出雲商工会議所、外国人の起業を支援 企業と提携、相談窓口設置
引き続き、現在の島根県内での海外との関係として、最も目に見える関係の一つである「外国人材の活用」について取り上げます。
10月末、出雲商工会議所が地元民間企業と提携して、外国人向けの起業相談窓口を試験的に設置し、法律手続きなどの相談に応じて起業を促す取組をはじめました。今回の投稿では、この活動を取り上げてみます。
なお、個人的には、今後10年間程度のスパンで、ますます重要性が増していく企業課題の一つが外国人材の活用だと考えます。この分野における企業の新たな取組が増えてくること期待しています。
○出雲商工会議所、外国人起業を支援 企業と提携、相談窓口設置 地域経済活性化につなぐ
※地元紙「山陰中央新報」(2024年11月14日)より抜粋し、紹介します。
島根県内最多の約5千人の外国人が暮らす出雲市で、外国人の起業支援の取り組みが動き始めた。出雲商工会議所が民間企業と提携して相談窓口を試験的に設置し、法律手続きなどの相談に応じて起業を促す。外国人ならではの新たなビジネスを後押しし、地域経済の活性化につなげるのが狙いだ。
市内には日系ブラジル人をはじめ、ベトナムや米国、中国など約5千人の外国人が暮らす。起業して飲食業をはじめ、通訳業や英会話教室、自動車整備業などを営む外国人もいる。
同商議所によると、外国人からの起業などに関する相談件数は、昨年4月以降に計8件あった。増加傾向にあるが、相談者が通訳を同伴する必要があるなど、言葉の壁が課題だった。在留資格や会社設立に必要な手続きを理解しないまま起業し、後で問題が発生するケースも出ているという。
こうした課題を解決するため、外国人の相談事業を始めることにした。事業にあたり同商議所は、海外のIT人材を地元企業に紹介する事業などを手がける「ピープルクラウド」(出雲市、牧野寛代表取締役)と提携し、同社が運営するコワーキングスペース「イズモノマド」(出雲市)に相談窓口を設けた。
英語など多言語が話せるスタッフを擁するピープルクラウドが外国人起業家の相談を受け付け、内容を商議所に伝達。商議所は相談の中身を踏まえ、起業の支援メニューや必要な手続きを紹介する。窓口開設に合わせ、会社設立などの支援策を英語で記した書類を準備。市内の外国人で最も多いブラジル人の利用を想定して今後、ポルトガル語版も用意する。
同商議所では来年3月まで相談窓口を試験的に設置し、外国人のニーズを探り、来年度以降の本格設置につなげたい考え。総務企画課の江田尚美課長は「外国人の起業や事業円滑化を支援することで、地域の活性化につなげたい」と話した。
今月23日には、起業を検討している外国人を対象にした無料セミナーをイズモノマドで開催する予定。ビジネスの始め方に関するケーススタディーや注意点を紹介する。
○感想
外国人による起業の動き、また、それを支援する動きというのは、日本全体においても、まだまだニッチな取組だと思うので、それが島根県の出雲市という地方都市でいち早く始まることは大変意義あることだと思います。
出雲市においては、
1 日系ブラジル人など外国籍の方々が様々に暮らしていること(ニーズ)
2 牧野さんとピープルクラウド社の多国籍な社員が活動していること(シーズ)
3 商工会議所がいち早く外国人起業支援に挑戦する決断をしたこと(繋ぎ役)
このような条件が重なったのは偶々の要素もあると思いますが、それを逃さず、新たな取組の実施に持っていくことができたのは、関係者が日ごろから意見交換を重ねて、緊密な関係を構築してきたからだ、と感じます。
どんな成果はが出てくるか、やってみないとわからないからこそ、やってみる価値あり、と思いますので、出雲の外国人の方々による積極的な活用、そして、思いもよらぬ成果の実現を期待しつつ、本取組を見守っていきたいと思います。
最後に、以前、外国人雇用に関する企業の皆様向けの島根県庁の支援策を紹介しました。あらためて、これらの支援策の概要をお伝えします。
https://note.com/ondakazuki/n/nff0821e90df2
https://note.com/ondakazuki/n/n7a3700ba2385
外国人雇用相談窓口
島根県庁商工労働部雇用政策課に外国人雇用の相談窓口を設置しています。相談員が常駐していますので、電話等で、気軽に相談していただけます。
https://www.pref.shimane.lg.jp/industry/employ/koyo_syugyo/gaikokujinnokoyo/index.html