「妻の夢」と「ぼくの夢」
誰でもビジネスをやれば、プロダクトアウトとマーケットインの狭間で迷った経験はあるであろう。特に、こと「アーティスト」と呼ばれる種類の方々は「プロダクトアウト」に寄ったり、もしくはそれのみになってしまう傾向にあるかと思う。
妻のYouTubeチャンネルの目的は、「彼女の羊毛フェルト界での影響力を高め、彼女が憧れているアイドル○○○○の音源作品のジャケットデザインをやる!」という事である。つまり、一番のポイントは「影響力の獲得」である。そうなった時に、効率の良いビジネス戦略は「やりたい事」をやるのでは無く「求められている事」をやるべきである。つまりマーケットイン的発想である。
「私の作りたいものを作っていきたい」
妻は往々にしてその様に口にしている。つまりプロダクトアウト的発想である。確かにそれは非常に大切な事である。やはり「好き」を愚直に表現する事は、現代では非常に求められているし、尚且つ彼女自身が続けていくモチベーションにもなってくる。これを全面的に否定するつもりは無い。そのやり方でも徐々に注目を浴びたり、もしくは一夜にして大スターになる可能性は充分にある。しかし・・・
今回の案件には期限があると思っている
ターゲットである○○○○がいつまで芸能活動を続けるかはわからない。本人は続ける気でも、事故に遭ったり、何らかのトラブルで活動ができなくなる事は全然あり得る話なのだ。という事は、今回のとりあえずのゴールをそこに掲げている以上、○○○○が楽曲リリースをしてくれている間に実現しなくてはならないのだ。その〆切は突然来るかもしれない。
ぼくは妻にビジネス的なアプローチを提案することにした
もちろん妻は反発し、多少の口論にもなるのだが、ぼくは諦めない。目的を果たす途中には、自分の思い通りにならない事や、不本意な事を実行する必要がある場合があると思う。それは「目的」というチケットを購入する際の「手数料」の様なものだ。できれば支払いたくは無いが、それを手に入れるには必須の要素だ。
ぼくは妻に夢を叶えてもらいたい
全てをマーケットイン戦略で進めれば、もちろん最速で成功を手にする事が可能になるだろう。しかし、それでは長続きはしない。彼女のモチベーションを維持する為にも適度なプロダクトアウトは必要だ。しかし、本人だけではそこのバランスを取っていく事は難しい。ぼくが客観的にコントロールしていくしかなさそうだ。
今や、「妻の夢を叶えること」が「ぼくの夢」である。妻の夢のその先を見たくて、今日も楽しく前向きに、妻と口論だ。