本と暮らす、本に暮らす Dawn on Prince Edward Island
その明け方、19歳になったばかりの私たちはプリンス・エドワード島北部、キャベンディッシュの海岸にいた。誰もいない海岸に小さな波が寄せては返すうちに、夜は音もなく明け、空は灰色がかった茜色に染まった。
眠れない夜に思い出す景色や音がある。キャベンディッシュの夜明けの海岸はその一つ。静かで美しい記憶は私の疲れたこころとあたまに安らぎをもたらし、眠りへと導いてくれる。
部活を引退した高校二年の秋、残りの高校生活に待っているのは受験という重荷だけだった。私たち、「赤毛のアン」が大好き