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テレビの密着取材を断った話
ちょうど一年前のこと。
考えて考えぬいて出したはずの結論なのに、本当にこの結論を伝えて良いのかと、大きな葛藤を抱えながらもテレビ局に密着取材を断る電話をした。
スマホを握る僕の手は震え、そして声も震え、さらにこの電話をすることで世の中から自分だけが取り残されてしまうのではないかという感覚。
昨日のことのように鮮明に覚えている。
この出来事からちょうど一年経ったので、時効というわけではないんだけど、なぜこのような結論を出すに至ったのかを整理し、皆さんに知ってもらいたいという思いから、この記事を書くことにした。
その2週間前、電話は突然かかってきた。
誰もが知っている某民放テレビ局の特番で、サラリーマンの私がパラレルキャリアとして講演やワークショップなどをしていることを密着取材させてほしいという内容。
それもゴールデンタイムの全国放送、芸能人や各界の著名人がゲストとして出演する特番の中で10~15分という時間。
知名度があがる効果としては、計り知れない・・・
媒体価値としては、ひょっとしたら何億円もの価値がある・・・
パラレルキャリアを本格的にはじめて2年で、こんな大チャンスが来るなんて・・・
私は冷静さを装うのが精一杯で、引き受ける気満々なのに、それを見透かされないようにと淡々とした声で
「はい、そういうことならわかりました」
と冷静に返事をした。
電話を切ったあと、自分の高ぶる気持ちを抑えるのに必死で、近所のコンビニにダッシュして、なぜかガリガリ君を、それもなぜか2本も買ってイートインで食べるという謎の行動をした。
そのくらい強烈なインパクトのある提案だった。
しかしそれから、テレビ局の方と電話やメールなどで打ち合わせをするうちに、
何か違和感を感じた。
40代で新たなチャレンジをしている人を取材するという内容だった。
まさに自分は取材対象としてはぴったりだと思う。
でも、テレビ局が伝えたいのは、頑張っているんだけど、なかなかうまくいかずに悶々としている一面を取り上げたいようなのだ。
いや、具体的には言ってないんだけど、そんな印象で密着取材が締めくくられるような気がした。
じゃあ悶々としていないか?と聞かれたら、してないとはいえない。
パラレルキャリアの活動を始めて、充実した毎日を過ごしていたけれども、費やしている時間や労力に対して、それに見合う評価や金銭的な報酬が得られているか、本当にこの活動が自分がやるべきことなのか?その分の時間をもっと家族との時間に使ったほうが良いのではないか?など、悶々としている自分は確かにいた。
でも、僕は世の中のサラリーマンがイキイキとした毎日を送って欲しいし、それができるんだと証明したくてパラレルキャリアをやっている。
そして少しづつだけど、成果もではじめている。
なのに、その密着取材によって与えてしまう印象が、頑張っているけどうまくいかずに悶々としているというのは、絶対に伝えてはならないと思った。
いや、自分は伝えるつもりはないんだけど、そういう風に伝わってはいけないと思った。
当然「○○テレビで密着取材を受けた」という実績は欲しかったけど、それによって一番自分にとって大切な何かをなくしてしまう。
悪魔に魂を売り渡してしまうような、そんな感覚だった。
もしかしたらそれは自分の考えすぎだったかもしれない。
ひょっとしたら、そんな感じで放送されなかったかもしれない。
でも、やっぱり自分の中の直感というか、違和感が残ってしまった。
その直感に従うことが、自分が自分らしくいるためには大事だと思った。
自分の心に素直でいたかった。
そして冒頭のシーンに戻る。
震える手で掛けた電話。もちろん理由を聞かれたし、説得をされたが、僕が結論を変えることはなさそうだと感じた担当者は「わかりました」と言ってくれた。そして電話が切れた。
普段なら「また何かありましたらぜひご連絡ください」という私の常套文句を言えないままに・・・
直後、自分のこのモヤモヤした気持ちを抑えるために、また近所のコンビニに行って(今度はダッシュはせずに)、ガリガリ君を買って食べた。
自分の結論は正しかったはずだと、思いたかった。
そして、食べたガリガリ君は「当たり棒」だった。
テレビ出演を断った代わりに手に入ったのが、ガリガリ君だったなんて(笑)
結局2本のガリガリ君を食べ、このことはこれで終わりにしようと決めた。
その後、その特番は予定どおり放映されたようだが、僕が出る予定だった密着取材に誰が出たのかは知らないし、それを知ろうとすら思わなかった。
後悔はしていない。
この一件以降、この違和感を感じたら、どんなに大きなチャンスのように思えても、断る勇気を持てるようになった。
だって、○○テレビの密着取材ですら断れた自分がいるんだから。
そうしたら、不思議とたくさんの機会をいただくことが増えた。
もちろんテレビの密着取材を超えるようなものはないけど、大企業での講演や雑誌の取材、ラジオ出演、そして出版も決まった。
自分の直感を大切にし、それにこたえてやってきた結果だと思う。
僕は片付けの講演でお伝えしていることがある。
何かを手放すことで、大きな何かが入ってくる。
一年前の決断を僕は後悔していない。
そして、何か似たような状況で違和感を感じている人の参考になったら嬉しいと思いこの記事を書いてみた。
あなたは自分の心に素直でいますか?
お読みいただきまして、ありがとうございました。
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