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"顔"の正体 -『目に見えない子』ニンニ-
※FinlandではValentineは友情の日らしい
ところで
#小説#ムーミン
#ムーミン谷の仲間たち に
『#目に見えない子 』という#物語 があります。
#ニンニ という女の子は
毎日一緒に暮らしているおばさんに皮肉を言われているうちに
#顔 と姿が消えてしまいました。
そんなニンニはおしゃまさん(#トゥーティッキ)に連れられて
#ムーミン屋敷 にやってきます。
ムーミン一家や #ムーミンママ の優しさに囲まれて
ニンニは次第に身体が見えるようになりました。
でも、顔は見えません。
ある日ムーミンと #リトルミイ と遊んでいたとき、
うまく「楽しい」を表現できないのニンニに #ミイ がいじわるを言います。
「ごめんなさい 」というニンニにミイは言いました。
「この人は怒ることもできないんだわ」
「それがあんたのわるいとこよ。戦うってことをおぼえないうちはあんたに #自分の顔 はもてません。」
そんなニンニにムーミンママは言います。
「きっとこの子はしばらくのあいだ見えなくなっていたいと思ったのよ」
「気分がはれるまでそっとしてあげたほうがいいわ」
そしてムーミン一家は海にきました。
そこで#ムーミンパパ はいたずらを思いつきます。
ムーミンパパがママを驚かそうとママのいる桟橋に近づくと…
「おばさんを、こんなに大きいこわい海につきおとしたら、きかないから!」
ニンニは思いっきりパパの尻尾にかぶりつきました。
ニンニはパパがママをいじめようと勘違いしたのです。
パパはビックリして海に落ちてしまいます。
パパが振り向くとそこには怒ったニンニの顔がありました。
—
ニンニはどうして顔が見えるようになったのか、そして何故顔が消えてしまったのか。
「 #顔を持つということ 」
大学生のときの #卒業論文 のタイトル。
フランスの哲学者 #レヴィナス とムーミンのコラボレーション…
そこそこ頭の悪い人生だったけど、学部賞をいただき、賞金は漫画に消えました。
例えば、
言いたいことを言えない【私】は【顔】を持っているのか。
#SNS や匿名掲示板に書き込む言葉を顔と顔を向かい合わせにして伝えられるのだろうか。
実際は相手の顔色をうかがいながら発言する人が多いと思う。
友人家族恋人社会SNS、自分自身、それぞれと関わるとき、人は当たり前のように顔を使い分けている。
それは自然なことなのに、なんだか【私】に疲れてしまうことがある。
【私の顔】ってどんなのだったっけ?
気付かずカオナシになっていないかな。
ニンニはどうして【私の顔】を取り戻せたんだろう。
【私の顔】を持たなければならない瞬間ってどんなときだろう。
「戦う」って、誰が?誰と?
そんな研究 。
哲学は嫌いではありませんが、強いて言うなら頭が悪いです。
恥ずかしくて論文を読み返せないので内容の8割を忘れました。
お金くれたら論文送ります。
—
ニンニは海に落ちたパパに大笑いをします。
「見えたよ、見えたよ。とってもかわいい子だよ!」
ムーミンは叫びました。
そしてトゥーティッキは言いました。
「あの子はまえにはわらったことがなかったはずなんだけどな」
「あんたがたはあの子を、すっかりつくりかえちまったようね。
ちびのミイ子より、なおわるくなったわ。
でも、
かんじんなのは、
もちろん、
あの子が見えるようになったってことだわ。」
—
ところでこのお話の本当のおもしろさは、ニンニが戦い自分の顔を取り戻したことでも、
トゥーティッキがちょっと悪くなったニンニのありのままを認めたことでもない。
その話はまた今度。
#moomin #ninny