3-2-1 教育に洗脳は必要か (教育について)

 「3-1 差別を無くすにはどうしたら良いのか」では、差別というのは価値観の違いであり、アイデンティティの争いでもあるので、無くなる事は無い。「人は変わらない」という前提でのお話をさせていただきました。

 そして、問題なのは差別があることでは無く、差別によって他人の幸福を奪うことなので、両者が争わない戦術についてお話しました。

 「そもそも人間同士は分かり合える人と分かり合えない人がいるので、世界を統一するとはいっても緩く統一し、あとは価値観によって住む場所を分ける」というソフト面での戦術です。


 今回の記事では、「人自体を変える」というハード面についての話をさせてもらいましょう。


教育のない人間は獣

 端的に言ってしまうと、人が変わるには教育をする。それしかありません。

 何度も言っていますが、人間は動物です。
 それ以上でも、それ以下でもありません。
 狼に育てられれば狼になってしまう。
 教育を受けられないところにいれば欲望のまま凶暴に育ってしまう。
 それが人間です。

 「感情」の溢れるまま生きるのが自由だと教えられれば、「感情」剥き出しの獣になる。それが人間です。

一般的に、教育とは洗脳である

 一般的に教育は、子供のうちから道徳を植え付ける事で、それぞれの国の常識を育てます。

 これは、洗脳です。

 日本は教育の最底辺が他の国より高く、思いやる心や尊厳を植え付けられている方が多い上に、ほぼ単一民族なので他の国より平和なのです。

 中国人や韓国人で日本を嫌いな方が多い理由は、国の教育によって、そういう常識を植え付けられているからなのです。

 キリスト教とイスラム教で喧嘩をしている人たちも、一神教という、それぞれの教育によって互いに相容れない、という常識を植え込まれています。

 このように洗脳は、時には薬になりますし、時には毒にもなります。
 軍事兵器と同じで大きな力の一つ。使い方によって最強にも最悪にもなる。ただそれだけなのです
。(僕は洗脳を否定しませんが、もしあなたが洗脳から逃れたいと思うのならば、圧倒的に色々な方向から情報を取り入れてください)

教育には二種類ある

 ところが本当は、教育には「洗脳」だけでなく「知恵」という側面もあります。

 意味もわからず正しいと覚えさせられる「洗脳」と、様々な情報から行動を決断するための「知恵」です。

 「洗脳」の部分が各国に住む人の常識になります。
 「知恵」の部分が個人の力になります。

 「洗脳」が悪いと言っている訳ではありません。
 「洗脳」には自分たちを正義だと思わせる効果があります。


洗脳されるなら主語に気をつけろ

 人間全体にとって優しい洗脳ならば、世界にとって利益になります。
 自国や自宗教ばかりを考えて人間全体にとっては攻撃的な洗脳ならば、正義対正義の争いは激しくなり、人類にとっての利益にはなりません。

 上流階級だけの利益を目指した洗脳ならば、洗脳された上流階級でない人たちは生きていくのが大変になります。

 主語が違う。

 それだけのお話です。

人間全員が知恵を持つことは出来ない

 洗脳という言葉の感覚だけで、「感情」的に嫌な気分にならないでください。洗脳は、みんなで生きるためには非常に便利です。

 そして洗脳は、あなたを含めて、ほとんどの方がかかっています。 

 本当は人間全員が知恵を持てれば良いのですが、全人間が、この後にお話しする「知恵」を身につけられるのかというと、そこは現実的ではありません。

 なぜなら人間は、そんなにまで全員の頭が良いわけではないからです。

 怒らないで考えてみてください。みんな、体は弱いよりも強い方がいいということはわかっています。けれども、みんなが格闘家レベルになることは出来ませんよね。プロ野球選手にはなれませんよね。ダイエットだって出来ない方はいますし、手足が動かない方だっていらっしゃいます。

 見えないだけで頭脳も同じです。みんなが知恵を身につけられるはずがないじゃないですか。

 そして、知恵を身につけられる素質があったとしても、知恵を身につけることだけが必ずしも個人にとっての幸福とは限りません。僕たちは幸福のために生きていくのです。知恵を身につけることは、生き方によっては非常に疲れます。そういう方には知恵は必要ありませんよね。

 もちろん、出来るだけ多くの方が多くの知恵を操れるようになるために、それに向けての戦略もおこないますが、最初は2割、最終的には緩く8割が多少の知恵を操れるようになれれば、かなりの良い結果だと思います。

 ただ、そこに行き着くまでには、恐ろしく長い月日を必要とするでしょう。その間は、知恵と違って、より簡単な洗脳が必ず必要になります。


洗脳を有効に使う

 ただし、これからの洗脳には、「全人類の幸福に向かう」という、しっかりとした目的を持たなければなりません。目的が自国や自宗教では、いずれ必ず争いが起きますから。

 そこで、世界統一のためには、世界人に対して「洗脳」をしなければなりません。(洗脳という言い方はキャッチーではなくドギツイので、何か柔らかい言い方を考えましょう。僕は事実に基づいた大戦略に特化しているので、表面的な感情に関する戦術は苦手です。どなたかお願いします。笑)

 先ほどお話しした世界の10ヶ条と、各国独自の洗脳を、各国の文化を壊さないように修正しながら取り入れれば、なんとなく世界は緩やかにおさまるのではないでしょうか。

 

洗脳だと伝える洗脳

 この洗脳は、「神はいます」という根拠のない洗脳でも、「黒人は劣っている」という攻撃的な洗脳でもありません。他の全ての洗脳のように騙すこともしません。

 嘘をつかずに、しっかりと洗脳されているということを理解していただいて、この洗脳通りにしなければ必ず戦争は起きます、そして洗脳通りにすればあなたは幸福になれます、ということを、理論的にお話する洗脳です。

 これがしっかりと分かる方は、洗脳ではなく知恵として受け取ることが出来るでしょうし、あまりよく分からなくても、結局、争いは収まり、人々はそれぞれの幸福について考えることが出来る。そういう洗脳です。

 その際、おそらく、各国、各宗教、独自の洗脳が、非常に邪魔になってくるでしょう。
 けれども、その人たちにも、「常識は色々あるんですよ」と肌感でわかるくらいに人類の多くが教育を身につけている状態になれば、最後には争わずに世界統一ができます。

 普通の人間なんて、雰囲気に飲み込まれる生き物ですから。

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