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この瞬間をこの先も…

理子に誘われて、久しぶりに地元の伝統的な祭りに来た

理子:ここ最近、急に寒くなったね

◯◯:そう?日中はまだ暑いからあまり実感ないなぁ

◯◯:それに、そんなこと言う理子も半袖じゃん

理子:そ、それは…

◯◯:今から冷えてくるのに大丈夫?

言葉では心配しているが、表情はニヤニヤしていて揶揄っているのが丸わかりな◯◯

理子:だ、大丈夫だから!

理子:そんなことより、◯◯こそ大丈夫なの?

揶揄われた仕返しか、話題を切り替える遠藤

理子:最近出かけてないみたいだったし、久しぶりの人混みにアてられないようにね?

◯◯:グッ…

仕事の忙しさと出不精でまともな人混みに行くのが久しぶりなのは事実なため黙り込む◯◯

◯◯:だ、大丈夫だよ…多分

理子:やっぱりぃ

少し悔しかったが、遠藤が楽しそうに笑っているのを見て

◯◯:(理子が楽しめてるならいっか)

苦笑いを浮かべ流す◯◯

理子:ま、その時はりーがちゃんと介抱してあげるよぉ

◯◯:いや、理子が潰れるだろそれ

理子:む、りーそんなにひ弱じゃないもん!

◯◯:はいはい、そうですね〜

理子:本当だからーっ!!

◯◯:(ま、揶揄う隙は見逃さないけど)





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





理子:ね!あれ美味しそう!!

◯◯:どれ?

近くの大きな神社から降りてきた神輿にお詣りし、屋台を周る2人

理子:あの串焼き!!

くじ引きなどもあるが、概ね食べ物系がほとんどで、必然的に食べ歩きになっていた

◯◯:確かに美味そう…食べようか

理子:うん!

鶏ももと砂肝を買い、適当に歩きながら食べる

◯◯:塩コショウ強いけど…屋台ってだけで不思議と旨いんだよなぁ

理子:ねっ、不思議だよねぇ

◯◯は砂肝を、遠藤は鶏ももを食べる

理子:…………

◯◯:……食べる?

理子:良いの?!

◯◯の持つ串をジッと見つめ食べたそうな雰囲気が出ていた遠藤に尋ねる◯◯

◯◯:食べたことある?

理子:ない!

◯◯:…ほい

味はクセもなく食べやすい部類だが、それなりの固さと砂を噛んだような噛みごたえのため、リアクションが気になった◯◯は特に何も言わずに串を差し出した

理子:んっ…んぅ〜

1つを少しだけ食べようとし噛み切ろうとした遠藤だったが、できずに一口で頬張る

理子:ング、なんかシャリシャリしてた

◯◯:だから砂なんじゃないの?

理子:そうなのかな?

◯◯:知らないけど

理子:調べる?

◯◯:対して興味もないでしょ

理子:うんっ

◯◯:なら調べなくても良いだろ

苦笑いで言う◯◯に

理子:エヘヘ

無邪気な笑みを向ける遠藤

◯◯:(可愛いな)…一応モツ系のやつだったけど大丈夫だった?

理子:うんっ、美味しかった!

◯◯:そっか、良かった

理子:◯◯も食べる?

1つもらったからか、自身の串を差し出し尋ねる遠藤

◯◯:んにゃ、大丈夫

遠藤:…調子悪い?

来る時にしたやり取り通りになったのかと思い、しんぱいする遠藤だったが

◯◯:違う違う、あまり腹に入れたくないだけ

遠藤:やっぱり…

◯◯:だから違うって

苦笑いしつつ説明する◯◯

◯◯:中途半端に入れると満腹まで食べたくなるから、そうなる前に止まれるように調整しているだけ

遠藤:せっかくだから食べれば良いじゃん

◯◯:金欠なの!安月給舐めんな!

遠藤:知ーらない

他愛のないやり取りだが、色々と重なって疲れていた◯◯にとっては癒しとなっていた

◯◯:(あの時、勇気出して良かった…)

大学生活も落ち着いてきた頃、曖昧で心地良かった関係を壊すことを決意し告白したことを思い出す◯◯

理子:モグモグ……なに?

お詣りする前や先程の笑顔、今食べ物を頬張っている姿を見て改めて思う

◯◯:特に何も?…食いしん坊で可愛いな、って

理子:///

理子:う、うるさい///

あの時とは変わった関係で、同じ言葉を今度は◯◯が言い思う

◯◯:……“また”誘ってくれる?

理子:当たり前じゃん!

理子:いつまでも!何回も!誘うよ!

この瞬間を重ねていきたい、と

理子:か、彼氏と一緒にいたいし…///

◯◯:側から見たら兄妹だけどね

理子:あ、またバカにした!

___Fin

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