外国人の医療支援のためのコミュニティ通訳ボランティア養成講座が始まります
今回の投稿では、現在の島根県内での海外との関係として、最も目に見える関係の一つである「外国出身者との共生」、その中でも、外国の方が医療を受けるときに心配となる言葉の不安の解消への取組を取り上げます。
1 コミュニティ通訳ボランティア養成講座とは?
以下は、事業概要が紹介されているしまね国際センターからの案内文です。なお過去にも複数回、同様の講座が行われているようです。
【コミュニティ通訳ボランティア養成講座】開催します!
コミュニティ通訳ボランティアとは、日常生活の様々な場面(行政窓口・教育・医療・福祉・各種相談・自治会活動等)で通訳を行うボランティアです。
今回の講座は、病院など医療に関する対面通訳の研修をオンラインで実施します。通訳に関心のある方のご参加をお待ちしております!
1日目 医療通訳の概要と倫理・心得
2日目 病気の知識・医療制度・文化の違い
3日目 通訳技術基礎・演習
【演習言語:英語20人・中国語10人・ポルトガル語10人・ベトナム語10人】
【パンフレット】
詳細は、以下のリンク先よりご確認ください。
2 島根県のコミュニティ通訳に関する補足情報(2つ)
まずは、制度的な話です。
・コミュニティ通訳ボランティア制度要綱(しまね国際センター)
(1)コミュニティ通訳ボランティア制度は、外国人住民が社会生活上の様々な場面で、言葉や文化などの違い により十分なサービスが受けられない場合に、必要に応じて通訳を派遣し、意思疎通を円滑に することを支援するなど、地域における多文化共生の推進を図ることを目的とします。
(2)コミュニティ通訳ボランティアは、次に掲げる各分野で、通訳として協力することを活動内容とします。
(ア)町内会・自治会等の活動に関すること
(イ)行政手続きに関すること
(ウ)各種相談に関すること
(エ)児童生徒の教育に関すること
(オ)健康福祉に関すること
(カ)医療に関すること
(キ)その他
・現状と課題(島根県庁健康福祉部医療政策課の作成資料から抜粋)
現状の分析です。
(1)コミュニティ通訳ボランティアは、開始当初(平成18年)の派遣実績は年間10件程度だったが、令和元年度には328件の実績があった。
(2)そのうちの7割近くが医療分野での利用で、 依頼例は、妊婦健診、産後指導、不妊治療、MRI、胃カメラ、アレルギー検査、乳幼児の予防接種など多岐に渡る。
(3)基本的には予約制なので、 派遣依頼があればボランティアに活動の可否を確認し、日時や場所を伝え、都合があえば派遣してもらうという流れ。
(4)通訳ボランティア制度に対する周知はまだまだ不十分であり、今後たくさんの方にこの制度を知ってもらうことで、外国人住民の利用及び、 通訳可能な方のボランティア登録は増加すると予想される。
(5)しかし、通訳ボランティアの登録人数は、言語・居住地域に偏りがあり、派遣の依頼が あってもすべてを調整することは難しいのが現状。
(6)例えば、県内のブラジル人が外 国人住民数の約4割を占めているにもかかわらず、ポルトガル語のボランティア登録人 数が少ないため派遣依頼を断るケースが多かったり、元々、県西部の登録人数が少ないため、依頼があっても同行対応できないということも少なくない。
(7)将来的にはポルトガル語の通訳ボランティアの登録人数を増やすことと、県西部でもボ ランティア養成講座を開催し県西部の登録人数を増やし、県内どこでも同じように派遣ができるよう体制を整えていく必要がある。
最後に、以前、外国人雇用に関する企業の皆様向けの島根県の支援策を紹介しました。あらためて、これらの支援策の概要をお伝えします。
外国人雇用相談窓口
島根県庁商工労働部雇用政策課に外国人雇用の相談窓口を設置しています。相談員が常駐していますので、電話等で、気軽に相談していただけます。
https://www.pref.shimane.lg.jp/industry/employ/koyo_syugyo/gaikokujinnokoyo/index.html
外国人雇用支援助成金・支援策等一覧
全ての企業が使える補助金・支援事業が6つ、介護分野限定が4つ、建設業限定が1つ、合計11種類の補助金や支援事業が用意されています(県庁各課と島根労働局・日本政策金融公庫の支援策の合計)。