島根県企業の輸出入実績データ(2023年最新版)+日本全体の状況
2024年12月19日、島根県庁のホームページに2023年(1年間)の県内企業(誘致企業の工場なども含む)の輸出入の状況が掲載されました。
今回公表されたのは2023年1月から12月までの状況なので、1年のタイムラグがありますが、現状分析の参考とするのには問題ないと思われます。
島根県の企業の輸出入の状況
・貿易実績のある企業 234 社
2023年(暦年)の1年間で輸出か輸入をした島根県内の企業は234社でした。経済センサスによると、県内の製造業は約2500社、ざっくりですが、10社に1社が貿易していることになります。
2023 年における輸出企業は 187 社(前年 184 社)、輸入企業は 104 社(同111社)、これらのうちで輸出入ともに行っている企業は57 社(同 61社)で貿易企業は 234 社(同 234 社)となりました。
所在地別では、松江市が 61社と最も多く、続いて出雲市 59社、浜田市 25 社の順となりました。
・島根県の企業の貿易額は 5,584 億円
県内企業の 2023 年(暦年)の貿易額(輸出入額)は 5,584 億円(前年 6,349 億 円)となり、前年比で 87.9%となりました。 輸出額は 3,112 億円(前年 3,485 億円)、輸入額は 2,472 億円(前年 2,865 億円)でした。
なお、輸出額について補足説明をしますと、この中には大企業及び県外本社企業の島根工場分の輸出額が多く含まれていて(実際のところ90%以上を占める)、県内経済において重要な役割を果たしています。
一方、島根県内の中小企業の輸出の促進についても、行政として重要な施策と位置付けています。これについては、別に取り上げて解説します。
【出典】
47都道府県のうちの一つの県(島根県)の状況ですが、他県においても似た部分はあると思いますので、参考にしていただければ、と思います。
日本全体の中小企業の輸出の状況
2024年版中小企業白書及び政府レポート(日本経済2022-2023)に、日本全体の中小企業の輸出の記述がありましたので、参考に転記します。
過去10年間における中小企業に占める輸出企業割合をみると、2011年度には19.7%だったものが2017年度には21.7%へと上昇したが、2021年度には21.0%と低下し、過去10年間を通じた上昇は1.3%ポイントとなっている。一方、この間、大企業の輸出企業割合は、2011年度には25.1%だったものが2020年度には28.1%へと、10年間で3.0%ポイントの上昇となっている。
大企業と中小企業との比較という観点から、我が国輸出に占める中小企業のシェアを確認すると、輸出企業数では中小企業が約70%、大企業が30%であるのに対し、輸出額では中小企業の占めるシェアは約7%に過ぎない。
過去10年間で中小企業は輸出を増加させてきただろうか。
中小企業の輸出額は、2012年度以降2016年度までは拡大を続け、その後は減少3しているものの、過去10年間を通じておおむね5兆円程度で推移しており、大きな変化はみられない。売上高に対する輸出額の比率もおおむね同じ動きとなっており、2011年度には3.1%だったものが2020年度には3.3%とおおむね横ばいの動きとなっている。
これに対し、大企業では、世界経済の減速と新型コロナの影響を受けて2019年度と2020年度に大きく減少しているが、その期間を除けば、2011年度から2018年度にかけて輸出額を13兆円増加させており、売上高輸出比率も2011年度の12.2%から2018年度の13.3%へと1%ポイント程度上昇している。
このように、大企業と比べ、中小企業は輸出企業割合・輸出額共に過去10年間で増加させることができていない。
とのことです。
比較すると、全国と島根は、おおむね同じ傾向にあるようです。