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現在進行形のトラブルに関する一考察

久々にガッツリ巻き込まれてしまった。
新千歳空港での保安上のトラブルである。
私は11時40分発の青森行き飛行機に乗る予定だったが、15時43分現在、まだ搭乗には至っていない。
困ったものだ。
とにかく時間だけはあるので、この事象の意味するところを考察してみよう。

事態が判明したのは午前10時半前だ。
早めに保安手続きをすまそうと1時間以上前に検査場についたが、すでに人だかり。
「制限区域内での確認事項があるため、検査を中止している」という。
まっさきに疑ったのは爆破予告。
お盆時期を狙った愉快犯の可能性だ。
いずれにしても面倒なことになるかと思ったが、遠目で自社のカメラマンが取材活動を始めているのを視認し、私はそっと距離をとった。
でしゃばる必要はない。
だが、深刻な事態になるようなら情報提供をすることにしよう。

まだまだ時間がかかるとみてその場を離れ、食事をとる。
この時点ではさほど長期化はしないのではと楽観していたが、想定外の問題が見えてきた。

出発のスポットを大幅に変更したため、本来使用しないはずのバス移動が多発し、人員の搬送が全く間に合わない状況に。
ついには遅れだけではなく、欠航便まででる事態と発展している。イマココ

ネットニュースでみる限りでは「土産物店でのハサミの紛失」が原因だという。鎖で持ち去ることができないようにしていたものが持ち去られ、保安上の懸念が生じたとのこと。

管理者側としてはやむを得ない事態と言えるかもしれない。
そして、お盆時期に発生したことが不運であったかもしれない。

だが、対応策がすべて後手に周り、利用者への説明も尽くされていないことを考えるとお粗末と言わざるをえない。

もちろん、額に汗して走り回っている職員の皆さんを責めるつもりは毛頭ない。

求められるのは空港として、企業としての備えである。

新千歳空港は冬場には比較的頻繁に「不足の事態」に対応してきたはずの空港である。
加えて、数年前には利用客が保安検査場を通過せぬまま搭乗しようとしたという事件も発生している場所でもある。

土産屋にハサミは必要だったのか。
鎖で固定すれば持ち去りは100%ないと考えた理由はなんだったのか。
企業の対応に遅滞はなかったのか。

人命に直接関わる事態ではないのが救いではあるが、空港で疲労の極致を迎えようという子どもたちの姿をみるに、その責任は重い。

起きてしまったことは仕方がないが、原因究明と改善が急務であることは論をまたない。

いまだ立ち尽くす人々の坩堝からのこのリポートを、考察に代えたい。

搭乗案内を待ちながら。
いぬい記す。

追記

結局のところ6時間以上まった末に、搭乗便は欠航となった。
このため私は目的を果たすための代替手段を完全に奪われてしまった。
この対応には怒りしかない。
泣き叫んでいた名も知らぬ子らのために、
あえて言おう。

「お前らには人の血は通っているのか!」と。

お前ら、が誰を指すのかはご想像にお任せする。

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