朝食?
できる限り音を立てないようにして玄関を開ける
◯◯:ただいまぁ〜
夜勤明けの朝、まだ早い時間だからか部屋の中は静まり返っていた
◯◯:良かった
部屋の中を確認し、半同棲のようになっている彼女が寝ている姿を見て、思わず言葉が漏れる
◯◯:パパッと済ませるか…
彼女が起きてきたら一緒に食べられるように、朝食の準備をする
基本、朝食は食べず、1日2食派だが夜勤明けで彼女がいる時は食べるようにしている
その上、夜勤明けで疲れ切っているため簡単にできるものを選ぶ
今日の献立、と言うより定番になってしまったお味噌汁と卵焼きの準備をする
お味噌汁の具材はとりあえず買っている豆腐のみの予定だ
ここを借りるときはあまり気にしていなかったが、調理環境がIHなのはこう言う時ありがたい
おかげで炒め物などをする時以外は、静かに作業をすることができる
あとは卵焼きを焼けば完成する段階になり、再度寝室を確認する
◯◯:なんだ起きてたんだ
森田:ん、おはよ
◯◯:おはよ、ひかるさん
彼女のひかるさんは、ベットの上に座ってぼーっとしていた
オレの姿をみたひかるさんはベットから降り、トテトテと近づいてきたかと思うと
森田:おかえり
胸元に顔を埋めるようにして抱きついてきた
◯◯:ただいま
◯◯:朝食、もう少しで完成するんで顔洗ってきてください
改めて帰宅の挨拶をし、そう促す
まだ少し寝ぼけているのか、どこか気の抜けた返事をしながらひかるさんは洗面所に向かった
その間に、卵焼き用のフライパンを火にかけて温めつつ、味噌を溶いてお味噌汁を完成させる
手早く済ませたようで、すぐに戻ってきたひかるさんは先ほどよりも幾分かしっかりとした足取りで、背後から抱きついてきた
◯◯:あの、ひかるさん、やりにくいっす
森田:ん
返事はするものの、一向に離す気配はなく、仕方なくそのまま調理を
◯◯:ちょっ\\\
森田:ん、どうしたの?
進めようとしたが、洋服の中に手が入り込んできて止まる
◯◯:どうしたも何も、手が\\\
いかん、最近お互いに忙しくてご無沙汰だったせいか、変な気分になってきた
だけど3限からとはいえ仮眠も取りたいし…
そんなことを思う間にも、ひかるさんの手はどこか絶妙な加減で、胸板や腹の上を這い回る
これ、狙ってやってるだろ
◯◯:ホント、やめてください…\\\
森田:…今日は◯◯を食べたい
とうとう直接言葉にしちゃったよこの人
◯◯:オレ、夜勤明け…
森田:うん、分かっとるよ
森田:ひかが動くけん、◯◯は動かんで良いよ?
手の動きは止めず、なんなら這い回る範囲を広げ、さらに怪しさを増しながらオレを誘う
森田:……ダメ?
◯◯:__っ
正直、欲に溺れたいところだが、かろうじてまだ仕事をしている理性がブレーキをかける
理性と情欲に挟まれて動けないでいると、ひかるさんが手の動きを止める
◯◯:ひかる、さん…?
それだけでなく、背中から離れた
と思いきや火を止めて、今度は正面から抱きついてきた
森田:◯◯と違って、ここは素直ばい?
先ほどまで意図的に避けていたであろう部分にまで、今度は手を伸ばして理性を溶かしにかかる
◯◯:ホント、マジで、身が……\\\
どうにか後退りをして逃げようとするも、ひかるさんはピッタリとくっついてきて逃してくれない
そうこうしていると、いつの間にか寝室に追い込まれており
◯◯:うわっ!
ベットのふちに膝裏がぶつかり、倒れ込んでしまった
◯◯:やば…ひかるさん落ち着きm
森田:いただきます
ダメだこりゃ
準備をしていた卵焼きとお味噌汁は夕飯になりました
オレ?オレは……
森田:フフッ、ごちそーさま
森田:早く準備しないと遅刻するよ?
時間ギリギリまでたっぷり頂かれました
_______Fin
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