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『子供らしくのびのびと描けてます』って方じゃ無い回

自分が絵を描いてた記憶って、多分幼稚園入る前のお絵描き遊びなんだけど、ホントちいさな頃から絵を描くのが好きだった。

今、裏が白いチラシなんて見ないよね。いやチラシ自体が少ないけど。私が子供の頃は殆どの家庭で新聞をとり、その中には紙の広告が挟まれてた。母は毎日ソレを取り置いてくれて私は永遠にお絵描きしてた。
時折り母にも絵を描くよう求め、リクエストに応えた母に「お母さんヘタ」などと理不尽発言。自分が絵ェ上手いって自覚あったんだ。性格悪いな。

何年か前に実家から幼稚園の頃授業で描いた絵がどっさり出て来て、おっコレは私が幼少の頃から天才性を発揮してるよーな絵が有るかも?!と色んな大きさの画用紙をめくってみた。
そしたらビックリ。私の絵は顔と思われる歪んだ丸から直接伸びた爪楊枝みたいな手足。モジャモジャの髪は正に化け物の様相。恐ろしい事に画用紙の空いたスペースには汚い「おかあさん」自分で字を書いているトコをみると幼稚園年長の作品なのだろう。
アレ?あれっ!?こんなんだったっけか?えっ、もっと形になってたと思うんだけど?えっマジか。


まあ正直、高校生になると自分が選ばれる側じゃないのはうっすら気付いてた。だって選考会とかコンクールとか最優秀賞とか全っ然縁無かったし。雑誌のイラスト投稿コーナーとかも。
でもホント選出されない意味が分からんかった。上手く描いてると思ってたから。大抵理由は「私じゃ無い方がが紙を大きく使えてるから。」納得いかん。

普段図工の授業遊びの時間と勘違いしてるよーなヤツ選ばれた時のショックったらないのよ。何が伸び伸び描けてますねだ。

そー言うのが色々重なって心がペコッと凹み、就職すると仕事覚えんのでいっぱいいっぱい。両立無理!ってなって絵を描くのをやめてしまった。


母のツモリでいたデタラメの顔にぽっかり空いたウロのように黒で塗り潰された目が語りかけてくる。

「こんなん描いてるヤツが、母の描いた絵をヘタだなんて良くもまあ言えたモンだな。」

ゔあ"あ"自己嫌悪!


所でそんな私も約30年後或るきっかけで絵を再開しまして。
そのキッカケってのが3年前から見てる推しで、コレがまあ描き甲斐の有る人なんだ。子供が出来てからエンタメからも離れてたから、まさか自分が3次元のファンアートにハマるとは思わんかった。

推しは2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に坂東武士のひとりである仁田忠常役で出演していて、印象的なシーンのひとつ(主人公の家族を守るために別勢力に立ち塞がった、X(旧Twitter)では仁田ガンダムと揶揄され確かトレンドにも載ったハズ)を1年に1枚ペースで似たようなアングル縛りで描いてる。
3年でどう言う変遷があるのか順に見ていこうと。いったい誰得?!私得でも無いっつー話ですがお付き合い下さい。


2022年

画材はシャープペンシル(HB)とコピー用紙。
絵を再開したばっかでまだソレ位しか用意してなかった。

いきなりだけどコレ見ると自分が選ばれなかった側だった理由が分かる。当時は自分なりにベストを尽くしたツモリだったけど、途中スタミナ切れ起こして急に雑になってる。画材がそれ向きじゃないのを差し引いてもちょっとコレは‥なんだよなあ。なんか魂出てるし。




2023年

H2トンボ鉛筆とマルマンスケッチブック

前年の上手くないトコを改善するべく丁寧に描こうと決めて結構時間を掛けて描いた。この丁寧・仔細を描き込むってのはこっからずっと課題として持ってる。
モチーフに選んだシーンは二刀流で右手で抜刀する瞬間を切り取ろうと思ったんだけど、ちょっと柄を取りにいってるように見えない。ポーズを決めるのに爪が甘いトコが出てしまったのが反省点。

2024年

呉竹筆ペン 細字・薄墨・朱墨・ホワイト
影の部分は墨汁と子供が学校で使ってた筆

今年全身にしたのは子供の頃言われなかった「スペースをいっぱいに使ってる」を払拭したかったから。全身入れて余白を効果的に見せられれば、コレが自分なりの紙をいっぱい使って描いた絵じゃい!と言えそうだから。
下絵に苦戦して何枚も描き直してしまった。体のバランスが上手取れなくて、頭に対して胴は1.5倍とかやってんだけど感覚が過ぎるんだろーな。今年はもっと比率を正確にしたい。


選考漏ればっかだった自分が次何したかってーと、TVや雑誌なんかのそう言う記事をやたらと読み漁って上手く見えるテクニックを身に付けようとしてた。馬鹿だねー、ソレが自分のためのアドバイスじゃねーのに。
思い返すと、当時は自分と自分以外の誰かを比べて勝手に苦しんでたんだな。

ファンアートはそう言う意味で本当に気楽。究極の自己満足行為だって自覚して推しから喜ばれたり役に立ってるって期待しないように心得ていれば、自分の好きなものを好きなように描ける。(まあソレで許されてるかっつったら微妙だけど。)自分の心の発露だから誰かと比べる必要も無い。

だから多分今、母の隣で絵を描いていた未就園児の頃と同じマインド。「お母さんヘタだねー、代わりに私が描いてあげる!」って夢中で描いてた頃の。


最後だから大事なコト言います。
また、描く気を持たせてくれた推しにもだけど、私のイラストをちょっとでも「おっ」と思ってスキやコメントしてくれる方達ホントありがとう。
素性もよく知らんよーな審査員に好かれるよりずっと嬉しい。

見る目有るね!きっと良い事あるよ!!


(去年の推しの誕生日を祝った記事です。良かったら↓)


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