
年末に体調崩したら後輩がお見舞いにきてくれた
◯◯:あ〜、ダル…
年末に体調崩すとか運が無さすぎる
まぁ、幸いなことに体調を崩す前に年末年始のための食糧などは買い込んでいたため、家から出なくても済むけど
そんなことを考えているとスマホに着信が
◯◯:今は体調悪いから出たくありませーん
相手には悪いがこちとら病人だ、このくらい許してほしい
◯◯:あぁ〜、シンド………
着信のバイブ音を子守唄にそのまま寝落ちした
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◯◯:んぁ……今何時だ?
スマホを見てみるとさっきから2時間くらい経っていた
そして不在着信が2件といくつかメッセージが
◯◯:遠藤、か…
メッセージの内容はこちらを心配する内容だった
◯◯:熱が出て寝てた、気付かなくてゴメン、っと
そう返信した数秒後、メッセージを受信したバイブ音が鳴る
◯◯:早くね?
苦笑いしながら思わず独り言が溢れる
理子“大丈夫ですか?”
理子“何か必要なものありますか?”
◯◯:大丈夫だよ
◯◯:自分でどうにかできるから、っと
遠藤は高校の時の後輩で今年から同じ大学に進学してきた
何故かはわからないが慕ってくれている、俺にはもったいないできた後輩だ
遠藤に心配しなくて良い旨の返信をし、熱を測る
◯◯:38度か…解熱剤飲んだ割には高いな
寝る前に測った時は38.4度だったため、ほとんど下がっていない
まあ、解熱剤を飲んでいなかったらもっと上がっていた可能性もあったわけで、そうなっていたら流石に動けなかっただろうし
◯◯:ま、結果オーライ、かな?
とりあえず昨日昼から何も食べていなくて空腹も限界を迎えており、常備している冷凍ご飯を使ってお粥を作る
こんな時に甘えられる存在がいたら助かるのだろうけど、残念ながら俺にそんな存在はいない
彼女?聞くなよ、こんなこと思う奴にいるわけないだろ
◯◯:体調悪い時は思考が暴走するな
身体のダルさをこのままだと死ぬぞと言い聞かせ黙殺し、お粥を作り食べる
多めに作ったため、半分は次起きた時用にとっておく
正直食べられそうなくらい食欲はあったが、熱発してすぐは吐き気もあったため、念のため余裕のある量で止めた
◯◯:大丈夫、っぽいけどやめておくか
前回飲んで6時間ほど経っていたため再度解熱剤を飲み、再び布団に潜り込んだ
◯◯:(そう言えばメッセージきてたよな…)
そう思いはしたものの、まだ本調子にはほど遠いようで確認はせずに眠りに落ちてしまった
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ピンポーン
インターホンの音が聞こえ、意識が緩やかに浮上する
◯◯:だれ、だ…?
空気の読めない訪問者に文句を言いつつモニターで外の様子を確認すると
◯◯:遠藤?!
そこには遠藤の姿があった
◯◯:なんで家の場所…ってそっか
入試前に見学ついでに家に寄ったことを思い出し頭を抱える
理子:先ぱーいっ
応答ボタンを押して返事をする
◯◯:遠藤ありがとうっ
◯◯:感染つしたら悪いからノブにかけといて!
理子:ヤです!
理子:いれてください!
◯◯:うわ、マジかよ…
マイクに拾われないよう小声で呟く
遠藤は時折頑固になることがあり、そうなった時はテコでも譲らなくて困ったものだった
にしてもこのタイミングで頑固になるなよ…
◯◯:………ハァ〜、玄関までだぞ?
理子:それは先輩次第ですっ
◯◯:ハァ〜…少し待ってて
万一にも感染つさないために、マスクと手の消毒をしてから玄関を開ける
理子:もしかして、来ない方が良かったですか…?
ドアを開けてすぐ、不安そうに上目遣いで聞いてくる遠藤に
◯◯:まぁ、半々かな?
苦笑いと共に答える
感染つしてしまう心配もあるが、心配して来てくれたことに感謝もしている
理子:……ごめんなさい
◯◯:いや、いいよ
◯◯:俺も心配させるような返事しちゃったし、お互い様だよ
思わず頭を撫でそうになったがグッ、と堪える
理子:体調は大丈夫なんですか?
◯◯:頭も喉も関節も痛いしたぶんインフルじゃないかな?
◯◯:まぁあんまりそうは見えないけど
苦笑いしつつ答える
実際今も測ってみたら38度あったし、解熱剤で緩和されているものの、痛みも完全になくなったわけではない
理子:ごめんなさい…
項垂れてますます申し訳なさそうにしている遠藤に再度苦笑いが込み上げてくる
◯◯:別に、良いよ
◯◯:それ、俺のために買って来てくれたんでしょ?
カメラ越しから見えていたレジ袋を指して言う
どっちを買えば良いか分からず取り敢えず2種類とも買ったであろうスポーツ飲料にレトルトのお粥のパックが数個、レジ袋から透けて見えていた
◯◯:その気持ちが凄い嬉しいよ
◯◯:ほら、ホント感染つっちゃったら申し訳ないから帰りな?
◯◯:治ったらお礼させて?
理子:…迷惑じゃ
◯◯:だから
涙目になってきた遠藤に今度こそ思わず頭を撫でる
◯◯:嬉しかったのも本当だからっ
◯◯:そんな目しないでよ
理子:……遊園地
◯◯:ん?
理子:遊園地、連れて行ってください
◯◯:ハハッ、りょーかい
◯◯:じゃ、またね?
理子:ん、絶対ですよ?
◯◯:はいはい
思わず三度目の苦笑い
◯◯:わかってるよ
理子:ん、急に押しかけて申し訳ありませんでした
◯◯:気にしなくて良いから
◯◯:んじゃ今度こそ、またね?
理子:はい、また
この2人の遊園地デートの様子はまた後日…かな?笑
__________Fin