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手塚治虫の「ユニコ」は、「ちいかわ」のご先祖様だった!?
こんにちは。平成生まれ、手塚治虫オタクのオンディーヌです。
みなさんユニコというキャラクターはご存じでしょうか?
漫画の神様、手塚治虫先生は、はるか50年も前には現代のちいかわに通じるキャラクターを生み出していたのです。
ちいかわは大好きだけど手塚治虫のユニコって何?という方はぜひ読んでいってね!
ユニコとは
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ユニコは1976年から、キティちゃんでおなじみのサンリオから発行された雑誌に女の子向けとして書かれた漫画です。
描くのは巨匠手塚治虫先生です。
ナデナデしたくなる頭のフォルムと、おめめのきゅるんとした、超絶かわいいユニコーンの男の子が主人公で、一見優しいほんわかした物語なのかなあ?とおもいきや、、、
まあこのユニコが想像できないくらい不憫な運命なんですね。
ユニコはもともと古代ギリシア神話の世界の女の子と幸せに暮らしていたのですが、女神の嫉妬によって遠い時空のかなたに捨てられてしまうんです。西風の精霊がユニコを運んでは捨てていくことによってオムニバス形式にあらたな場所、時代でのストーリーが展開されていきます。ユニコは優しくしてくれた相手だけには魔法の力で願いをかなえてあげることができます。(これが救い)
なのでその相手を幸せにしてあげようと奮闘するんですが、そのさなか、、、タイミング悪くまた西風さんがやってくるのです。泣
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自らの危険もかえりみず、相手をハッピーエンドにしてあげた際も、ユニコ本人はさよならも言えず旅立っていくのです。
しかも次の場所では前回までの記憶までなくなってしまうので全くゼロからリセットされてしまうんです。これ、めちゃくちゃひどくないですか?泣
次の世界では大抵おなかぺこぺこの、「ここはどこ?」状態から始まります。泣
ちいかわとは
ナガノ先生が描くちいさくてかわいいキャラクターたちの物語です。
のほほんとしたストーリーと思いきや、ちいかわ達がキメラ化したり(!)
草むしりなどの労働や命がけでモンスターを討伐することにより日銭を稼ぐというような世界設定が不穏な魅力を与えています。
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ユニコとちいかわとの共通点
一見するとかわいいキャラクターのほんわかした物語が展開されると思いきや、その世界観はどちらも闇が深く、なんとも不憫な目に合ってしまうところがなんだか似ているなぁと思っていました。
そしてどちらも毒がないというか、やられたからやり返してやろうとか、黒い心がないところも似ていますね。純粋な子なんですよ。
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不憫かわいいという魅力
ユニコにしても、例えば「別の世界に行って出会った人を幸せにしてきなさい」というハートフルストーリーにしてもよいはずなのに、なぜわざわざかわいそうな状態を作ったのでしょう?
「かわいい」と「かわいそう」の語源
かわいいという日本語のの語源ですがもともとは「顔映ゆし(かおはゆし)」という言葉で、見ていられないほど不憫だ、気の毒だといった意味だったそうです。
ほうほう、かわいいとかわいそうはもともと同じ語源というわけで、すごい納得しました。
かわいいはかわいそうから生まれた感情ってコト?
「不憫かわいい」はかわいいをさらにえぐるための理にかなっているのです。
本能はかわいいものが不憫になるのをのぞんでいる?
みなさんはキュートアグレッションという言葉をご存じでしょうか?
かわいい犬を見せ、感情に合わせて持っているプチプチをつぶすという、なんだか笑っちゃいそうな実験で確証されたという、
かわいいものほど攻撃性が出てしまうという逆説的な衝動なんです。
これは可愛すぎるものに接したときの脳の防御反応なんて言われたりもするそうですが、、
これ誰しも本能としてあるようなんですね。
子犬をぎゅ~っと強く抱きしめたくなっちゃう。赤ちゃんのほっぺをつねりたくなってしまう。というあれだそう。
これねちょっとわかるんですよ。いつも純粋で無防備なユニコやちいかわにイラっとしたりする自分もいるのです。
てことはわたしも不憫シーンを楽しみにしている欲望があるってこと?
そうなると罪悪感という感情もプラスされますが、、、
本能としてかわいいものが不憫な目に合うことは興味をそそられるものなのかもしれないと思いました。
かわいそう、だから感情が爆発する
結論として、かわいいだけでなくかわいそうの要素(不憫要素)があることにより、複雑な破壊力のある感情を生み出させることができると考えました。単にかわいかった。かわいそうだった。泣けた。という作品より、こういった言語化するのが難しい、複雑な感情を生み出せる作品って本当にすごいなあといつも思います。
私も記事を書くにあたり久しぶりにユニコを読んでみましたが
かわいいやらかわいそすぎるやら、イライラするやら、応援したくなるやら。なんともいじらしいユニコというキャラクターにメロメロになってしまいました。
もう、うちで保護してなで回してほっぺをぷにぷにしたいです。
他にも現代の不憫かわいいキャラクターとして、「おぱんちゅうさぎ」「モルカー」「すみっコぐらし」なんかも仲間に入るかもしれません。
不憫かわいいキャラクターってのは現代人の心に刺さるようですね。
私自身ものんびりした性格で、人からイライラされやすいんだろうなーと自負しているので、不憫な目にあっているキャラには、あぁ~と共感してしまう側面もあります。
共感を集めるのには、そういった心の傷がある人が現代に増えているのでしょうか。
おわりに
今回はちいかわのご先祖様、つまりは不憫かわいいの源流としての「ユニコ」を紹介いたしました。
現代にも通じる手塚治虫先生の感覚というのには全く脱帽であります。
ちなみにユニコ原作はちいかわ同様フルカラーで連載されておりました。(手塚漫画ではかなり珍しいです)
現在はフルカラー版が手に入りにくくなっているようです。
モノクロになりますがkindleなど各電子書籍でも販売がありますし、ネットで簡単に手に入ります。
電子書籍版は全2巻で、少女向け漫画なので読みやすく、展開もハラハラするので一気に読めちゃうと思います。
また、人間の女の子になりたいおてんば子猫のチャオや、まさにちいかわモモンガのような性格の、孤独の悪魔(通称「悪魔くん」)といった、ちいかわ好きのツボに刺さりまくるマスコット的キャラも登場しますよ。
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手塚治虫ファンとしては、はじめはぜひ漫画版のかわいらしさをご堪能いただきたいです!
本当に50年前のマンガとは思えないですよ!
ちいかわ好きの方、手塚マンガに興味ある方は、ぜひぜひユニコを読んでみてくださいね!