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後輩ちゃんに翻弄されます

◯◯
「お疲れさま」


理子
「あ、先輩っ。お疲れ様ですっ」



勤務時間もとうにすぎ、いつもならまったり1日の疲れを癒やす時間だが今日は残業していた



◯◯
「もうみんな帰ったよ」


理子
「え?もうそんな時間ですか?」



とは言っても後輩の遠藤が急な仕事を振られているのを見て、フォローするために残っていたのだが…俺の仕事?ちゃんと定時内に終わらせています



◯◯
「ってか、どう?終わりそう?」


理子
「なんとか終わりましたぁ…」



来週予定だったプレゼンの資料を先方の都合で急遽明日の昼過ぎになったこと、その担当が遠藤だったのだが



◯◯
「困ったもんだよな、予定変更で明日までとか」


理子
「本当ですよ、急すぎーーっ!ってなりました」


◯◯
「本当、よく頑張りました」


理子
「もう一生分頑張りましたぁ…一歩も動けないのでデスクと結婚します」


◯◯
「なに言ってんの」


理子
「エヘヘッ」



普段は見せない力の抜けた自然な笑みに、不覚にも可愛いと思ってしまった


いや、まぁ普通に可愛いのだが、ことさらそういう風に感じさせられたのだ



遠藤
「先輩っ、りー偉いですか?」


◯◯
「え?」



一人称が普段と違うことに戸惑い、思わず聞き返してしまう



遠藤
「りー、偉いですか?」


◯◯
「偉いより可愛いかな?」


理子
「ふぇっ?///」


◯◯
「部長とかの前じゃアレだけど、俺の前だけだったらそっちでいいよ」


理子
「………ッ!?わ、忘れてくださいっ!!」



どうやら無意識だったようで慌てている様子



◯◯
「ハハッ、気にしなくて良いよ」


遠藤
「だから…っ‼︎///」



どうやら本気で忘れてほしいようで、胸をポカポカと叩かれる



◯◯
「分かった分かった、忘れるから」


理子
「う〜〜〜///」


◯◯
「お詫びと頑張ったご褒美になにか簡単なお願いを1つ叶えるよ」



思いつきでそんな提案をしてみる



理子
「ホントですか?!」


◯◯
「お、おう……常識的な範囲のことにしてくれよ?」


理子
「じゃあ…今日、一緒に帰りたいです」


◯◯
「へ?そんなんで良いの?」



簡単なお願いに思わず気の抜けた声が出てしまう



理子
「それと、ご飯も一緒に行きたいですっ。奢ってくださいっ」



その隙に、ちょっとイタズラめいた笑みを浮かべて追加のお願いをしてきた



◯◯
「1つって言ったはずだけど……」


理子
「ダメ…ですか?」



そう言いながら目を潤ませて上目遣いで見つめてくる



◯◯
「……こーさん、俺の負け、わかりましたよ」



ため息を1つ吐き出し、了承する


考えても見てほしい。可愛い女の子にウルウルとしている瞳を上目遣いで向けられることを


大抵の野郎は抵抗できずに言われるがままになると思う



◯◯
「でも、良いのか?」


理子
「何がですか?」


◯◯
「部長とか割とさっき帰ったばっかりだし…もし、見られたりしたら変な勘違いされるかもだよ?」



働き方改革だハラスメントだと言われている昨今だが、まだまだそういうことを言ってくる人は多い


人によってはそういう勘違いをされるのが嫌な人もいるだろう


あまりプライベートは詮索しないようにしているが、もし遠藤に彼氏がいt



理子
「別に大丈夫ですよ?」


◯◯
「え?」


理子
「先輩とならそう勘違いされても良いです」


◯◯
「それって…どういう……」


理子
「教えませーんっ、フフッ」



そう言ってニコニコと笑みを浮かべながら退勤準備を終えた遠藤は



理子
「ほらっ、先輩も早く準備をしてきてくださいっ」



そう言って背中を押してくる



◯◯
「ちょっ、だからさっきのはどう言う意味っ」


理子
「だから教えませーんっ、自分で考えてくださいっ」



__________Fin

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