「春ピリカグランプリ」朗読配信ウラ話/⑦『「指の綾子」考』 作:泥辺五郎
「春ピリカグランプリ2023」個人賞入賞作品の朗読について、読ませていただいた感謝と作品への向き合いを綴っています。
今回は「穂音賞」を受賞された泥辺五郎さん作の『「指の綾子」考』についてです。
自らもSF調のホラーテイスト作品を書かれる穂音さん。その彼女が「凄まじい」と評する氷点下ホラー。それが『「指の綾子」考』です。
何度読み返しても正解には辿り着けなさそうな、無限ループの迷い道。「住人全員が噓つきの村」入り口の看板前で怯んでしまうような、疲労感。
本格ホラーのみが持つ、重みと渋み。
カカオ100%チョコのようなダークな味わいが癖になる作品でした。
この作品を読むうえで意識したのは以下のような点でした。
・タイトル読みはあえてNHK的な感じで硬めに。
・導入のBGMとエンドBGMでループ感を演出。
・序盤は話の展開が見えないのでフラットなトーンで。
・「攪拌機に巻き込まれ」のくだりから、「おや?」といぶかし気なトーンで。その後、少しずつ狂気がにじむような不安感をじりじりと。
・「綾子」が語り始めるところは、真実を打ち明けるようなトーンでスタート。その後、「そんな彼の指を」のくだりから、やはりコイツもまともじゃない、という空気を。
・「残りの体は、捨てました」は私なりのこだわりどころw。
・最後のパートは、妄執を表現。無限ループの入口へ。
私自身、これを聴いて床に就くと寝つきが早いという朗読コンテンツを、原作と見比べて聴いていただけると嬉しいです(^^♪
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