【Copilot不要?】Excelに既にあるAI機能 3選 - 皆が知らないエクセルの超有能なAIサポート(データ分析/数式・関数の生成)
【デモ動画あり】
Voicyでの放送で紹介した機能のデモ動画です。
詳しくはVoicy本編でご確認ください。
①[デモ動画]「データ分析」ボタン
ホームタブの「データ分析」ボタンを押す
データ分析の提案がサイドバーに表示される。(作業ウィンドウ)
ピボットテーブル、グラフなどが提案される。
「高い相関性があるようです。」といったインサイトの提案や、散布図、ヒストグラムなどの提案も含まれる。
「Copilot Pro」では1つの分析しか提案されないのに対し、この機能では複数提案される。
②[デモ動画]数式の提案(海外で先行リリース)
(※英語圏のWeb版のExcelのみ)
自然言語をもとに、隣り合ったデータから数式を提案してくれる。
合計、平均、個数、最大、最小などの適切な数式が提案される。
「Copilot Pro」はテーブル化された範囲にしか提案できないが、この機能はテーブルでないセル範囲に有効。
③[デモ動画]例からの数式提案
(※Web版のExcelのみ・日本版OK)
(※テーブルを使う必要あり)
いくつか手作業でデータを入力すると、つづきを入力する際、つづきをすべて補完するための数式を提案してくれる。
数式はテーブル内のすべてのセルに代入される。
既存の「フラッシュフィル」機能の上位互換。
Voicyの放送の要約
【Copilot Proは高い?】ならこのAI機能を使おう
先日は、「Copilot Pro」について話しました。これは、Excelの中でChatGPTのようなAIが利用できる機能です。ですが、Copilot Proは、まだまだ機能が安定していなかったり、当初Microsoftが宣伝していたような機能が全て実装されているわけではない印象を受けました。
また、Copilot Proというプランですが、Microsoft 365の利用料金に上乗せして日本では月額3,200円がかかるということで、お財布にとってはなかなかの出費となります。Copilotも夢がある機能だと思いますし、発展を楽しみにしていますが、コストの点では課題があると感じています。
そこで、CopilotがなくてもExcelにはすでにAI機能が入っていることをご存知でしょうか。非常に優秀なユーザーをサポートしてくれる機能があるのですが、知名度がまだまだ低い機能を今回は3つご紹介したいと思います。
①データ分析ボタン
1つ目は「データ分析ボタン」です。名前の通り、データを分析してくれます。分析パターンもたくさん提案してくれて、グラフやピボットテーブルを作成してくれます。
例えば売上データを入力した状態でこのボタンをクリックすると、時系列推移を表した折れ線グラフの作成を提案してくれたり、商品別売上をピボットテーブルで一覧化したリポートを作成してくれたりします。
提案される分析パターンは単なるグラフPLOTだけでなく、データ間の相関関係を可視化した散布図の提案や、売上データのヒストグラム分析など、多岐にわたっています。
海外でも評判の機能ですが、Copilot ProがAIによる分析パターンを出しているのではなく、このデータ分析ボタンで提案される分析パターンを呼び出しているのではないかと考えられているほどです。Copilot Proは現時点で分析パターンを1つしか提案してくれませんが、このデータ分析ボタンを使えばたくさんのパターンがすぐに提示されます。
②数式の提案
2つ目が「数式の提案」機能です。これは英語版のExcelでのみ利用できる最新の機能です。ブラウザ上のWeb版Excelであれば、表の中に自然言語で「合計」や「平均」といった言葉を書いておくと、それを解釈して数式を提案してくれるのです。
例えば、商品データの表に「Total Price」や「Average Price」という項目名で列を設けた状態で、その隣の列のセルに数式入力しようとすると、Excelから「このTotal Priceを合計するためにはSUM関数が適していますよ」「Average Priceを出すにはAVERAGE関数が適切でしょう」といった意図で、数式が提案されます。ワンクリックで数式を入力することができます。
③例からの数式提案
そして3つ目が、日本語版Excelでも利用できる「例からの数式提案」機能です。これはデータの入力作業を途中で中断した時に、残りを数式で埋めることを提案してくれます。
例えば、氏名を分割入力している最中に、「ひょっとしてあなたは数式でこれを全部埋めたいんじゃないですか」と尋ねてきます。OKを選ぶとそこから下の全てのセルが数式で埋まります。
「例からの数式提案」機能は、従来の「フラッシュフィル」という機能と比較しても優れた点があります。
フラッシュフィルでは、あるパターンのデータ入力をした箇所から残りのセルへの自動埋め込みを実行できますが、そのプロセス内容が後からわかりにくいという課題がありました。一方、例からの数式提案はデータ埋め込みに使った数式が明示されるため、他のユーザーが理解しやすいというメリットがあります。
また、データ量が増えたり順序が入れ替わったりした場合、フラッシュフィルではもう一度実行する必要が出てきますが、数式ベースの入力であるこの機能ならばその都度対応できるといった再現性の高さも特徴です。