「炎上事例」で終わらせない
お腹をくだした深夜に、敬愛するカラス牧野さんの投稿を見て。
自分の中のモヤモヤを整理してみたいと思います。
#ロリエkoseiful ** に想うこと**
公開後のネガティブな反応でこのキャンペーンを知りました。
「個性で済ますな」
ネガティブな反応の内容は以下のようなもの。
・ジュエルを用いた表現が軽薄
・実際の生理の辛さとの乖離がある
(「生きやすく」と謳うなら)
・休暇を取りやすくする仕組みづくりを
・具体的な知識を共有
・軽減税率の対象にする為のアクションを
同じ生理をアクションにしたプロジェクトを引き合いに出させていただくと、やはりブランドが何を背負ってくれるのか?や、言葉選び、そしてリアリティに課題があったのかもしれません。
THE TAMPON BOOK
The Female Company(ドイツ)
#NoBagForMe
ユニチャーム
ナトラケア
対話型のブランドコミニュケーション
日頃誰よりも生理に対して真剣に向き合っているであろう、花王の女性社員72名のリアルな声をもとにしたアンケート。同社の478名の女性による太鼓判。これらの事実を以ってしても、ミスコミュニケーションが起こってしまう。
ブランドが社会課題に関与していく流れがどんどん強くなる中で、いわゆるこうした「炎上」はまま起こり得ると思います。
そうした際に多くのブランドは沈黙します。広報的にはそれが正解の場合が多いのも事実ですが、そんな時だからこそ、ブランドがフラットに本意を伝え直したり、次回のキャンペーンにアンサーを仕掛けたり。消費者との接点が点でなく線であり面になる、そうした対話型のブランドキャンペーンが増えて欲しいと密かに願っています。
「生きるために、化粧をする」
先月公開されたKANEBOの広告。
2月に「I HOPE.」をコンセプトにブランドを刷新。「唇よ熱く語れ。」というコピーは男の私が見てもカッコよく素敵だなぁと思っていました。
しかし、今回のCMに対してはネガティブな反応が目立ちました。
・化粧しないと女性は死ぬの?
・化粧を義務付ける風潮を助長する
ブランドサイトに記載されたメッセージは以下の通りです。
化粧なんて何のためにするのだろう、と言う人がいる。
化粧で喉は潤せないし、お腹だって満たせない。
それでも、わたしたちは化粧をする。
美しさのため?
誰かのため?
あなたは、何のために化粧をする?
決して女性を抑圧する意図があったわけではないのは明白で、むしろ投げかけにとどめた表現になっています。
ここからラーニングを得るとするならば…
強い言葉は紙一重
基本的なことかもしれませんが改めて。メインコピーの強さが故、見出しだけで解釈しようとする層が瞬間的に反発したようにも思えます。昨今はコンテンツをサムネレベルの情報量で消化する動きが加速しています。そんな中での一言は良くも悪くもより大きな意味合いを持っていきます。今後、言葉のプロに対して社会的な視点で意見することは、PRパーソンに必要な勇気なのかもしれません。(そもそも気づけば、ですが…)
コンテキストを検証
「化粧はマナー」といった価値観と共存せざるを得なかった日本において、「生きるため」が「毎日化粧をすることを強いること」として解釈されてしまう、ということが起きました。
このあたりのコンテキストによる捉えられ方にも検証が必要です。
気になるのは全員から共感されなくとも、特定の購買層での支持を勝ち得ていたのか?ということ。何かご存知の方がいれば是非。
その他、いくつかの事例のモヤモヤもまとめたかったのですが、夜が更けてきてしまったので今回はこのあたりにしておきます。
言うは易し行うは難し
忙しい日々の中で企画に対してのヒアリングやメッセージの検証を行うこと、リプランして社内外の人々とコンセンサスをとっていくこと、現場にいる身として容易でないと言えます。
一方で大切なブランドの声や所作をお預かりし、社会にメッセージを届けることを生業にする以上、それらと向き合うことは必要不可欠なのだと感じています。