[エッセイ]「泥のように疲れ」てどろどろのカレーを食う泥女の夜
※注)この文章にはオチも教訓も何もありません。悪しからず
「泥のように疲れる」という言葉をテーマにnoteでも書くかと考えながら、泥のようだがツヤのあるチキンカレーを煮た。
米は無し。カレーだけを皿に盛ってテーブルにつき、パソコンを開いていざちゃんと言葉を調べてみれば、この言い方は誤用のようだった。正確な慣用句は「泥のように眠る」であって、「疲れる」が続く泥は本来ないようだ。
そうはいっても私はもう泥のように疲れたんじゃ。この際仕方がないので、どろどろしたカレーを掬い、口に運びながら「泥のように疲れた」女による泥noteを書き始めた。
iHerbで買ったカレーペーストは、ヘルシーなのが嬉しいが、結構辛い。辛党ではない私はややヒィヒィしながら食べるので、そう多くは食べきれない。泥疲れピーポーが不健康な時間にちょっとつまむ夜食としては、悪くなかろう。
泥のように疲れているので、本当は確認した方がいいExcelの確認とかは、もういいや。今日やれたら嬉しいタスクもあったが、諦めよう。
缶詰を開けた残りのひよこ豆がふんだんに入っているカレーは、ドロドロというよりはゴロゴロ。ひよこ豆ひとつひとつが、本当はこなしたかったタスクに見えてくる(気がする)。「うっせぇわ」とかっこむ。
泥のように疲れているので、ボケッと家に帰ってきて、いつもなら触らない電気のボタンを何故かぱちっと押してしまった。そのせいでアレクサのスマート電球から応答がない。Wi-Fiの接続が全然復旧できず、どよーん(泥ーん)としてくる。
ちっとも応答しないスマート電球が(何がスマートじゃ!!)泥女の気も知らず、それはもう煌々と蛍光する。やはり繋がらないWi-Fi。もう諦めて主電源を落としてしまう。
泥女を照らすことを許されるのは、太古の昔より、ただ間接照明だけなのだ。
亀(のような生き物)を飼っている。こいつがまた泥が好きなやつで、いつも水中の砂(水を抜けば、ほぼ泥だ)に潜って寝ている。飼い主も今日はあなたの好きな泥みたいなもんだよ〜と話しかけたり。しません。
カレーをはじめとした香りのある料理を作ると、泥んこ野郎(亀)は水面から鼻先を出してよく匂いを嗅いでいる。自然界ではまず嗅ぐことのない異国のスパイスの香りはどうだ? おもしろいかぁ?
この愉快な泥んこ野郎のことは、また別の機会に、楽しい文章で紹介しよう。いつも何度でも愉快な姿を見せてくれて、本当にありがとな。
カレーの味には慣れているが、海外のカレーペーストなどを使うと少しいつもより刺激が多い。辛いという意味でもあるが、なんとなく新鮮であることが味覚や嗅覚をいつもより煽る気がするのだ。
人生28年もやっていれば、普通にいい大人だし大抵のことには慣れている。だが時折、海外のカレーペーストで作ったカレーを食べているような新鮮な刺激に出会っては、ちょっと辛(から)くて、少量食べて口が疲れちゃったってこともある。
どろどろしちゃうこともある。
そういう日は、自分の頭に浮かんでは消える、色々な日本語のことばと遊ぼう。
面白おかしく取り出して、積み木みたいに並べて。あるいはカレーの具のように好きなものと混ぜ混ぜとして、ちょっと可笑しい文章を書いたりするのも、また一興。
泥のように疲れていても、雑文を書くことは愉しいという再確認ができた泥女であった。おやすみなさい