予行練習
「いきなりでごめん…」
‘は?え?ちょ、待ってくd’
「付き合って?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
“10分休憩〜”
◯◯:ハァ〜、疲れた
やっぱり、全体練習は疲れる。しかも連続で通してやるとか馬鹿げている。これじゃあ吹奏楽部は文化部だが、運動部並みのスタミナになるのも当然だ
??:◯◯〜いる〜?
◯◯:え?…げっ、村山先輩
村山:…なに?‘げっ’って
◯◯:ハ、ハハハ、ナンニモナイデスヨ~
この人は村山先輩。中学校からの先輩でよくイジめ
村山:…ん?
……よく話をする優しい先輩だ。
なんの楽器経験もなかったが、中学校から始めた吹奏楽部に入部し、なんやかんや(無理矢理先輩の自主練習に付き合わされただけ)あって仲良くさせてもらっている
村山:付き合って
◯◯:え?いや、オレまだ部活中…
村山:先生には許可もらっているから
高校生活が始まってまだ数ヶ月、入部してまだ間もないが
“おう、遠慮せず行ってこ〜い”
この顧問、頭おかしいと思う。いや、確かにまだメインメンバーに選ばれていないし、いなくても支障ないかもしれないが…練習中に連れ去るのを許可するとか普通あり得なくないか?
村山:てことだから
グイッ、とオレの手を引き移動し始める先輩。どうせいつもの場所だろうと思いながら一旦腕を放してもらい、準備をしてオレは楽器を持ってそのまま着いていく
ちなみに先輩が「付き合って」と言ったときは大抵この場所で行うダンスの自主練習に付き合えとの意味だ
◯◯:今日もですか?
村山:◯◯にもメリットあるから良いでしょ?
◯◯:まぁ、その通りなんですけど…
この先輩、実は生徒(特に女子生徒)にとてつもない人気のダンス部のエースだ。そのため、ブラスが使うここら以外の場所で練習しようものなら即座に人だかりができてしまうのだ
◯◯:(そりゃまぁ、このダンス見たら変な意味抜きで心を掴まれるよなぁ)
そんな人気者の先輩なのだが少々、いや、かなり変なところがあって…
# # #
”村山:ねぇ、きみ“
”◯◯:……“
”村山:ねえ“
”◯◯:え、オレですか?“
”村山:そう、きみ“
”村山:付き合って“
”◯◯:………は?“
# # #
まともに叩くことすらできないオレに自主練習に付き合えと言ってくるだけでなく、下手くそだのこれじゃ練習できないだの文句を言ってきていたのだ
なんでちゃんとできる人にお願いして、と言わなかったのかって?言ったに決まっている、言ったのだが
”村山:やだ“
この一言で断りやがったのだ。まぁ、そのおかげもあってか一気に叩けるようになれたのだが
そんな感じで先輩とは吹奏楽に入り、パーカスのパートに入ってからの付き合いなのだ
村山:まだ基礎練続ける?
◯◯:そのつもりですけど
村山:なら適当に抑揚つけて、踊りにくい
◯◯:ハァ〜…わかりました
オレが基礎練習で出す音に合わせて先輩は先輩でダンスの基礎練をするのだが、時折今のようにして要望を言うことがある。
ダンスの基礎練はカウントですることもあるだろう、って?オレもそう思っていた時期がありました。先輩曰く
”村山:メトロノームや人の声ならまだしも楽器だとやりづらい”
だそうです。
◯◯:(どーせ何か叩かないといけないんだろ?)
それなりに付き合いがあるため、何か叩けと言われる前に、適当に流行りのJ-POPのメロディを叩く
…絶対音感なんて持ってないですよ?先輩に付き合う内に音感が鍛えられた結果です
村山:フフッ、分かってるじゃん
適当に叩きながら先輩のダンスを眺める
◯◯:(どうやればあんな風に身体動かせるんだか…)
まぁ、身体操作よりも表情、表現力の方が何倍も凄いしそこに惹き込まれるんだけどね
にしても急に止まってd
村山:手、止まってる
◯◯:あ、サーセン
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
結局…
◯◯:(う、腕が上がらない…)
あのあとノンストップで踊り続ける先輩に付き合って叩き続けて腕が死んだ…
村山:ハァハァ…ありがと
いつも割と休憩(その間に普通の自主練をするから結局腕は死ぬ)しながら踊るのに珍しく踊り続けていた
◯◯:ハァハァ、珍しい、っすね…こん、なに続けて、ハァハァ…どうしたん、ですか?
村山:フゥ~…別に。そんな気分だっただけ
もう息が整った?!早すぎじゃね?!
◯◯:(そんなことより…嘘、だよな…かといって聞いても答えてはくれないだろうし)
そっすか、ハァハァ、にして、もハァ、相変わら、ず凄いスタミナ、ですね、ハァハァ、化け物過ぎる
誤魔化すってことは、言いたくないことなんだろう
村山:…まぁ、踊り慣れてるから、ね…?
あまり詮索するのも野暮だろうし聞きすぎない方が良いよな
村山:………ありがと
◯◯:何かしましたっけ?
村山:フフッ、いいや、何も?
村山:そーだ、明後日までにLINEに送るやつ、メロディ叩けるようになってね?
◯◯:え?ちょ…はぁっ?!
心配して損した、とんでもない爆弾置いて逃げやがった…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あのあとすぐに先輩から楽曲のリンクが送られてきて、帰宅してすぐに、聴きながら作曲アプリで譜面起こしを始めた
◯◯:ちょっと待て待てむずいむずい早い速い聴き取れないって無理無理無理無理
アイドルの楽曲などは割と叩くことあるし、今までも先輩から無茶振りされてやってきたけど段違いで速いしムズイ!
◯◯:え〜っと、出だしは…ソ?いや、なんかしっくりこない……ソ#か!え、ちょっと待てよ、てことは…てか速すぎる!!
ヤバァ…これを明後日まで?譜面見ながらでもできるかこんなもん!!!!
◯◯:ソ#ラ#ド#ラ#ド#レ#ド#レ#ファレ#ファラ#ファラ#~…ラ#-ラ#ラ#
ソ#ファ〜ラ#-ラ#-ラ#ラ#,ソ#ファ〜ラ#-♪
これは徹夜確定だ
◯◯:(いや、これ踊る先輩かっこいいだろうけど…クッソ絶対何か奢ってもらおう)
予想通り2日間とも徹夜しました。睡眠?授業中にとったに決まってるだろしっかり怒られたよちくしょぉおっ!
村山:フフッ、今頃採譜とかしてるのかな?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
徹夜明けでも先輩に引き抜かれて練習に付き合っています…
あの曲?先輩に無茶振りされてからフラフラになりつつもどうにか叩けるようになりましたよ…トホホ
村山:おぉ〜、お見事
◯◯:金輪際こんな無茶振り止めてくださいね…
村山:何回目かなそれ聞くの
ふざけんな、無茶振りのあとは毎回言ってんぞ…
村山:あ、2週間後のダンス部の発表会、ブラスとコラボするから。そのときにそれやるからよろしくね〜
◯◯:……はい?
また爆弾投下された気が…気のせいだよな
村山:気のせいじゃないよ
投下されていました…いや、セレクションの準備
村山:因みに◯◯もこの曲は叩いてもらうこと決まっているから頑張ってね
もぅ、この先輩から何言われても驚かなくなりそう…この人マジ何者?
◯◯:そっすか…先輩は、って愚問か
村山:もちろん、踊るよ
ですよねぇ……何気に先輩と一緒の舞台に立てるのか、ちょっと嬉しいな
村山:何?急にニヤニヤして…嬉しいの?
◯◯:ええ、そりゃあ嬉しいに決まってるじゃないですか!
◯◯:やっぱり1曲とはいえ合奏メンバーに選ばれるのは嬉しいです
揶揄うつもりだったのだろう先輩はニヤニヤと笑っていたけど、オレの答えに毒気が抜けたのか、ニヤニヤした笑みは引っ込み、微笑みながら
村山:…フフッ、良かったね
お祝いしてくれた…まぁ、嬉しい理由は他にもあるんですけどね!!
村山:じゃあ…特訓だね?
……何が美しい羽だよ、天使は天使でも堕天使じゃねぇかオレの感動を返せ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
後日、先輩が話していたようにその一曲だけは合奏メンバーとして選ばれたオレは変わらず先輩の練習に付き合いつつ、合奏の練習も頑張っていた
先輩との練習でかなり抜けているタイミングも多いのだが、割と許されている。サボってるわけでもなく、技術も磨かれているから別に良いとのこと…ちょっと解せねぇ
そんなある日、今日も今日とて先輩との練習中(明日には本番なのに全体練習よりこっちを優先して良いって…マジでイカれてる)先輩よりまたまた爆弾が放り込まれた
村山:◯◯?
◯◯:なんですか?
村山:いきなりでごめん…
え?なにこの雰囲気?
村山:ずっと前から……好きでした
◯◯:は?え?ちょ、待ってくd
村山:付き合って?
ちょ、このタイミングで告白?!こんな雰囲気ない感じで?!おかしくね?!?!
そんなオレの内心を知ってか知らずか
村山:………プッ
先輩は必死に笑いを堪えていた
こいつ、ウソ告かよ……っ
◯◯:……本気になりますよ?
村山:…嘘つかないでよ 笑
コッチは本気で好きだったのに、告白前に失恋か……平凡なオレにはお似合いの結末か…
村山:今日はコレくらいにして帰ろっか?
◯◯:え?いやいやまだブラスはやってr
村山:今日は私がもらう、って言っているから大丈夫
◯◯:えぇ〜…そもそも今日『も』でしょ…
村山;気にしない気にしない
どこに寄って帰る?
◯◯:途中で寄り道するのは確定なんすね…
思わず天を仰いだが、いつも通り先輩に振り回されて帰りましたよ……寄り道?なんかカフェに連れて行かれました、あぁ財布が…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
中学生でダンスを始めて1年、1人で練習するのが好きだった
その日も1人で練習する場所を探していた私は、たまたま見かけた男の子が無性に気になった
# # #
村山:ねぇ、きみ
??:……
村山:ねえ
??:え、オレですか?
村山:そう、きみ
村山:付き合って
??:………は?
# # #
名前を聞いたのは2回目に声をかけた時かな?
最初は単なる興味だったけど、ワガママを言ってもなんだかんだ受け入れてくれる◯◯を好きになるのにそんなに時間はかからなかった
◯◯と一緒に練習をするようになり、◯◯が上達するのと同じように私自身も成長できて、3年生になるころには、エースと言われるようになった。
◯◯も1年の冬頃には、合奏メンバーに選ばれるようになった。なったは良いが、その分2人で練習する時間が減り、私としては少し不本意だった
村山:先生
”おぉ、村山どうした?”
村山:吹奏楽部とダンス部で何かできませんか?
中学の時は何もできず、我慢してきたけど、もうそんなことはしたくない
◯◯が入学してきてくれると信じていた私は、1年の頃から吹奏楽部とダンス部の繋げる下地作りをしてきた
“そうだなぁ…ここ1年で一緒に練習することも増えたし…まぁ、試しに今度の定期発表会でコラボしてみるか”
村山:っ!ありがとうございます!!
“いや、村山がブラスとの繋がりを作ったからできることだよ”
◯◯が入学してきた時に、自然とそんな環境になるようにしようと足繁く通って(向こうからしたラ邪魔しにきて?)いたけど、それだけじゃなくて、先生がノリが良くて良かった。
村山:それで…
“ん?まだあるのか?”
村山:その…1年の◯◯くんを…
“お?なんだなんだ恋しているのか?”
村山:そ、そういうのじゃ無いんで//
……悪ノリも凄いけど
“青春しているな!おいっ!!いいぞいいぞ、頼んどいてやるよ”
村山:ありがとうございます///
“おう!!任せとけ!!”
“ってことで先生っ!!ウチの村山の恋路!!手伝ってください!!”
村山:ち、ちがっ///
“え?!なになに◯◯くん村山ちゃんを落としてたの?!”
村山:し、失礼しますっ///
最後はちょっとアレだけど…コレで準備はできた
村山:(今年は、ちゃんと…)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ピロン♪
◯◯:(ん?LINE?)
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村山先輩から
1件のメッセージがきています
______________________________
◯◯:(この時間に?珍しいな)
――――――――――――――
村山先輩
起きてる?
起きてますよ
村山先輩
明日だけどさ本番前に
時間もらっていい?
別に良いすけどアレすか?
帰りに言ってた告白の練習すか?
村山先輩
そう、察し良いじゃん笑
いや、今さっきのこと
だしわかりますよ流石に
――――――――――――――
ウソ告のあと、帰っている最中に先輩から好きな人がいること、ソイツに明日、告白することを聞いた
オレは平然を装っていたが、正直しんどかった。オレの想いを知られるわけにもいかなかったからいつも通りに振り回されるしかなかったけど
好きなやつが誰なのかは聞くことは愚か、自分の想いを伝えることもできない臆病者には逆によかったかな
そのくせ、帰っている途中も練習していた先輩に、嘘だとしても告られて心臓跳ねさせて…馬鹿らしいな……
◯◯:(応援してますよ、っと)
そう返してオレは横になった
◯◯:(明日にはわかるのか…いや、今は高校初の大舞台のことだけ考えよう!)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
‘今日の占いコーナーっ’
翌朝、発表会は学校の講堂で行う。
いつも通りの時間に出れば良いので、時間になるまでテレビをなんとなしに見ていた
いつもなら気にならない占いコーナーだが、今日は気になってしまう
◯◯:(ハッ、最低だな)
水瓶座の運勢を見て外れて欲しいと思い、そんなことを思った自分に嫌気がさす
◯◯:(応援する、って決めたんだ、今更惨めすぎるだろ…)
時間になり、家を出る
電車を降り、歩いていると
村山:おはよ
◯◯:おはようございます
先輩と鉢合わせた
◯◯:(いつもと時間ずらしたのになんで…)
正直、学校に行くまで先輩と会いたくなかったため、直前まで悩んだがいつもより1本遅い電車に乗った…なのに
村山:いつもの時間に乗ってなかったから先に行ったのかと思ったよ
◯◯:……少し寝坊しました
村山:珍しいね、こうゆう時は逆に早く起きる◯◯が寝坊するなんて
そんなことを真っ正直に言うわけにもいかず、嘘を言う…好きでも無いやつの性格とか忘れておけよ
村山:今日もよろしくね?
こちらの気持ちなんて先輩には関係ないため、いつも通りに接してくる
オレも想いがバレないようにいつも通り対応して学校に向かった
学校に到着してからは一旦先輩と別れて準備をする
◯◯:(準備が終わったらいつもの場所に来てとか言ってたけどそんな時間あるのか?)
準備も終わり、いつもの場所に行くと
村山:あ、きたきた、どう?
いつもの練習着と違い、衣装とメイクで決めている先輩は、いつも以上に綺麗で可愛かった
◯◯:めっちゃ似合ってます、可愛いです
村山:ありがとう…じゃ
◯◯:うっす
あぁ、地獄だ
村山:好き
自分じゃない相手に
村山:好きです
告白をする好きな人の
村山:好きだよ?
練習相手をするなんて
◯◯:ほら、もっと感情を込めないと
ソイツは先輩のわがまま、受け入れてくれるかはわかりませんよ
村山:好きなんだYO
◯◯:ふざけてどうするんすか 笑
オレなら先輩のわがまま、全部受け入れれますよ
◯◯:もう、大丈夫でしょ
村山:うん、ありがと
だから…今からでもオレに乗り換えませんか?
なんて言うこともできず、精一杯の笑顔で
◯◯:応援してます!
強がることしかできなかった…
村山:……うん
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あのあと、リハーサルをしていざ本番
◯◯:(やっぱ先輩、めちゃくちゃカッコいいな)
舞台袖から踊っている先輩を眺める
普段の割とふざけることもある先輩だけど、ダンスはホントにカッコいい
◯◯:(けど、これが終わったら)
先輩に無茶振りされて覚えた曲はラスト
それまでは割とブラスで使われるような曲が多かったが、最後はとことんまでダンス部を引き立たせるためにこの曲にした、とのことだった
◯◯:(案外、さっぱりしているものなんだな)
失恋なんて初めての経験だったが、こんなものなのか、それともまだ実感していないだけなのか、思っていたよりも落ち着いていた
それでも多少は思うところもあったが
◯◯:(そろそろか……先輩)
一瞬、先輩と目が合った…気がした
いや、確実にこっちを見ただろう
◯◯:(そうですかい、わかりましたよ演ってやりますよ!)
今は、色々と考えるのを止めて、この演奏を、先輩と初めての舞台を、成功させることだけを考えよう
◯◯:……ヨシッ
小声で呟いて舞台に出ていく
先輩はまたこっちを見て、今度は軽く微笑む
そして
村山:次が最後の曲です!みなさんラストまで楽しんでいってくださいっ!!
“わぁぁぁぁぁああああっ!!”
イントロ、全体で一気に盛り上げる
“ソ#ラ#ド#ラ#ド#レ#ド#レ#ファレ#ファラ#ファラ#〜♪”
◯◯:ッッ!!!
オレが担当しているヴィブラフォンも最初のメロディを担当しているため、一気にテンションを上げて叩く
村山:ッッ!、ッ、…ッッッ!!!
◯◯:ッッ!、ッ、…ッッッ!!!
今後、あるかも分からない先輩と一緒に披露するチャンスをただただ楽しむ
◯◯:(こっから…)
村山:(サビ……ッッ!!)
”ラ#-ラ#ラ#,ソ#ファ〜ラ#♪"
"ラ#-ラ#ラ#,ソ#ファ〜ラ#♪“
サビに入り、より一層テンションを上げる
◯◯:ッッッ!!!!!
そこからはあっという間でほとんど記憶に残らないほど没頭して叩き切った
村山:ハァ、ハァ、ハァ
◯◯:ゼェ、ゼェ、ゼェ
村山:ありがとうございました!
”ありがとうございました!!!
◯◯:ゼェ、ゼェ……
村山:……ブイッ
幕が下がって先輩がピースサインをしてきて
◯◯:ハァ、ハァ…ブイッ
オレも笑顔で返した
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
村山:お疲れ〜
片付けなどを終え、駅までの道を先輩と歩く
村山:凄かったよ?
◯◯:いや、別にオレ1人じゃ…
正直、片付けなどしている間は先輩の告白がどうなったかが気になってあまり身が入らなかった
村山:んーん、確実に◯◯は凄かったよ
村山:食われちゃう、って思うくらい
村山:おかげでいつも以上に本気になれたよ
◯◯:……アザス///
それはそれとして褒められるのは素直に嬉しいし照れる
ただ、それ以降は言葉が出ず、少しばかり気まずい時間が流れる
◯◯:……その、告白って
村山:あぁ〜、それか…
意を決して聞いてみたは良いものの、先輩の返事の歯切れの悪さに聞いたことを後悔する
◯◯:あ、話したくなk
村山:嘘つきでごめん
◯◯:え?
嘘?は?どうゆうこと?
村山:嘘つきでごめんね、本当は…ずっと前から◯◯が好きでした
そう言う先輩の声は、不安からか震えていた
村山:その、素直に言うのが怖くて…ちょっと探ってみようかと…
なんだよ、先輩も怖かったのかよ
村山:だから…私と付き合ってくれませんか?
先輩の不安気な様子に少しイジワルしたくなるけど、それよりも嬉しさが勝り
◯◯:こちらこそ
気付けば笑顔でそう返していた
◯◯:それと…先輩よりもオレの方が先輩のこと好きですよ?
まぁ、少し揶揄ったけど 笑
Fin
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