
中村倫也さん推しによるラストマイル感想〜山崎とエレナ。タイトルの意味は…?〜(ネタバレ含む⚠️)
(9月から下書きで眠っていたものを思い出して加筆、修正しつつ掘り起こしてみました。時制などおかしなところがあるかもです。)
※12月4日時点で6回鑑賞済み
社会人になってから(晴れて首都圏住みになったこともあり)心も身体もエンタメにどっぷりな人生が始まり、推しの舞台に次いで映画館という空間に身を置く時間も好きで。特に邦画をみるのが好きなんですが、数年に一回?これは…と心にぶっささりまくる…なんなら貫通されてるのでは…ってな神作品に出逢うことがあります。
そうなるともう大変、おかわりしたい欲が止まらなくなり隙あらば(笑)映画館に通いまくってしまう癖があります。(ちなみに…前回は“岸辺露伴ルーヴルへ行く”で、10回以上は観に行ってました…!笑)
そして今回は“ラストマイル”。
※8月27日初見でした
国民的なTBS人気ドラマのアンナチュラル、MIU404を世に送り出した日本の映像のトップクリエイター塚原さん野木さん新井さん御三方によるお化け映画になるってのは見る前から明らかにわかっていて。(でも実は…なぜかアンナチュラルはきちんとみたことがなくMIUも途中までしかみていないという…ごめんなさい…とはいえ、常にドラマはアンテナはっているので視聴できてない作品であっても大まかな世界観、出演者、設定含め把握している位な感じで生息してます)
本当は上記2作品しっかり履修してから映画館に参戦したかったのですが、ちょうど今年の夏秋は…えぇまぁバサラオで忙しく…時間的に無理だなとあっさり諦め…(笑)公開して数日後の8月末にバサラオ休演日だったかな…?
いざ映画館に。
冒頭から音楽と画づくりと役者さんの芝居と…ぐぐぐぐぐっと引きこまれ、開始数分くらいで気づいたらほろりと涙が…デイリーファストはAmazonだし羊急便はクロネコヤマトだし…映画の世界線と現実世界とが痛いほどにリアルに緻密にリンクしていて…自宅に配達された荷物を開けたら爆発なんて(自分もちょうどその日の夜、宅配業者に再配達を頼んでいたのでちょっと怖くなりました…)いつどこで誰に起こってもおかしくない。文字通りに他人事じゃなくて自分ごと。恐怖といえば恐怖でした。
その一方で、満島ひかりさん、岡田将生さん、ディーン・フジオカさん、阿部サダヲさん…ずっとみてきた大好きな役者さん方のお芝居が魅力的でひたすら幸せな時間でもありました。
そういや昔から満島ひかりさんの声が好きで。台詞の言い方、お芝居が好き。ごめんね青春ではじめましてだったかな。カルテットも好きだったし。満島さんの声って楽器で言ったら倍音?って言うのかな?なんかすこしだけざらっとした感じと艶っぽさが同居してるみたいな心地よさがある。佇まいがナチュラルでとっても魅力的な女優さん。今回は(もうお二人の立ち姿の時点で完璧だった…!)岡田将生くんとの相性も良かったな。
そして…今回の物語の骨格を成す、爆弾を仕掛けた犯人の動機に繋がる人物が…
(この設定は当時シークレットになっていました、パンフも袋とじになってます)
2020年春からここ4年くらい最も多くの時間、私の頭の中を心の中の大部分を占めていらっしゃる役者さん、中村倫也さんだった件について…!
※もう…この事実を知った瞬間から、またすぐに2回目お代わりしたい!と思い、実際に1回目が終わった瞬間に涙でぼろぼろになった顔のままトイレにダッシュし、驚くべきスピードで20分後の2回目のチケットをぽちっとしている自分がいました(笑)
正直、塚原さん新井さんの時点で、
2年前のドラマ“石子と羽男”に出ていたので、もしかしたらワンチャン“シェアードユニバース”として探偵要素として羽男としてお祭り要素として…倫也さんちらっとワンシーン位出るかなぁなんてこっそり期待はしてました…!笑
ところがどっこい!実際もうそれどころじゃなく思いっきり重要な欠かせないキャラクターではないかー!聞いてないよー!!!
ある意味心臓に悪いやつ…
とにかく登場の仕方もキャラ設定も他の登場人物との絡み方も全てがやっばい…
また台詞が“バカなことをした…”と一言しかないのに…ロッカーでのガリガリ、飛び降りるところ、病院ベッドで寝ているところ…そのすべての存在感が戦慄すぎて強烈だったなぁ…
※後から何方かのインタビューで知りましたが、多忙な中村さん、撮影中の寝てる芝居の最中にリアルに寝てしまったらしい。はあぁ…お疲れ様です…!笑
山崎の一連がとにかく悲しくて可哀想で酷くてもの凄く辛くて…号泣してしまった…
これは私が倫也さん推しだから余計にそう感じるのかもしれないけど、贔屓目抜きにしてもあの出方はズルい。この作品を観た人の記憶にもしかしたらいちばん残る役ではないだろうか…
山崎佑(やまさきたすく)という役で、山崎はデイリーファストの元チームマネージャーで5年前のブラックフライデー前日にデリファスの関東センター3Fから飛び降り病院に運ばれ意識不明で現在に至る…
恋人、筧まりか(山崎と結婚するはずだった)は山崎が落下した理由がわからず、自分のせいかもしれないと思い悩み、真実を知りたいとデリファスに対して(本社のアメリカまで足を運び)ひとりで働きかけるが誰も何も動くことはなかった。その結果、今回の爆弾を物流を使った大胆な犯行に及ぶわけで。
結局、山崎の飛び降りた原因は、恋人のせいではなかった。
彼の使っていたロッカーの中にマッキーで書かれた文字がその理由だった。
2.7m/s→70kg→0
2年前からチームマネージャーを務める梨本(岡田さん)は歴代前任者からこのロッカーの存在を中の文字の存在を“決して消してはいけない”と引き継いできたが、誰もその意味をわからずにいた。(けっしてけしてはいけない、耳で聞いた言葉が韻を踏んでたのも印象に残った)
この文字をみたエレナはすぐに、2.7m/sが(デリファスの心臓として24時間365日動き続ける)ベルトコンベアーの速度であることに気づく。
そして…70kg→0というのは(ロッカーの中にちらっと資料のようなものが映ったが)このベルトコンベアーの重量制限?乗せて稼働する重量が70kg=70kg以上の物体を乗せるとベルトコンベアーがとまる=0ということ。
山崎は更に業務が忙しくなる“ブラックフライデーを迎えたくない”デリファスの労働の過酷さから逃れたい→絶えず流れ続けるベルトコンベアーを止めればその苦しみから解放される→止まることを知らないベルトコンベアーの真上に自らを犠牲にして飛び降りることで、止まることを知らないその流れを労働全体をデリファスの息の根を止めようとしたのだろう。
あの飛び降りる瞬間の山崎の表情が忘れられない。なんて顔をするんだろう…
とても悲しく辛いけれど、2回目以降は正直あの瞬間のために映画館に通ったと言っても過言ではないくらい。言葉にできないけど…ああやはり中村倫也さんしかできないやつだな…って。
あとみなさん仰ってましたが、Shrinkのヨワイ先生が山崎の世界線に存在していて二人が出逢っていれば…って切に思ってしまう。
そこまで対極の位置の役柄をどちらもナチュラルにリアリティをもって説得力を背負って生きてしまう倫也さんがどんだけーな役者さんな訳で。きっと一般の方が二つの作品みてもすぐには同一人物だって気付かないんだろなーなんて考えるのも楽しい。
◆“ラストマイル”の意味について
まずはシンプルに“お客様に荷物が到達するまでの物流の最後の接点"つまり、“宅配ドライバーからお客が荷物を受け取るやりとり”のことを指してるのは明らか。
3回目を観て改めて思ったのが
※9月5日
もうひとつのラストマイルの意味が…
“山崎がロッカーに残したメッセージが時を超えてエレナに届くやりとり”という意味。
残念ながら恋人のまりかには届かなかったが5年の時を経てようやくエレナに届いたということを指してるのかなぁと。勝手な解釈です。
◆そしてそして…
山崎とエレナには共通項、縁があるなぁと。
ひとつは名前の読み方の件。
山崎佑(やまさきたすく)
“やまざき”と間違えられやすいが、“やまさき”が正解。
意識不明になってから5年経っても病室の点滴の名前の読み仮名が“ヤマザキタスク”のままなのが哀しい。それに気づいた志摩がそっと指で ゛(濁点)を隠してくれたことにちょっと救われた気持ちになった。
舟渡エレナ(ふなどえれな)
“ふなと”と間違われることもあるが、“ふなど”が正解。
山崎の詳細が警察まで明らかになっていない段階であっさりと“やまさき”と発音していたのがもとから知っていたからだとは気づいた。3回目観て思ったのは、上記プラスきっと自身も名前の読み方でめんどくさい思いをしてきた人生から他人の名前の読み方にも敏感になっており間違えないように意識しているのだろうと。
二つ目は仕事に殺されかけた件。
山崎は上記の通り。
エレナも過去に仕事で心を病み、休職したことがある。
クリエイター御三方としても、エレナを山崎とあえて呼応するように描いてるのだろう。
(と同時に、生還できたエレナと山崎の対比も描かれている。山崎もこの先どうなるかまだわかりませんが…)
上記二点を踏まえつつ、冒頭でエレナが新しいセンター長として赴任して何気なく開けようとしたロッカーが(ロッカーあんなにたくさん並んでいるのに…!)鍵穴の周辺が鍵でガシガシ擦られた傷跡だらけの山崎のロッカーだったというのも二人の間には不思議な縁が流れてるんだなぁと思わずにはいられない。
とりとめのない感じになってしまいましたが、ラストマイルは8月末の公開日から2ヶ月以上経ったいまも映画館で上映を続けていて、人々の心に感動を運び続けています。(実際のブラックフライデーにかかるように公開日も設定されてたのでしょうか…!)
個人的には…今年は“中村倫也さんが好きな生田斗真さん”(愛情の矢印が…倫也さん→斗真さん、斗真さん→倫也さん、両方の意味にとれるダブルミーニングな奇跡のフレーズbyいつかのあさイチ)との8年越しがっつり共演、新感線バサラオがあったので(もうその時点で発狂案件でご褒美案件で盆と正月というか…十分に幸せです、という意味で)正直…他のお仕事はそんなに気にしてませんでしたが(笑)まさかシークレットという形でこんなにも観た人の心に記憶に残る出方で世の中に影響力を持った作品に倫也さんが出演していることも嬉しいです。
映像も舞台もマルチに第一線でご活躍されている倫也さんですが、今年度はいちばん映画にまつわる賞のチャンスがあるのでは…(とりあえず3月14日は勝手にスケジュール空けてますよー!笑)なんて勝手に思ってますが…
兎にも角にも…
いつも変わらず願うことは、倫也さんご自身が幸せで健やかに穏やかに日常生活を送りながら充実したお仕事ができますように、が一番。
そんな中村倫也さんを推せることが最高の幸せだなぁとしみじみ思えた師走のある日でした。
それでは、シーユー。