on a hill

英米児童文学が大好き, 夢はイギリスかプリンスエドワード島に住むこと, 本(文字)…

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英米児童文学が大好き, 夢はイギリスかプリンスエドワード島に住むこと, 本(文字)・ことば(特に外国語)・音楽・ダンスを愛し、色と言えば幼い頃からピンクだけ, モットーは"be free!", 読んで旅するdreamer

最近の記事

本と暮らす、本に暮らす Dawn on Prince Edward Island

その明け方、19歳になったばかりの私たちはプリンス・エドワード島北部、キャベンディッシュの海岸にいた。誰もいない海岸に小さな波が寄せては返すうちに、夜は音もなく明け、空は灰色がかった茜色に染まった。 眠れない夜に思い出す景色や音がある。キャベンディッシュの夜明けの海岸はその一つ。静かで美しい記憶は私の疲れたこころとあたまに安らぎをもたらし、眠りへと導いてくれる。 部活を引退した高校二年の秋、残りの高校生活に待っているのは受験という重荷だけだった。私たち、「赤毛のアン」が大好き

    • 本と暮らす、本に暮らす Enjoy foreign literature three times!

      英米児童文学が好きな私。幼少時に読んだのはもちろん翻訳だが、中学高校で英語を学ぶにつれ「原書で読みたい」という気持ちがほのかに芽生えた。 実現のきっかけは映画。映画嫌いながら「これだけは」と映画館に足を運んで観たケヴィン・サリヴァン監督、ミーガン・フォローズ主演の"Anne of Green Gables"。プリンス・エドワード島の美しさに感激し、ますますこの作品に惹かれた高校一年生の私。ある日書店でミーガン・フォローズのアンが表紙を飾る "Anne of Green Gab

      • 本と育つ、本で育つ yearning for islands

        島、どんな島?私の島。小さな島。人のいない島。入り江、砂浜、森、泉、湖、小川、ここちよい風、咲き乱れる花々、色あざやかな果実、日当たりの良い丘に建つ私だけの家・・・思い描くだけでわくわくしてくる。 「エルマーのぼうけん」、「宝島」、「ロビンソンクルーソー」、小学校低学年で読んだこの三冊が、私の島へのあこがれの原点。特にその挿絵によって私の想像力を培ってくれたのが「エルマーのぼうけん」だ。作者ルース・スタイルス・ガネットの義理の母親、ルース・クリスマン・ガネットが描いた絵心あふ

        • 本と暮らす、本に暮らす nice and ideal women

           「憧れの人は?」「素敵だと思う人は?」これらの問いに対して、私は実在の人物を挙げることが出来ない。でも、実在しない人物ならすぐに挙げることができる。 私の「素敵だな!と思う憧れの人」ベスト3を考えると、全員がL.M.モンゴメリの作品の登場人物、それも二人は「丘の家のジェーン」からだ。 まずはMrs Meade、ジェーンの父の下宿先のおばさん。"A nice gingery smell of hot cookies"とともに現われ、初めて会ったジェーンをあたたかく包み込み、食

        本と暮らす、本に暮らす Dawn on Prince Edward Island

          本と育つ、本で育つ A girl who likes adventure stories!

          小学三年生で江戸川乱歩の「少年探偵団シリーズ」に夢中になった私。十歳までは冒険もの、探偵もの、どちらかというと男の子が好みそうなものを読み漁っていた。そのきっかけとなったのは小学校低学年で読んだ二冊、「宝島」と「ロビンソン・クルーソー」である。いずれも「夏休みの課題図書」の一冊として我が家にやって来た。本屋で自分で選ぶのであれば手に取らずに通り過ぎたかもしれない本と出合うことも、子ども時代にはとても大切である。その意味で「夏休みの課題図書」が果たしてくれた役割は大きかった。

          本と育つ、本で育つ A girl who likes adventure stories!

          本と育つ、本で育つ input & output

          先日、「こどもを野に放て!AⅠ時代に生きる知性の育て方」(集英社)を読んでいて、養老孟司さんの書かれた文章にハッとした。 「脳には、入力と出力の両方が必要で、入力だけだと水を吸い込むだけのスポンジと同じですし、出力だけでは、ただ動き回っているだけの壊れたロボットになってしまいます。まだ小さいときに、その入出力を繰り返していくことで、脳の中にひとりでに、あるルールができてくる。それが学習のはじまりです。小さいときから、このようなことを地道に、繰り返し繰り返しやっていくことで、自

          本と育つ、本で育つ input & output

          本と暮らす、本に暮らす 物語と映画

          本の中でも物語が好きな私。それなら物語を映像化した映画も楽しいのでは?と思うのですが、実際には「映画嫌い」と言っても良いほどです。理由の一つに、光と音に敏感なため、映画を映画館で見ると頭が痛くなることがあります。幼少時からずっとで、原因に気付いてからは映画館には行っていないのですが、このために映画の印象が悪くなりました。ただ、大きな理由は別にあります。 私は物語を読んでいると、ありありとその光景が自分のなかに浮かび、映像が浮かぶと合う音楽も流れてきます(音楽はいつもではありま

          本と暮らす、本に暮らす 物語と映画

          本と育つ、本で育つ 本好きに学校は必要?

          小学二年生で北杜夫の著作に夢中になった長男。彼はその時点で(又はそれ以前に)六年生の教科書も十分に読めたであろう。小学生時代、長期休暇を除いて家で宿題をすることが無かった。宿題自体は存在したが、授業時間内に終えていたのだ。「(授業中は)暇だから」と言っていたのを記憶している。 当時の私は「『義務』教育だから行くのが当たり前」と考えて、息子の登校に疑問を抱かなかった。だが今は、果たして彼に小学校は必要だったのだろうかと思う。成人した本人に小学校での勉強は意味があったかと尋ねてみ

          本と育つ、本で育つ 本好きに学校は必要?

          本と育つ、本で育つ 子どもにいつ、何を読ませるか

          本好きの長男は3年保育の幼稚園に入園時(4歳0か月)には、絵本を卒業して子供向けの文庫本を読み始めた。一冊目は「ちいさいモモちゃん」(松谷みよ子 講談社青い鳥文庫)。私自身はこの作品を同じく講談社のハードカバーで読んだのだが(写真のような表紙絵が当時の私には少し不気味だったので記憶が鮮明である)、本棚にしていた物入れは長男入園時には既にいっぱいになり、本の重さで棚板も歪みつつあったので、出来ればそろそろ文庫本でと思い、試しに一冊買ってみた。結果、長男は楽々と読みこなし、これを

          本と育つ、本で育つ 子どもにいつ、何を読ませるか

          本と育つ、本で育つ 本好きな子、読まない子

          「本好きな子どもに育てるにはどうすれば良いか?」「子どもに本を読ませるには?」、こういった問いとそれへの答えを良く見かける。どうすれば子どもは本を読むのか?私も考えたことがある。長男は放っておいても勝手にどんどん読む子であったが、次男はそうではなかった。また、私自身は三人きょうだいであったが、弟二人が喜んで読書をしていた姿は殆ど記憶に無い。同じ親が、同じ家庭で育てても、個人差が出る。 でも、考えてみれば当然だ。きょうだいの性格が全く異なることは良くあるし(むしろ似ていることの

          本と育つ、本で育つ 本好きな子、読まない子

          本と育つ、本で育つ 「こどものとも」息子の場合

          「こどものとも」(福音館書店)の恩恵をたっぷりと受けて育ったので、息子にも早いうちからそれを与えるつもりであった。私の幼少時には「こどものとも」のみだったが、「年少版」「年中向き」「ちいさなかがくのとも」「かがくのとも」と増えている(さらに現在は「こどものとも 0・1・2」もある)。それならば早速、と「年少版」から始めることにした。 最初の一冊を手にしたのは息子が2歳の誕生日を迎える4月。定期購読を予約した。毎月書店に取りに行くのが親子の楽しみになる。ただ、既に自分で平仮名を

          本と育つ、本で育つ 「こどものとも」息子の場合

          本と育つ、本で育つ 「こどものとも」私の場合

          1957年の創刊から現在に至るまで脈々と続く福音館書店の「こどものとも」には、私も息子も本当にお世話になった。まずは私、古い世代から記憶を手繰ってみたい。 私が入園した二年保育の幼稚園では、毎月園児に「こどものとも」を配布していた。これが私、そして私の実家が「こどものとも」と出会ったきっかけ。通園カバンにその日配られた「こどものとも」をしまう様子を撮影した写真が残っているが、私はどんなにわくわくしていたことだろう! 二年にわたる配本の中で私、そして私を育てた母の記憶に最も強く

          本と育つ、本で育つ 「こどものとも」私の場合

          本と育つ、本で育つ The world next door

          幼い頃から本の世界に生きていました。 ページを開けば美しい、楽しい、わくわくする明るい世界がある。 日々は辛いことも多く、この社会は生きにくい。自分の周りの世界は美しくも無い。早く「今日なすべきこと」を終え、本を開いてその世界‟another world“で一分でも長く過ごそう。こんな気持ちで毎日を過ごしています。 読んで、想い描く。ありありと浮かぶ光景。もしかしたらこんな場所が世界のどこかにある「かも」しれない。私もそこで暮らすことができる「かも」しれない。その可能性が私の

          本と育つ、本で育つ The world next door

          本と育つ、本で育つ ドリトル先生シリーズ

          今年はじめにイギリスから一時帰国した友人が、「The story of doctor Dolittle」のペーパーバックをお土産に持ってきてくれた。ドリトル先生!小学校高学年で読みふけった岩波少年文庫の中でも、特に夢中になったシリーズ。 えんぴつで描かれたような、さっぱりとしているのに味があって、どこかユーモラスな挿絵も魅力の一つ。ドリトル先生シリーズの挿絵は作者自身が描いたもので、文も絵も生み出す作者ロフティングにはただただ尊敬するばかり。岩波少年文庫の良さは外国の原本その

          本と育つ、本で育つ ドリトル先生シリーズ

          本と育つ、本で育つ 生後3か月からの「読書」

          息子は本と育ち、本で育った。私は息子を本に育ててもらった。 私が幼い頃から本好きだったので、息子も仲間の可能性があるとは思っていたが、実際はそれ以上だった。 最初に読み聞かせたのは、「にんじん」(せなけいこ)。育児記録によると生後76日目に初めて読み聞かせており、その時のことは今も記憶に鮮明だ。 ベビーベッドに仰向けに横たわる息子の顔のうえに本をかざすと、彼は黒い目を大きく見開いて絵をじっと見つめた。文を読むあいだ、まばたきもせずに見つめ続けた。ページをめくるとまたじっと絵を

          本と育つ、本で育つ 生後3か月からの「読書」

          本と育つ、本で育つ 夏のお楽しみ

          小学校の夏休み。嬉しい!長い休み自体も嬉しいけれど、もう一つ別の理由がある。それは「課題図書」を買ってもらえること。終業式の日のお楽しみは、宿題などと一緒に配られるその夏の「全国課題図書」一覧。他の配布物は脇に置いて、まずはこの一覧をざっと上から下まで眺める。「読んだことのある本はあるかな?」もちろん無いほうが良い。これから読める本が増えるのだから。初めて目にする題の本は、付記してある簡単な紹介文から内容を想像する。買ってもらう本の選別が早速頭の中で始まる。 7月は私にとって

          本と育つ、本で育つ 夏のお楽しみ