-2- 「ひかがみ」
読めない漢字や正確な意味を知らない漢字をちょこちょこツイートしている。
noteの自己紹介でも書いたが、自分はSafariのタブを常に限界まで開いてる人間なので、タブの整理がてらに調べ済みの証として検索結果をツイートに残しているが、ツイートには読み方や適当な一言しか添えてないので、復習も兼ねて改めてnoteにまとめておく。
弥栄(いやさか)
「ますます栄える」という意味があり、祝いの言葉で使われる表現。天皇家の繁栄を祝う「天皇弥栄(すめらぎいやさか)」という言葉もある。
この言葉は「永年雇用は可能でしょうか」という漫画で知った。魔法使いのイケおじと使用人の女性の恋愛模様を描いた作品で、お互いの信頼関係がゆっくり築かれていく様子が心地いい漫画なのでおすすめだ。
参考
忸怩(じくじ)
「深く恥じる」という意味。
なぜか2024年になってから度々この表現に遭遇する。
コトバンクによると令和4年度の調査時点では「残念でもどかしい」という意味で使っている人が52%ほどいるとか。
過半数が正しくない意味で使用する程度には広まっている言葉に数十年遭遇しなかったのは、それだけ私が文章を読まないことの証左にも思える。
コトバンクのページに羅列された類語を見てると、これを使うときはよっぽど恥じている時なんだろうなと、使用者のことを勝手に想像してしまい面白く感じた。
参考
隧道
トンネルのこと。トンネルの名前に使われてたりするので、トンネルマニアとか土木建築関係に携わってる人には馴染みのある言葉なのかもしれない。
とあるVtuberのゲーム配信中に「隧道だ」というようなコメントが打たれて意味を調べるに至った。
言葉自体はその時が初見ではなく、以前から脳のメモリにあったように思う。
こういう同じ物事を「2回知る」現象に対するよい言い回しは無いんだろうか。「気づく」は違うし「思い出す」もしっくりこない。
自分はこういう「2回知る」現象が度々起こるので、腑に落ちる表現が欲しい。
ちなみに某有名声優がニコ動の元歌い手であるという情報は3回くらい「2回知る」が起きていて、毎度新鮮な驚きを感じては「そういえばこれ知ってたわ」という感想で終えることを繰り返している。もう良い加減覚えて欲しい。
参考
弑殺(しいさつ)
身分が下の者が上の者を殺すこと。
正確にどの作品かは覚えていないが、おそらく異世界モノの漫画で臣下が王族を手にかけた過去が明らかになり、弾劾される場面で見たのだと思う。
関係ないのだけど異世界モノで思い出した愚痴を少し書かせて欲しい。
自分は異世界転生や悪役令嬢といった、いわゆる「なろう系」の作品が好きでコミカライズされたものをよく読んでいる。
私は文章の正しさや諸設定の忠実さや合理をあまり気にせず「雰囲気」で作品を楽しむタイプだ。ただしこれは生来の気質というより、「賢くないゆえに不整合を見逃すことができているだけ」なのだと思う。
自分が賢くないという自覚、より正確に言うと「自分の頭の悪さに劣等感を抱いており、他者は自分より優れているはず、という無根拠の思い込み」を持っている。
なので「劣っている自分でさえ知っていること」を間違っている作品を見ると興が醒めてしまう。
何が言いたいかというと、漢字のルビの校正をしっかりして欲しいのだ。
直近で思い出せる例では、「逆鱗」に“ぎゃくりん”というルビが振られていて流石に酷いと思った。原作を読んでないがおそらく原作小説の表記からこうなんじゃないかと思うが、別に原作者に文句が言いたいのではない。
自分が読んだのはコミカライズ版なのだ。少なくとも原作者の他に担当編集と作画者の2者の目を通されてるはずだ。
流石に作画担当に文章の指摘まで求めないが、担当編集に関しては作家の知識不足や誤認を補完するのが役目なんじゃないのだろうか。
たくさんの人の目を通って出版されているはずなのにこういった間違いが残っていると「この作品は大切にされてないんじゃないか?」という考えが浮かんでしまう。実際はわからないので邪推でしかないが。
しばしばこういった場面に遭遇しては蟠りとなっていたので愚痴らせてもらった。
でもこういった経験があるからこそ「弑殺」のような特定の状況を指す言葉が適切な場面で使われてるととても感心する。難儀だなあ。
参考
胡乱(うろん)
確かではなく、疑わしいこと。
久しぶりに読んだブーン系小説で見かけた表現だ。それ以外に特筆すべきことはないので一番好きなブーン系小説を貼っておく。同作者の幽霊裁判も好きだ。
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靉靆(あいたい)
雲や霞のたなびいてる様。気持ちが晴れない様。メガネのこと。
雲の様子と晴れない気持ちはなんとなく紐付くが、メガネまで意味に含むのは中々範囲が広すぎると思う。どちらの意味が先なんだろうか。
この言葉を知った時ふ、とボカロ曲『二息歩行』の歌詞を思い出し、確認しに行ったがこちらは「相対」であった。
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膕(ひかがみ)
膝の裏のくぼみのこと。
長年「膝の裏」と呼んでいた部位に名前があることを知って衝撃だった。でも一般人の日常会話で「ひかがみ」と言っても通じないのではないかと思うので、今後とも膝の裏と呼ぶことにする。
なんとなく語感が神や妖怪のように感じる。身体部位の名称としては格好良すぎるのではないか。別名の「よほろ」も因習としてありそう度が高い。
参考
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