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論文ゼロで学振DC2に採用された話

今後申請書を書くときの自身に向けた備忘録も兼ねて書きたいと思いました。 はじめにここで書く内容は、一般的な学振の申請書の作成方法ではなく、採用された事案の一例としての位置付けです。 それぞれの性格によって申請書の作成方法やポリシーも違うと思いますし、一例に過ぎないということを念頭に置いて眺めてもらえたらと思います。 基本ステータス最初に考慮すべき基本事項を述べておこうと思います。 私自身のこと 学部→修士で外部の大学院を受験し、研究室および専攻を変更しました。 学振の申

    • 思い出深いポルノグラフィティの楽曲3選

      音楽に関心が深いとは言えない自分だが、小学生時代から聴き続けて、彼らとともに人生があると言っても過言ではない唯一無二のアーティストがいる。ポルノグラフィティである。 ファン歴も18年目となり、人生の色々なフェーズをともにしてきたポルノグラフィティに関してはかなり詳しい方だと自負してはいるが、その中でも色々な意味で印象に残る、思い出深い楽曲を3つに絞って紹介する。もちろん他にも好きな曲は山のようにあるが… ハネウマライダー(2006年) 物心がついてから人生で初めて親に買

      • 僕が宇宙の研究者に至るまで

        僕は現在、研究者/高専教員という職業で、幸運にも学問でご飯を食べられる立場にあります。 しかし、研究者に至るまでというのをあまり語ったことがなかったように思います。 研究業界の先行きが日々取り沙汰されるなか、1人の若手研究者として研究者になったきっかけというか、成り行きを話すのはロールモデルとしてわずかでも意味があると思ってこの文章を書いています。 軽い自己紹介ですが、僕はいま宇宙物理学・天文学という分野の研究をしています。特に、ブラックホールを対象とした研究をしていま

        • 博士取得直後に任期なし助教の職を得た話【物理系博士課程学生の就活体験記】

          タイトルの通り、個人的なアカデミアの公募体験記、というよりはいち博士課程学生の就活体験記です。 はじめに、この記事の内容は私の一例であって一般論ではありません。 大学院生・研究者の数だけある体験談の1つと思って読んでいただければと思います。 さて、私はこの4月から高専で任期なし助教として着任し、アカデミアでの教員としてのキャリアをスタートすることになりました。 私の専門分野でポスドクを経ずに任期なしのポストを得られることは極めて稀で、幸運としか言えません。 というわけで

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          今年読んで面白かったマンガn選

          ちょうど博士論文を書かなきゃいけない時期なんです。この記事を書いている時期は。 とはいってもこの企画も途切れさせたくはないのです。 「今年自分が読んだマンガの中で面白かった作品」をピックアップして紹介する企画はこれで3回目?4回目?くらいになります。 マンガファンとしてはまだまだ若輩者で有名作ばっかりを読んでしまっていますが、ぜひここで紹介する作品をお手に取っていただけると大変ありがたいです。 ■トリリオンゲーム■一級建築士矩子の設計思考■往生際の意味を知れ! 往生際の

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          海外出張 in ポーランド・クラクフ

          先日投稿した中国出張から帰国して2週間弱、今度はポーランド・クラクフに1週間出張でした! 今回の出張は欧州天文学会の年会に参加するためです。 ポーランドのクラクフは元々ポーランドの首都だった街で、日本で言うと京都のようなところ。 今回が初のヨーロッパだった私に取っては、ザ・ヨーロッパみたいな街並みは新鮮でした。 欧州天文学会で印象的だったのは、通常のアカデミックな研究に関するセッションはもちろんのこと、「若手のキャリアパス・若手の心身の健康・業界のダイバーシティ」に関す

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          はじめての海外出張in中国

          6月中旬から下旬まで、2週間ほど中国へ出張へ行ってきました! 自分にとっては大学院5年目ではじめての海外出張(海外渡航も中3以来で12年ぶり!)だったので不安でしたが、なんとか遂行しました! 今回は上海に滞在して1件セミナー発表を行うのと、香港での研究会発表が主な目的でした。 アカデミア的な側面においても、日常生活的な側面においても、中国は日本とは異なる部分が多く、月並みな言葉ですが非常に刺激的でした。 ここでは私が感じた中国の雰囲気をお伝えします。 アカデミア的な

          はじめての海外出張in中国

          冬の出張4連戦

          今年度の発表等の研究活動が全て終わりました! 特に1月〜3月にかけては過去イチで忙しかったかもしれません。 ゼミの担当等も含めて、2ヶ月半くらいの間平均して1週に1回ペースで何らかの発表があり、常にスライドを作っていました。 年末から年度末にかけては、対面の研究会には4回ほど行きました! その1:福島 対面でこの研究会に参加するのは3年ぶりでした。 日本の理論研究者が一堂に集うこの研究会では、毎年D3発表というものがあります。 その年度に学位を取得予定のD3の学生が

          冬の出張4連戦

          今年読んで面白かったマンガn選

          2019年、2021年に続いて実施してきた企画が今年もついにやってきました。 今年読んだもののうち面白かったマンガを紹介しようという自己満足な企画です。 物理的な本棚のキャパに限界が見えてきたという至って普通の事情があり、今年はついに電子書籍でいくつかの作品を読み始めました。 その結果、マンガを読むハードルが急激に下がり、6月くらいから3,4ヶ月は毎日1冊マンガを読もう企画を継続していました。 (※なお、現在この企画はスプラトゥーン3やポケットモンスタースカーレット・バ

          今年読んで面白かったマンガn選

          自分の論文を自分で解説する(その1)

          先日、初めて論文を出すことができました!いえ〜い! その論文がこちら! タイトルは 「光子数が保存する空間3次元・時間依存型 一般相対論的輻射輸送コード:CARTOON」 です。長いですね。 天文学分野の研究になります。 その中でも、特にブラックホール天文学という分野の研究です。 せっかくなので、今回の論文の背景や内容を噛み砕いて紹介してみようと思います。 「その1」というの部分には、今後また論文を出したときにもやりたいな、という気持ちが入っています。 キーワード

          自分の論文を自分で解説する(その1)

          夏の出張3連戦

          8月〜9月にかけて、対面での学会・研究会への参加のため3回ほど出張に行 きました。 その1:京都 実はちょうど1年くらい前から天文教育業界にも少しお邪魔しています。 その時からお世話になっている研究会の年会に初めて参加しました。 普段参加している天文学系の研究会とは大きく雰囲気が異なり、こちらはかなりアットホームな雰囲気です(これは良い点でも悪い点でもあります)。 1人で参加したということや、期間が他の学会よりも短かったこともあり、観光チックなことはあまりできませんで

          夏の出張3連戦

          1人で行っても楽しくない土地ランキング第2位

          京都です。 先週、研究会に参加するために3日間京都に滞在しました。 M1のときに初めて行った出張が京都でしたが、それ以来の久しぶりの京都でした。 久しぶりの京都ということもあり、かなりワクワクしていました。 元々そんなに時間的な余裕がなかったので遠くの観光地まで行くことはできないことはわかっていたのですが、京都に来たのに何もしないのは許されないと思い、なんとか最終日に半日時間を作り、京都の街に繰り出しました。 とはいえ... 暑い! 人が多い! 車が多い! 疲れる

          1人で行っても楽しくない土地ランキング第2位

          大人の学び直し・物理学

          もう1年半くらいになるが、いま私はオンラインで家庭教師的なことをしている。 そして、その生徒さんは、自分の親くらいの年齢の方だ。 この方は、大学を卒業してから20年とか経った後に物理学に興味を持ち、大学や大学院に再入学することを目標に、物理学を学び直している。 大変素晴らしい目標であることは言うまでもないだろう。 この方のように、学生当時は大して興味を持てなくても、いろんなことをきっかけに大人になってから改めて学問に興味を持つことはあるだろう。 例えば学術系のYouTu

          大人の学び直し・物理学

          マリオカートを例にブラックホールの直接撮像を説明する

          くだらない記事ばかり書いているので忘れがちだが、このnoteは初めは天文学のアウトリーチの一助とするために始めたのだった。 それにうってつけな研究成果が先日発表された。 2022年5月12日に、Event Horizon Telescopeが我々の住む天の川銀河の中心に潜む超巨大ブラックホールであるいて座A*(SgrA*)の輪郭(ブラックホールシャドウ)の撮影に成功したと発表した。 国立天文台プレスリリースより引用(クレジット:EHT Collaboration) オ

          マリオカートを例にブラックホールの直接撮像を説明する

          今年読んで面白かったマンガn選

          有名作しかありませんが暖かい目でみてください。 年々買う新作が減っています。 よくない傾向です。 ■ダンダダンバトル×ラブコメ×オカルト。化け物みたいな作品です。 久しぶりに連載作品の1話目を読んですぐに売れると確信した作品でした。 ストーリーやキャラクターの魅力はもちろんですが、最も強いと思うのは構図がうますぎるところ。知らないうちにページを読む手が進んでいます。 総じてマンガ偏差値の高い作品。超おすすめです。 ■女の園の星みなさんご存知和山やま作品。 ゲラゲラ笑える

          今年読んで面白かったマンガn選

          今年読んで面白かったマンガn選

          タイトルの通りです. 選考基準となるのは,  ・2019年に新刊が出たマンガ のみです. なお,僕の読んでいるマンガから選ぶため,完全にジャンルやレーベルに偏りがあります.自己満足的な記事だと思ってください. 一言コメントは適当です.対した評論は書けません. 気になったら試し読みで1話を読むことを推奨します.大体1話くらいは無料公開されています. 1位 『すべての人類を破壊する。それらは再生できない。』 横田卓馬・伊瀬勝良(角川コミックス) マジックザギャザリングが流行の

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