女はオシャレで自尊心を買っている
男はどうやって今日を生き抜いているのだろうかとふと思った。
いや、不意には思っていない。ドラックストアで、300円のマニュキュアの色に永遠と悩みながら、思った。
女は(個人差はあるだろうが)オシャレで自尊心を守っている。
上司が責任から幻のポケモンくらい逃げ回ろうとも、高校の同級生がインスタに海外での挙式の様子を次々とアップしようとも、勝手に妹に着用された服が負傷して無言の帰宅をしようとも、女は自分で自分を慰めることができるのだ。
いつもは買わない派手な色のスカートを買ったり、髪をあのモデルさんみたいにばっさり切ったり、思い切ってダイエットに挑戦したり。
またそこまで大げさでなくても、眉毛の線がいつもよりきれいにかけた気がするとか、前よりラメの入ったアイシャドウをつけるとか、そんなささいなことで、周りのことなどどうでもよくなる。
するとあら不思議、むかつくことばかりだが明日も頑張ってみますか、どっこらせ、という気分になる。
オシャレはモテたいとかいう欲望以前に、自分を満たしてくれる。精神安定剤的といっても過言ではない。
だから私は男に生まれたら、何をして嫌いな上司の事を忘れればいいのか。男も大変だなと思って、結局マニュキアは買わなかった。
10万なんてすぐに無くなるのだ、買うならもっと赤いのが欲しい。
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