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「いぬいソロ小隊、かく戦えり」②/#文学フリマ札幌9

古来より「鉄は熱いうちに、抉り込むように打つべし、打つべし」と言われているので、連投します。

当日のラッキーとアンラッキー

さて、いよいよ迎えた9月22日(日)「文学フリマ札幌9」の当日。
私のブースは「えー7、8」。説明が面倒なのでお知らせは「えー7」、「えーな!」で覚えてくださいとしていました。
配列的にはど真ん中。出店者開場のあと、のそのそと自席にたどり着くと
右サイドには「架空本書店」さんというブースが慣れた様子で準備を進めています。
わたしも不慣れさを気取られぬようにそろそろと準備開始。
卓上の配布物をいったんどけてクロスを敷くと、おもむろにポールを立てて存在を誇示。自著と委託本を並べて、ホワイトボードを設置。
ここまで15分ほど。
かねて用意の「試し読み本」もコーナーに設置。
拍子抜けするほど順調に準備は進み、お隣を眺める余裕がでてきました。

右隣はラッキー

お隣の「架空本書店」さんのブースはこんな感じ(許可得て撮影)。

「架空本書店とは」の表示が上手い。
これで足を止める人が続出していました。
何かを探しながら歩いている来場者には刺さる展示です。

「架空本」とは表紙と帯だけの制作物で、中身は白紙の本。これで500円。ザ・ジャケ買い、というアイテムです。
発想はあっても、実物として販売している方は初めて見たように思います。
手前の緑色のものは札幌軟石を染めて彫刻刀でケルト文字を掘り込んだという一品ものとのこと。手に取るとずしりと重い。これも中身は白紙です。
石の値段と手間賃で価格は6000円。
こちらは購入を控えましたが、別アイテムのこちらを購入いたしました。

ゲームブック風になっている詩の本。
お客さんが訪ねてきたときに、説明できる仕掛けがたくさんあって、一見さんも興味を持ちやすい工夫が随所に施されていました。
そのおこぼれで私もトークに刺さっていき、私の本も買ってくれた方がいました。これはラッキー。

アンラッキー

逆のサイドには、とある学校関係のブースがでていました。1ブースなので席につけるのは最大2名までなのですが、大き目のボール紙ポップを置いていたため、座れるのは実質1人。
そこに最小で3人、最大で6~7人が取り巻き、私のエリアにはみ出していて明らかなルール違反。私は他人の迷惑を極力回避するために2ブース押さえて、せめてもの心映えとして販売物を増やしているのに、とモヤモヤした思いがこみ上げます。
でも、せっかく楽しんでいる若者を𠮟りつけるのも大人げないか。
いやいや、社会のルールは教えるべきか、と葛藤が巡ります。

そういうことか。ここで合点がいきました。
「ブース出店者にとっては、機会損失は悪」にほかならないのです。
売りたいものを売るチャンスを1ミリたりとも逃したくない。
その邪魔になるものは、怒りの対象になるのです。
わたしも客として来場していただけだと、そこまで思いは至りませんでしたが、これは非常にデリケートな問題だと自分事として認識いたしました。
学びを与えてくれた逆サイドの方々には、怒りではなく感謝の意を持つことといたします(今回限り)。

接客をあなどるな

会場内のテンションとして「御用とお急ぎでない方は、寄ってらっしゃい見てらっしゃい!」はNG。
理想的なパターンは、展示物で足をとめさせてトークで畳みかける。
ボディーブローからのワン・ツー。
これを繰り返すことだということが感覚的に理解できてきました。
では、幸運にもお隣のブースで足を止めるひとに、なんと声をかけるか。
この想定が不十分でした。
とき子さんが以前、「自分の本の紹介がコンパクトにできない」と言っていましたが、まったく同じことが私の身にも起きたのです。
朗読CDはそもそもみな完全スルーなので、「ラプソディ」の方に重心を置きつつ、「その名はカフカ1」も振りつつでなんとかトークを試みます。

「北海道のご当地小説です!テレビ局の生中継をテーマに書きました」
「チェコ在住の方が書いた、本格情報戦サスペンスです。可愛い栞ありますよ」
こんなことを言っていると、稀に聞いてくれる人がいるレベル。
後半戦ではホワイトボードに「札幌・小樽が舞台のご当地小説。テレビの生放送中に五頭のクマが出現、どうなる?」と書きつけると、チラ見してくれるひとが増えました。

販売結果

「ラプソディー・イン・ブルー」 11冊
朗読CD「雨あがる」 1セット
「その名はカフカ1」 3冊
「ウミネコ童話集」(一)1冊、(二)二冊

「雨あがる」は山本周五郎ファンのぼんらじさんが買ってくれたので、事実上売れてないですねw
でも、まったくお客さんがついていないブースもある中で、初見のお客さんも買ってくれたのはありがたい限りです。
本当に感謝しかありません。
あと、noterさんたちの来訪。これは100万の援軍を得た思いでした。

次の記事では、隙を見て廻ったブースのお話を。
そしてさらに次の記事では「札幌note勢、決起集会」(!?)のことを書きまーす!

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