島根の建設業界とIT企業、ベトナム人材に関心
引き続き、現在の島根県内での海外との関係として、最も目に見える関係の一つである「外国人材の雇用」について取り上げます。
10月に2つの島根県の企業グループ(建設業及びIT企業)がベトナムに渡航し、現地企業や大学生と交流しましたので、今回の投稿では、それぞれの活動を取り上げてみます。
なお、個人的には、今後10年間程度のスパンで、ますます重要性が増していく企業課題の一つが外国人材の活用だと考えます。この分野における企業の新たな取組が増えてくるべきと感じています。
○島根にベトナムから人材を 雇用視野に学生と面談 設備、建設業の3社11人がベトナム訪問団を結成
※地元紙「山陰中央新報」(2024年10月30日)より抜粋し、紹介します。
島根県中小企業団体中央会の会員企業でつくる「ベトナム視察団」の一行が30日、ベトナムの首都ハノイの日本語学校を訪れ、学生と面談した。島根の経営者らが将来の雇用も視野に入れ、業務内容や職場環境を日本での就労を考える学生に説明した。
同会は、人口減少などで人手不足が深刻化する中、優秀な外国人材の確保を求める声が地元企業の間で上がっているのを踏まえて視察団を編成。建設業の経営者ら11人が参加した。
訪問した日本語学校には、20~40代のベトナム人約140人が在籍。日本語やビジネスマナーなどを学んだ後、年間500人程度が日本の教育機関に留学したり、企業で働いたりしているという。
参加した総合設備工事業の島根電工(松江市)、総合建設業の高橋建設(益田市)、建設業のみつわ工業(益田市)の関係者は、学生約30人の前で業務内容などを説明した後、面談。学生は日本語を交えて仕事の内容をはじめ、勤務時間や必要とされる日本語レベルなどを熱心に質問した。
面談後、学生の一人は「活躍できそうな魅力的な会社があった。就職できるように日本語の勉強を頑張りたい」と語った。島根電工の野津廣一社長は「どの学生も日本で働きたいという意欲を感じた」とした。
一行は10月28日から3泊4日の日程で現地を訪れており、29日は理系トップレベルにあるハノイ工科大やハノイ交通運輸大を訪問。人材供給に関する協定締結に向けて協議した。
○ハノイで「ベトナム・島根県IT企業交流会 」が開催され、島根県とジェトロ島根、島根県内IT企業16社が参加
島根県とジェトロ島根、県内IT企業16社がフォンドン大学などを訪問
~ベトナムでのIT人材育成と日越連携強化を目指す~
ベトナムは、政府によるIT分野の教育政策やインフラ整備、企業誘致などの施策により、IT人材が豊富な国として成長を続けている。また、昨年、日越外交樹立50周年を迎えたことを契機に、日越連携への関心がさらに高まっている。今年春には、出雲空港とハノイのノイバイ空港を結ぶチャーター便も就航し、今後、両国間のビジネス交流の更なる活性化が期待されている。
このような背景のもと、2024年10月30日に島根県庁、ジェトロ島根及び県内IT企業16社が、ベトナムのフォンドン大学を訪問した。訪問目的は、ベトナムのIT企業や人材との連携を深め、現地市場の可能性を探ることである。
■フォンドン大学での歓迎と交流
フォンドン大学のビュイ・ティエン・ズー学長は、島根県の訪問団を温かく歓迎し、大学の実績や情報通信技術部の歴史を紹介した。これに応えて、島根県ブランド推進課職員は、島根県と日本全体でIT人材の需要が高まっている現状を説明し、ベトナム人を含めて外国人高度なIT人材を採用することで、国内の人材不足問題を解決することが期待されている。
NiX Educationの代表者は、産学連携IT人材育成プログラム「NiXコース」について紹介しました。このコースは、学生たちが専門的なITカリキュラムと日本語を学び、日本企業での就職を目指すことができるよう設計されている。特に3年次からのリモートインターンシップを通じて、卒業後には日本企業での就職機会が100%保証されることが大きな特徴である。
■NiXコースの学生と島根県IT企業との交流
この訪問では、NiXコースの1期生と2期生の学生たちが、島根県についての印象やIT企業への関心をまとめた資料を用意し、島根県企業に向けてプレゼンテーションを行った。学生たちはこの交流を通じて、日本企業への理解を深めると同時に、日本文化や働き方についても学ぶ機会を得た。
交流会では、学生たちが島根県庁や企業の代表者に積極的に質問し、日本での働き方やキャリアパスについて強い関心を示した。企業側も学生との対話を楽しみ、質問を投げかけることで、互いに学びのある交流となった。
この訪問を通じて、日越のIT人材交流や企業連携がさらに強化されることが期待される。今後、NiX Educationと島根県との協力関係が進展し、日越両国のIT分野の発展に貢献することであろう。
○感想
10人~20人規模の島根県企業の訪問団が結成され、相次いでベトナムを訪問するのは、はじめての出来事です。他国ではこのような規模の訪問団は実現できなかったと思われ、べトナムへの関心が高まっていることが実感されます。次のステップとして、ベトナㇺ人材の獲得やアウトソースにチャレンジする企業が、どの程度現れるか、注目していきたいと思います。
最後に、以前、外国人雇用に関する企業の皆様向けの島根県庁の支援策を紹介しました。あらためて、これらの支援策の概要をお伝えします。
https://note.com/ondakazuki/n/nff0821e90df2
https://note.com/ondakazuki/n/n7a3700ba2385
外国人雇用相談窓口
島根県庁商工労働部雇用政策課に外国人雇用の相談窓口を設置しています。相談員が常駐していますので、電話等で、気軽に相談していただけます。
https://www.pref.shimane.lg.jp/industry/employ/koyo_syugyo/gaikokujinnokoyo/index.html