「春ピリカグランプリ」朗読配信ウラ話/⑫「アルファ博士のピアノロボット」 作:はねのあき
「春ピリカグランプリ2023」すまスパ賞受賞作品の朗読について、読ませていただいた感謝と作品への向き合いを綴っていきます。
今回は、はねのあきさん作のSFショートショート、「アルファ博士のピアノロボット」についてです。
私の世代の人間にとっては、ショートショートといえば星新一。SF好きなら誰もが一度は通る道でした。思えば私が中学2年生の時に初めて書いたショートショートは、星新一さんの影響を受けまくったものでした。
交通事故で若い人が早死にする中、高齢者の寿命が延びて、100歳越えの年寄りだらけになってしまう…といった内容だったように記憶しています。
シンプルかつクリティカルな構成の中に、ユーモアとペーソス。
はねのさんが今作で描き出したようなSFショートショートの「黄金律」は、永遠に廃れることのない手法と言えるでしょう。
そして、読み終えた後にまじまじと見てほしいのが、タイトル画です。
ヒューマノイドタイプとムカデタイプのロボットが、くんずほぐれつのバトルを繰り広げる姿!でも不思議と、楽しそうにも見えます。
この絵が作品のすべてを物語っているように思えました。
この作品を朗読するにあたり、以下のような点を意識しました。
・アルファ博士とベータ博士のキャラ立てを。アルファ博士は自信ありげで高めの声。ベータ博士は声低めでやや不満げに。
・地の文のトーンは、全体のユーモア感を出すため、軽めに。
・やりすぎない範囲で「活動映画の弁士」を意識して。
・途中のBGMは展開にあわせて、煽り気味で。
・終盤のオチにむかってテンポよく。
・「あいてっ!」のくだりはもう少し誇張しても良かったかも!?
軽妙な原作の味わいとともに、朗読もお楽しみいただけると嬉しいです。
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