「SHEIN」がアマゾンを抜き米国で最もインストールされたショッピングアプリに ! 何が凄いの??
こんにちは、思考力特訓中の恩田です。
本日は以下を取り上げます。
記事によると、
・米国のiOSおよびAndroidで最もダウンロードされたショッピングアプリは、Amazonを抜いてファストファッションのeコマースアプリ「SHEIN」。
・SHEINは64カ国でトップのiOSショッピングアプリ、13カ国でAndroid上のショッピングカテゴリーのトップ
・中国にフォーカスしているインターネットアナリストのMatthew Brennan(マシュー・ブレナン)氏は、このアプリを「eコマースのTikTok」と呼んでいる
・SHEINが独自の生産チェーンを持ち、デザインからプロトタイプ開発、調達、そして生産に至るまで全工程をコントロールしていることだ。その各段階は高度にデジタル化され、他の工程と連結しているため、特定の地域やユーザーの嗜好性に向けて特製した何百種類もの新製品を「日産」というペースで量産できる。
「アマゾンを抜いた」「64カ国でトップ」
何か凄そうですね。
ファストファッションではZARAのトレンド把握力、スピード生産・物流が有名です。
SHEINも負けてないのか?ZARA以上なのか?
どうなんでしょ?
1.価値を生むバリューチェーン
早速アプリをダウンロードしてみました。
その第一印象は、
「商品量がとてつもなく多い」
「アパレルかと思いきや、ベーカリーや健康器具、ペット用品まで扱っていてラインナップが豊富すぎる」
「とにかく安い!!!」
「お洒落!!」
商品の質はわかりませんが、安さや流行を追い求める若者層には支持されそうです。
記事で私が最も気になったのは、
「何百種類もの新製品を日産ペースで量産できる」
これを踏まえて商品ラインナップ(アプリ)を見ると、これだけの膨大な量が「毎日」「量産」されているのは凄いと感じます。
しかもそれら商品は低価格で売られている。
同社のバリューチェーンはどうなっているのか?
と興味を抱き、調査を進めると以下サイトにたどり着きました。
このサイトに同社の強さの秘密が余すことなく記されています。
その中で、バリューチェーンの部分を引用させていただくと、
商品のデザインから、プロトタイプ開発、生産に至るまで所要日数はわずか14日間、最速で7日間に短縮することができます。わずか7日間で製造から販売、ユーザーの手元に届くシステムを構築しました。
ファストファッション業界売上No.1のZARAは製造からユーザーの手元に届くまでに、3~4週間かかると言われています。
こうして比較するとZARAが遅いように感じますが、全くそんなことはなく、これまで競合各社はZARAを見習ってきたのです。
SHEINが早すぎるのです。
では、なぜこんなに早くできるのか?
それは全ての行程を自社で管理していて、サプライチェーンを中国国内に構築しているから。
多くのブランドは、チェーンが各国に分散していて、例えば商品企画・デザインは本国で、製造は人件費の安い海外工場など。こうなると時間はかかりますよね。
全てを中国国内にすることにより、コストは増えますが、その分時短を実現しているようです。
また、価格は競合のZARAやH&Mと比べて低価格。
これはリアル店舗がなくネット通販のみのため、店舗コスト不要分を販売価格に転嫁できているのだと思われます。
同社の理念は、
「誰もがファッションの美しさを楽しむことができる」
この理念、私的に解釈すると、
「誰もが」=「購入における価格的ハードルを限りなく下げる」
「ファッションの美しさ」=「デザイン性の高い」
「理念」を実現するのが「戦略」。
その「戦略」は「バリューチェーン」によって具現化される。
同社の場合、
「理念=戦略=バリューチェーン」
見事に一致しています。
これが強さの最大の要因ではないでしょうか。
2.UIが快適なUXを生んでいる
では、この事業を成功させているKFSは何か?
KFSとは
「Key Factor for Success」
事業を成功に導く鍵
同社の場合、バリューチェーンの全てとも言えそですが、あえて絞ると私は
「UI(ユーザーインターフェース=ユーザーと事業者の接点)」
にあるのではと感じます。
SHEINにおけるUIは、アプリであり自社サイト。
要は、「お店」です。
商品や価格はもちろん重要ですが、極端な言い方をすればそれらがいくら優れていても、それがユーザーに魅力的に映り、買いたい気持ち、興味関心を高められなければ購買には結びつきません。
この点、同社にとってお店であるアプリ・自社サイトは、
「豊富な商品がユーザー目線で整理されていて、欲しい物を見つけやすい」
これが群を抜いている印象です。
例えば女性服を探そうとしたら、
「シックや快適などのシーン別」「Tシャツ、ドレスなどの種類別」
「低身長・高身長の体型別」
に分類されていて、
Tシャツをクリックすると、
ドレスだと、
それぞれの服がさらに細かくに分類されています。
で、ここから「スリップドレス」をクリックすると、
商品が出てくるのですが、ここでも「色・柄・無地・素材」などを絞り込めるようになってます。
アプリ作りがユーザー寄りで、相当考え込まれている印象ですね。
他のアパレルサイトだと、探すのに疲れて購入前に離脱といったことが多々あるのではないでしょうか。
「圧倒的な商品量の中から、自分好みの商品を探す楽しさ」
つまり、このUIが快適で楽しいUXに繋がっている。
これがSHEIN事業のKFSであり、だからアプリのインストール数が各国でトップの地位に上り詰めているのだと思います。
今回の学び
・バリューチェーンとは理念を実現させるための重要な戦略。事業構成、日々の業務は理念と合致していなければならない
・自店、自社サイトなどの顧客接点の機会や場を自社の都合ではなくユーザー目線で考える。
・そのためには、「何のために」「ユーザーニーズ」に日々立ち返り、それができているかの点検・検証を繰り返す。
以上です。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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