スパイスをどこで仕入れるか
先日、某新聞社さまから取材を受けているときに「ところでどうしてプラオという珍しい料理をメニューに入れているのですか?」と尋ねられました。
「え、プラオってそこそこ一般的な料理ではないですか? 」と答えると、
「いや、絶対そんなことはないです」と断言されました。
たしかに言われてみれば、僕が存在を知ったのも二年くらい前だし、インド料理ブームでビリヤ二の認知度は大分増えたと思いますが、プラオの認知度はまだそれほどでもない気がします。日本で一般的に作られているタイプのピラフならまだしも、日常的にプラオを作っている人ってそんなにいないのかもしれません。でも、簡単だしビリヤ二よりも好き嫌いがでにくく、老若男女に受け入れられる料理ではないかな、と思っています。
島根の米農家で販売しているプラオは、かなり日本人の嗜好に合わせたレシピなので、インド料理ガチ勢からみたらちょっと眉を潜める味の構成かもしれません。江戸前寿司にたいするカリフォルニアロールの立ち位置までは行かないまでも、炙りトロサーモンくらいの脇道感はあるかもしれません。
ただ、ガチに行きたい人にはそういう人向けの本格的な商品もございますので、あくまで島根の米農家は米を美味しく食べるための万人向けのメニューを開発していきたいと思っています。
スパイス料理を専門にしているわけではないので、仕入れるスパイスの量をどの程度にするか、というのが悩みのひとつでした。スパイスの香りは揮発性であることが多いので、大袋で買って使いきれずに長期間置いておくと香りが飛んでしまいます。かといってそこそこガチ勢向けのインドで使われているスパイスは、基本大袋で小分け販売というのが少ないのです。
これまでは、通販や輸入食材店で手に入る範囲のスパイスを試行錯誤していたのですが、ありがたいことにプラオの売り上げがそこそこ安定して伸びてきたので、今まで買っていたものより大袋の、現地で使われているガチなスパイスを仕入れても捌けるかな? という感じになってきました。
ガチ勢向けの本格的なスパイスとは、逆に言うと大衆向けとは相反するものになってしまうのですが、実際にスパイスが届いてみたら試作してみて、ちょうど良いバランスを探ってみたいと思っています。
なにぶん、キットに使われる素材に関しては、まだまだ試行錯誤している最中です。販売している商品に関してはそれなりに自信できたものから発売しているのですが、素材に関しても組み合わせに関しても少しずつ改良を重ねて行っています。
決して改悪にならないようには注意しておりますので、今後も「島根の米農家」をよろしくお願いします。