No.041 アフリカサッカーの新時代:Right to Dream とサンディエゴFC
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マタが参戦へ
今日は元スペイン代表のフアン・マタがMLSサンディエゴFCのオーナーシップグループに参加したというニュースが話題となっています。この記事の中で触れられていた「マンスール会長」と「Right to Dream」について、アフリカサッカーの文脈から詳しく解説していきたいと思います。
Right to Dream:アフリカサッカーの革新的モデル
卒業生の1人のADINGRA
設立から成長まで
Right to Dreamは1999年、元マンチェスター・ユナイテッドのアフリカスカウト、トム・バーノンによってガーナで設立されました。設立当初は、バーノンの自宅で少数の少年たちを指導する小規模なプロジェクトでした。しかし、その独自の育成哲学と教育プログラムは、アフリカサッカー界に新しい可能性を示すことになります。
アカデミーの特徴と成果
- 教育とサッカーの融合
- アメリカの名門ボーディングスクールとの提携(2004年~)
- 独自の学校プログラムの展開(2014年~)
- アフリカ初の女子育成システムの導入(2013年)
- 驚異的な実績
- 卒業生総数:282名(2023年時点)
- プロサッカー選手輩出:157名以上
- 国際代表選手:67名
- 2022年W杯出場選手:7名
- 欧米の大学で学ぶ卒業生:56名以上(2023年5月時点)
グローバル展開
アカデミーの成功を基盤に、Right to Dreamは次第にグローバルなサッカークラブネットワークを構築していきました:
1. デンマーク:FCノアシェラン(2015年買収)
- 欧州進出の入り口として機能
- 若手選手の欧州デビューの場として活用
2. エジプト:FCマサル(2022年買収)
- 北アフリカでの展開基盤を確立
- アラブ圏でのプレゼンス強化
3. アメリカ:サンディエゴFC(2025年MLSデビュー予定)
- 北米市場への本格参入
- カリフォルニア州エルカホン近郊に新アカデミー建設予定
マンスールグループの参画がもたらした変革
買収の概要
2022年、エジプトの実業家モハメド・マンスールが率いるマンスールグループが$120ミリオン(約180億円)でRight to Dreamを買収。この投資により、プロジェクトは新たな段階に入りました。
マンスールグループについて
- 創業:1952年(モハメド・マンスールの父、ルトフィ・マンスールにより設立)
- 規模:従業員60,000人
- 主要事業:
- GMの世界最大級のディーラー(エジプトでは1975年から展開)
- キャタピラー社製品のアフリカ8カ国での独占販売権
- モハメド・マンスール会長:
- 総資産:$3.3B(約5,000億円)
- フォーブス長者番付:世界1070位
- 2006年から2009年までエジプトの運輸大臣を務める
- 2021年にナイトの称号を授与される
フアン・マタの参画
元スペイン代表のフアン・マタは、Right to Dreamの理念と社会的影響力の創出という目標に強く共感し、サンディエゴFCのオーナーシップグループに加わりました。
マタのコメント:
「パートナーとしてサンディエゴFCに加わることは、この街や成長を続けるリーグで特別なものを築き上げる素晴らしい機会です。私の経験とサッカーへの情熱を活かし、貢献していきたいと考えています。」
日本におけるマルチクラブの動き
参考事例として、日本でも横浜FCがポルトガルのオリヴェイレンセとのマルチクラブオーナーシップを展開しており、クラブの国際展開における先駆的な取り組みを行っています。これは、日本のクラブが国際展開を模索する上での一つのモデルケースとなっています。
アフリカサッカーが秘める可能性
なぜ今、アフリカなのか
アフリカのサッカー界は、今まさに大きな転換期を迎えています。Right to Dreamの成功は、アフリカサッカーが持つ無限の可能性を示す好例です。現地のアカデミーやプロクラブは、特に日本のクラブとの協力に強い関心を示しています。その理由として:
1. 人材育成の相互補完
- アフリカの豊富な若手才能と日本の育成ノウハウの融合
- 両国の異なるサッカースタイルからの学び合い
2. ビジネス面での相乗効果
- 新たなマーケット開拓の可能性
- スポンサーシップの拡大機会
3. 社会的インパクト
- スポーツを通じた国際
- 若者の教育・キャリア支援
- 文化交流の促進
結びに:日本サッカーとアフリカ
Right to Dreamの成功は、アフリカサッカーの持つ可能性と、それを活かすための戦略的アプローチの重要性を示しています。日本のクラブにとって、今がアフリカ進出を真剣に検討すべき時期といえます。
現地のアカデミーやプロクラブは、日本との協力関係構築に強い期待を寄せています。それは単なるビジネスチャンスを超えて、サッカーを通じた持続可能な発展と文化交流の可能性を秘めています。
1. アフリカ市場の調査・研究
2. 現地パートナーとの関係構築
3. 長期的な戦略の策定
4. 段階的な投資・展開計画の立案
必要なステップはあります。そしてアフリカは遠いです。
しかし、それは必ずや日本サッカー界全体の発展にも寄与することになるはずです。
アフリカサッカーとの協力関係構築に興味をお持ちの方は、国の選定からプロジェクト構想まで、さまざまな段階からの相談が可能です。アフリカの話を聞いてみたい!でもなんでもご意見いただければ幸いです!
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