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ヴァイオリン歴0日

音楽同攻会の大学公認取消、財産の搬出、廃棄処分、部室退去……。全て2020年に起こった災難である。筆者は部室退去の責任者として、”師走”ティックな12月を送った。必要なものは外部に保管し、要らないものは捨てる。

その作業の最中、処分に困っていたものの一つに「ヴァイオリン」があった。

楽器ケースは把手が失われ鍵は錆びている。筆者は面白半分でこのボロボロのヴァイオリンを救出したのであった。

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帰宅して楽器ケースを開けると、弦は無ければ駒も当然外れており、酷い状態だった。魂柱が倒れていないのは不幸中の幸い。その日はそっとケースを閉めた。

一か月後…

当会にVn歴10年超の会員がおり、相談してみた。

筆者は弦楽器を一度も演奏したことがないし習ったこともない。弦をどうすればよいか、どうやって弦を張るのか、それすらわからなかったのである。Vn経験者に相談するのが王道だろう。

「私が弦とか初心者向けの教本買ってくるよ( *˙ω˙*)و グッ!」

快諾よりもノリノリだったのが救済(要検討)だった。

弦を張る

弦

G・D・A線はドミナント、E線はゴールドブロカット(ボールエンド)。

王道チョイスらしい。Tbのマウスピースでいうところのバック製といったところだろうか。安い弦らしいけれど値段に驚いた。筆者は元金管奏者である。楽器のメンテナンスに割く金銭が桁違いな様子を垣間見た。弦は消耗し切れることもあると聞く。使い捨ての消耗品で5千円オーバー。

(´・_・`).。oO(金管楽器は初期投資さえ頑張ればいいからお財布に優しかったな…)

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弦を張って調弦する姿を見て、大変な楽器を持ってしまったという感想を抱く。糸巻きも弦の張力に負けて戻ってしまう。静かに見守りながら待つこと暫し。遂に筆者の知るヴァイオリンの姿になった。

教本

教本1

相談先の会員が幼い頃に使っていた教本らしい。ヴァイオリン演奏上必要となる基礎的な技術を培うものだ。中を一緒に見ながら解説を受けたが、早速文化の違いに怯えた。指番号や弦の番号等を見て、最初のうちは一つ一つゆっくり確認しながら覚えていくしかなさそうである。教本内の各ステップごとの練習で獲得したい技術の内容は一見して分かった。どこまで行っても楽器練習というのは地道な作業だという感想を抱いた。初心を忘れない、絶対に。

教本2

スケール練習はこの教本。これもまた当該会員が幼い頃使っていたらしい。筆者が学生オケに所属していた頃を思い出した。速い音階上昇または下降のパッセージがオケ曲に豊富であることは学んでいたから、きっと役に立つ。どの楽器でもそうだが……。スケール練習は ”禅” の一種だと捉えているから、心も神経も研ぎ澄まされそうだ。

荒波

家族にはVnではなくて、自室でインテリアと化したTbの練習をしろと言われるかもしれない。だが、この時期Tbを公園まで背負ったとして、金属製ゆえにマウスピースがすぐキンッキンに冷えてしまう。大学の練習ブースはこのご時世閉鎖されているし。とは言うものの、自宅でVnも練習できないので、なんにせよ春を待つしかない。早く練習してVn上達への道のりの長さに絶句したい


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