13歳のフィリピン留学 #6
帰国
わたしたちの帰国後
Yさんから送られてくる写真に
安堵する毎日
日が経つにつれて
息子も落ち着いてきたようです
それどころか
なんだか羽を伸ばしているようにさえ感じます
だって何も言われませんものね
うるさい親もいないし
好きなもの食べれるし
朝には「おはよう」「今日も頑張ってね」
というLINEで既読を確認し
夜には「今日は何食べたの?」と聞いて
ごはんの写真を楽しみに待っている日々
そんな中
私の体がおかしくなってしまいました
帰国した次の日はいたって元気で
朝から夕方まで仕事していたのですが
その日の夜、お風呂からあがると
顔面左側だけがほんのり赤くなっていました
あまり気にも留めていなかったのですが
次の日から咳と鼻水が出始めます
少し頭痛もします
風邪かな…それとももしかしてコロナ…
しかし熱はありません
周りの人から寒暖差アレルギーじゃないかと言われました
確かにあり得ます
あぁ自分も年を取ったなぁと笑っていたのですが
ところが
顔がどんどん腫れていきます
それも左側だけが赤く硬く熱をもっているようなので
冷やしましたが治りません
今度は温めた方が良いと言われて
温めますが赤さはどんどん増すばかり
そして倦怠感も強くなっていきます
少し熱も出てきました
これはおかしい…
そして全身に蕁麻疹が発生
病院嫌いな私でしたが、顔がこのままでは大変まずい
仕方なしに病院で受診したところ
病名は「丹毒」
怖そうな名前でドキドキしました
まぁ平たく言えば感染症らしいです
しかし昔は致死率70%くらいだったそうで
それを知るとやはり怖いものです
お薬をいただいて、とにかく安静にとのこと
色々と疲れがたまっていたのでしょうね
フィリピンに行くまでにもバタバタしてましたし
滞在中も誰かさんのせいで睡眠不足でしたから
ただひとつ心当たりがあります
転んだんです、フィリピンで
2日目の朝、お店に向かって歩いている時
道路の脇に出ていた反射ブロックにつまづいて
思いっきり前向けにどすーんと
そのとき、膝から少し出血しました
もしかしてこのときの傷口から菌が入ったのかもしれません
これから渡航される方は、転ばないように気を付けてください…
GoogleファミリーリンクとLINE
こんなに離れていても安心できるのは
やはりインターネットの存在が大きいと思います
私がバックパッカーでベトナムやタイを旅した時は
携帯はおろか、普通の電話さえまともにありませんでした
日本に電話をかけるにも
郵便局に行って電話交換手を介して日本に繋げてもらっていました
もちろん携帯で地図を見ながら…なんてこともできません
「地球の歩き方」という本を大事に大事に抱えて
それを頼りに毎日を過ごしていました
今考えると、自分の両親を尊敬します
よくもまぁそんな危ないことを許したものだと
それでも何とかなっていたのです
でも今は位置情報が一目でわかります
どこにいるのかな?と探せば息子のいる場所を見つけることができます
連絡したいと思えばLINEで繋がります
息子も同じでしょう
何かあってもスマホさえあれば大丈夫
大きな弊害として感じていたスマホではありますが
ここでは本来の力を発揮してくれていました
息子も私も楽天モバイルを使用しています
海外での利用はいたって簡単でした
特に何も申し込む必要はなく
海外に到着したらデータローミングに切り替えるだけ
最初の2GBは無料なのです
私の滞在中はその2GBで充分いけました
追加購入もできます
1GB500円
現地でSIMカードを購入することも可能ですが
わずらわしさや金額から考えても
楽天モバイルの方がかなりお得感があり簡単でした
使えない国もあるそうなので、そこは事前にご確認を
いよいよ息子の帰国の日
私が一番心配していたのは
空港までの道のりです
空港さえ到着すればあとは何とかなると思っていましたが
遅れたらシャレになりません
前日の夜
次の朝の迎え時間を聞いてもまだわからないと言います
もうすでに21時です
焦る私と引き換えに
息子は落ち着いて言います
22時になったら教えてくれるから
あ~言っていることちゃんと理解できているんだ
と少し成長した一面を見れた感じで嬉しかったです
結局22時半くらいにようやく迎えの時間がわかり
私もその時間に合わせて起きるようにタイマーをセットします
なんだか私の方がドキドキしていて眠れません
翌朝、出る30分前におはようとLINEしましたが
既読になりません
何度も何度もスマホを確認しますが、なかなか既読になりません
「え?起きてる?大丈夫?」
もう心配でたまりません
だけどどうすることもできません
ようやく既読がついたのは
迎えの時間の5分前
そして電話が鳴ります
「お母さん、スーツケースの閉め方がわからへん」と
え~っ!そこ~?!
確かにスーツケース自体使ったことのない息子
どうやら傍には寮のスタッフの方がいるもよう
私に電話してくる前から、閉まらなくて奮闘していたのでしょう
出てくるのが遅いのでスタッフの方が部屋まで来てくれた感じでした
がちゃんがちゃんと音が鳴ります
私の母が付けたスーツケースの鍵の大きな鈴の音がうるさいくらいに鳴り響いています
みんな起きちゃうやん…
私は電話口で閉め方を説明しますが、聞いてるのか聞いてないのか
「あ、閉まった!」という声でしばらくガタガタと動かす音のみがスマホから聞こえてきます
ひとまず安心
そして私は電話を切って位置情報を確認していきます
空港に着いたらどこに行くのか
私は過保護でしょうか
事前に順番を写真付きでLINEに送っていました
至れり尽くせりです
フィリピンの空港は
チケットを持っている人しか中に入れません
ですので、各入口には警備員が立っており
チケットを見せて、フライト名を言う必要があります
息子にはスマホのスクリーンショット画面を用意するよう、
聞かれたらオオサカとだけ言えば良いと伝えました
空港到着
チェックインカウンターも無事に見つけたようです
チェックイン時には何か書かせられたようで写真を送ってきました
どうやら13歳以下の一人での搭乗についての注意事項のようです
出国手続きも荷物検査もスムーズに終え、搭乗ゲートまでたどり着いたところで私はようやく一安心しました
私たちの時は、搭乗ゲートがチェックイン時から変更になっていたので
アナウンスには気を付けてと伝えていましたが
そのような変更もなく無事に飛行機に乗り込みました
関西国際空港には父親が迎えに行きました
本当は私が行って、ゲートから出てきたときに抱きしめたかったです
しかし体調が悪かったのでその役を渋々主人に任せました
いよいよ到着!
ところが息子はなかなか飛行機から降りることができませんでした
CAさんから、全員降りるまで座っているようにとの指示です
到着したよという連絡から30分経っても席に座ったままで
一体何があったのか
またしても不安がよぎります
どうやら空港のスタッフの方が息子を迎えに来てくれるということです
13歳以下のこどもが一人で海外から帰国するにあたり
入国から荷物受け取り、そして保護者に引き渡すまでの一連を
付き添ってくださるというシステムでした
なんてすばらしいのでしょう、日本という国は!
無事に父親とも合流し、満面の笑みでラーメンを食べる息子の写真を見て
私はようやく心も無事に帰国したようなそんな気持ちになり
深い安堵のもと、体調を整えるべく眠りについたのでした
帰ってきた息子の一言目は
「もっとフィリピンにいたかった~」
でした
初めての海外
息子は何を感じどう変化したのか
期待してはいけない、と思いながらも
変わっていて欲しいという願いの方が強くて
さて、答えはいかに…