アニメ特撮・徒然草<4>/「激化!特撮出身俳優の争奪戦」
大変な事態になって参りました。
あのドラマにもこのドラマにも、特撮出身俳優さんがウジャウジャいるという、一昔前では想定できなかったことが現実となっているのです。
まず現象からおさらいを。
NHKドラマ「大奥」(よしながふみ)で特撮ゆかりの俳優さんが多数出ていることは前に触れました。
先日放送の第4話でまた新たな特撮出身俳優がお目見えしました。夜伽の相手として選ばれた「お楽の方」こと捨蔵。この捨蔵役を演じたのが浜尾ノリタカさん。2021年の「仮面ライダーリバイス」でクセの強い「ジョージ・狩崎」を演じたことで記憶に残っていました。
そもそも思い起こせば冨永愛さんも実写版「デビルマン」でシレーヌ役をやってるので広義では「特撮俳優」と言えないこともないのですが、諸般の事情でご本人的にもいわゆる「黒歴史」かもしれませんので、ここでは深掘りはいたしませぬ。
そんな中で競うように特撮俳優を起用しているのが「警視庁アウトサイダー」です。主演の西島秀俊さん、バディ役の濱田岳さんが揃って「仮面ライダーブラックサン」に出演していたので、これでもかとばかりにイジリ倒していますね。
そんな中、第6話では「仮面ライダー鎧武」で「ブラーボ」役を演じた吉田メタルさんがバーテンダー役で参戦。「ドリアンアームズ」というフォームにちなんで両手にドリアンを持っての出演は、あからさまな匂わせと言えるでしょう。この分で行くと、もしかしたらですが「ブラックサン」でシルバームーン役だった中村倫也が降臨する可能性だって十分ありますね。
なぜこんなことが起きるのか、という点についての考察もすでに書かせていただきましたが、この分で行くと「特撮番組出演」という経歴がこれまで以上に価値を持つ時代が近づいているのかもしれません。
ただ一方で、微妙にスルーされている事実もあります。
このところ様々なドラマで3枚目的な役どころを器用にこなしている、戸塚純貴さん。最近ではドラマ「リエゾン」で、バイプレーヤーとして光る演技を見せています
戸塚さんは「仮面ライダーウィザード」に奈良瞬平役で出演。瞬平はウィザードにあこがれるものの魔法使い(ライダー)には変身せぬまま、番組は終了。ライダーになりそこなった存在ではありますが、ストーリー的に「特殊な力をもたない人間として、最後まで主人公を支えた」という意味では、「ウルトラマンタロウ」でウルトラバッジを投げ捨てて戦った、最終回の東光太郎と同じくらい尊い存在でもあります。
<書き忘れてたので追記>
そしてフジ系ドラマ「スタンドアップスタート」では、「獣電戦隊キョウリュウジャー」の竜星涼さんが主演を務めています。明るい役柄が「レッド」を思わせます。
そして先日の放送では、ゲストとして「仮面ライダーセイバー」の内藤秀一郎さんが出演。ある意味、スーパーヒーロータイムでした。
<追記ココマデ>
さて、まとめです。
これまで、俳優さんたちの「特撮出演経験」が注目されるときには大きくいって以下のようなケースがありました。
①特撮番組出演後にチャンスをつかみ、早い時点でブレーク
②年を経て当たり役をつかんだ人が「実は特撮出演者」という場合
③人気・実力を備えた人が満を持して起用される場合
ところが昨今はそこに
「特撮出演経験者が、ある種の意図をもってキャスティングされる」という新たな需要が生まれつつあるように見受けられます。
これは
「特撮番組の認知度が一部のマニアにとどまらず、一般層に大きく広がりを見せている」ことを意味します。
視聴者が世代交代を繰り返す中で、特撮は「老若男女を問わぬコンテンツ」として市民権を得たといえるのではないでしょうか。
・・・わたしはいったい、何を力説しているのでしょう?w
ではまた!