甘えん坊な寝起き姫
◯◯:ん、ぁあ…
目覚ましが鳴る前に、自然と目が覚めた
この歳になると、休みの日だろうと普段の睡眠時間程度で自然に目が覚めてしまうから、習慣というのは恐ろしい
まぁ、そんなことは隣で眠る我が家の姫には関係ないようだが
◯◯:おはよう、まゆ
せっかくの休日だ、もう少しゆっくり眠らせてあげたい
そう思い、静かに起きてから、起こさないように小声で声をかける
真佑:ん……◯◯?
だが、そんな気遣いも虚しく起こしてしまった
◯◯:ごめん、起こしちゃった?
◯◯:もう少し寝てていいよ
額にキスを1つ落とし、頭を撫でる
いつもなら、そのまま眠ってしまうのだが
真佑:やや、置いてかないで……
そう言って、キスするためにベットの縁に腰掛けた僕に抱きつく
普段から寝起きはこんな感じだけど
今はことさらに甘えん坊なようだ
真佑が起きて、すぐに食べられるように朝食の準備をしておこうと思ったんだけどな
そんなことを考えながら苦笑いを浮かべる
◯◯:置いていかないよ、ここにちゃんといるから
寝入ってから、準備をしよう
そう思いながら肩辺りを、ゆっくり、一定のペースでタッピングする
真佑:やぁ、いっしょ…
今にも寝入りそうなのだろう、ポヤっとした声からはそんな雰囲気を感じるが、眠気に必死に抗ってさらに強く抱きしめてくる
真佑:いっしょ、や……?
それに加え、眠気からトロンとしているも、寂しさを感じているであろう瞳を向け、そんなことを言ってくる
これは寝起きにいなくなっていたら拗ねるな…
そう感じて、朝食の準備を断念する
◯◯:嫌じゃないよ
そう答え、真佑の頭を再度撫でる
◯◯:一緒にいるから、大丈夫
真佑:へへ……
安心したのか、抱きつくのをやめたが、次は先ほどまで僕が寝ていたスペースをポンポン叩く
真佑:となり……
普通に話していても、真佑の声は割と甘いが、今は寝起き+甘えん坊でさらに甘く
◯◯:分かったよ
苦笑いを浮かべつつも、僕は抗うことができなかった
…こんなに可愛い姫の願いに、抗うつもりなんて普段からないけど
再びベットに横になると
真佑:ん……
移動する僕に合わせて、身体の向きを変えた真佑が胸元にくっついてきた
◯◯:オヤスミ…
真佑:んへへ……
もう一度、額にキスをすると真佑は満足げな笑みを浮かべ、さらにくっついてきた
しばらくすると、眠りに落ちたようで、規則正しい寝息が聞こえ始める
キスの後、頭を撫で続けていたが、不思議とその寝息に釣られて僕も眠くなる
◯◯:フワァ……
こんな休日も悪くないか…
そんなことを思いながら、1つ大きく欠伸をして、幸せを感じつつ僕も眠りに落ちた
_____Fin
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