書籍の紹介「ギリギリ公務員 福間敏」(毎熊浩一)
活躍する公務員を「スーパー公務員」と呼ぶようになる前の時代に活躍した、すごい公務員が島根にいました。その人、福間敏さんについて書かれた本が、この8月に地元出版社から発行されましたので、読んでみました。
この本から得られることは、、
・「企業誘致」に活躍した福間敏さんの成したことを知る。
・島根県の企業誘致と産業振興の歴史(の一部?)を知る。
・島根県の公務員と企業人の方々の一面をあらためて知る。
・著者である島根大学教員の毎熊さんや大学生による、福間さんに関する考察を知る。
企業誘致・・・企業の本社や事業所、工場などを地方へ誘致すること。 企業誘致により、新規雇用機会が増え、その地域の経済活動が活発になります。
ギリギリ公務員の「ギリギリ」とは、本書の最後あたりに出てくる「マージナル・マン」、日本語では「境界に生きる人」に繋がる言葉で、公務の世界とその外の世界の境界で活躍した、福間さんの生き方を表しています(と、理解しました)。
福間さんや周りの人たちの様々な挑戦、うまくいったことも、うまくいかなかったことも書いてあります。おすすめです。
【書籍の内容紹介】
「誘致の神様」と呼ばれる公務員がいた。
故郷・島根に若者の雇用の場を創出するため、役場を飛び出し、全国を東西奔走した 福間 敏。
旧斐川町役場時代に20社を超える企業誘致に携わり、地場の内発型産業振興にも尽力した。
給料はほとんどが飲み代に、通訳が必要ほどの出雲弁で霞が関のトップ官僚に「直電」、地元のお米の美味しさを伝えるため炊飯器ごと先方へ送り届ける…伝わる桁外れなエピソードの数々は、公務員の規格を超えた、まさに「ギリギリ公務員」。氏の行動は人を動かし、心を動かした。
官民問わず、なぜこれだけ多くの人が福間に魅了され、今なお語り継がれるのか。「人たらし」の極意を学ぶ、多くのヒントがちりばめられた一冊。
また、現代に生きる若者は、そんな「福間敏」の生き方、働き方をどう捉えるのか。島根大学の学生498名との対話から、福間を読み解いていく。
行政研究者による、唯一無二の「異人」公務員論。
【福間 敏(ふくま・さとし)プロフィール】
1951年、島根県斐川町(現・出雲市)生まれ。
旧斐川町役場職員として、一部上場企業を含む20社を超える企業誘致に携わる。退職後は島根県庁商工労働部参与として全国の産業振興推進に尽力。
また、地域課題解決プラットフォームを提唱し、2012年頃に「雲州志士会」を立ち上げるなど、人材育成にも注力する。
2019年没。
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▽立ち読み
https://tprint.co.jp/wptprint/ebooks/girigiri/?pNo=1
▽関満博先生(一橋大学名誉教授)寄稿
「故郷のために命懸けに生きるほど素敵な人生はない-斐川の巨人・福間敏氏-」
https://tprint.co.jp/archives/5683