒子荒目なエフェクトやノイズを加えるなどして楽しみながらデザインを進めていきました。
最終的なポスターの仕様は、店内で貼りやすいB2サイズ(縦728×横515ミリ)。用紙は片艶クラフト。「昭和の場末感」を少し漂わせながらもオシャレ感が出れば、と、敢えて「ザラ面」にスミ一色で印刷。
結果、西堀さんご夫妻にはかなり喜んでいただいたようで、店内中にポスターを貼っていただきました。さらにパーティー終演後には、ポスターを欲しいというお客様が多数いらっしゃったので。ご希望の方にはお持ち帰りしていただきました。
後日、このポスター、なんとメルカリに出品されていたらしいです。しかもご購入されていた方がいらっしゃったとのこと。デザインした身としては複雑…でもちょっと嬉しかったかな…
こんなワガママに真摯に付き合っていただいた村上さん(DJキング)、そしてチヨコさん、お二人のご尽力が無ければ、このポスターの制作、さらにパーティ自体開催出来なかったと思います。本当にありがとうございました!
最後に。西堀さんは「このマスク姿は決して自分ではない!」と必死にポスターに注意書きしていたというお話を付け加えておきます(笑)。
Photograph: Maki Arimoto