「希望のつくり方」を読んで学んだこと
文字数 約2500文字
希望のつくり方
著者 玄田有史 氏
https://www.iwanami.co.jp/book/b226057.html
皆さんは「希望」という言葉を聞いてどのようなイメージを持たれますか?
「希望」という言葉を使うことに恥ずかしさを感じる方もいるかもしれません。
「夢」なら何となく分かるけど「希望」?と思いますよね。
僕が「希望学」を知ったのは9年前です。
第13回日本認知神経リハビリテーション学会学術集会の学会長講演を聴いて、「希望学」について興味を持ち書籍をその時に読みました。
内容は素晴らしいのですが、希望という言葉自体に実感が湧かなかったことが正直な感想でした。
当時はただ読んで終わっていました。
まだ自分には希望を持つということが、どういうことか分からなかったです。
この度改めて希望学について学ぶ機会があります。
2021年7月17日〜9月26日まで第34回中国ブロック理学療法士学会が島根県担当で開催されます。
学会テーマは「希望を紡ぎ出す ~未来志向で語る私たちの理学療法~」です。
特別講演・一般公開講座は「希望のつくり方」の著者である玄田有史先生がご講演されます。
一度講演を聴講できる機会がありましたが、ユーモアにあふれていてあっという間に時間が過ぎました。お話を聴くと元気が出ます。
一般公開講座は無料で参加できますので、こちらからお申し込みができます。
https://cbpt34-kibou.jp/advance-registration/
「今希望はありますか?」と聞かれると、「あります」と即答できる方はあまりいないのではないでしょうか。
では「夢はありますか?」と聞かれると、そちらの方が身近な言葉で「ある」と答える方もいるかもしれません。
子供に聞くと夢は○○と答えやすいかもしれません。
僕は子供の頃から夢を持つことが苦手でした。
小学校の卒業文集で自分の夢を書く欄に友達はサッカー選手や野球選手、ケーキ屋さんやお花屋さんと何の迷いもなく書いていたのが羨ましかったです。
小学生の時点でなりたいものがなかなか見つけられない子供でした。
現在は仕事をして14年目になってもまだまだ未熟だなと反省する日々です。
仕事仲間でしっかりとした目標や夢がある方を見ると羨ましくもあり、正直な気持ちで言えば嫉妬も感じてしまいます。
僕は夢が持てないことに対して劣等感を感じてしまうことを、最近気づくようになりました。
本書では希望とは何か、夢との違いについて解説されています。
「無意識のうちにみたり、飽き足らない気持ちが次々と生まれるのが夢です。それに対して、希望は意識的にみたり、苦しい状況だからこそ、あえて持とうとするところに特徴があります。」
第1章 希望とは何か 夢とのちがい
僕自身は飽き足らない気持ちはあまりなく、何かを得たいという欲求が少ないため夢を持ちづらいのかもしれません。
ただ夢がないのがつまらないかというと、そうでもなく目の前の課題に集中して、今自分に求められていることに向き合うよう心がけています。
数年前に本書を読んだ時点では僕自身が苦しい状況、苦難・困難というものに出会っていなかったか、気づけていなかったのかもしれません。
今は新型コロナウイルス感染症の影響により、新しい生活様式で「苦しい」と思わない方はいないのではないでしょうか。
休日は子守や仕事関係の作業に追われ、良く言えば充実した日々ですがやはり我慢を重ねていることも事実です。
ストレスに上手く対応できず「苦しい」と感じたことも多々ありました。
家族と気兼ねなく旅行したい、友人と遊んだり飲み会であーでもない・こーでもないと同じような話を酔っ払いながらしたいです。
希望とは意識的にみたり、苦しい状況だからこそあえて持とうとするものです。
夢というと「夢が叶った」、「夢がやぶれた」といった結果を連想しやすいですが希望はどうでしょうか。
希望も結果につながる言葉もありますが、「希望を持つ」と考えたときには、希望は過程そのものと考えることもできます。
楽観思考で未来を考えるわけではなく、苦しい状況を理解したうえで、それでも未来志向で歩みを進めることが希望を持つことなのかもしれません。
では希望とは具体的にどのようにつくれば良いのでしょうか。
本書では希望をつくるための一つのヒントが紹介されています。
Hope is a Wish for Something to Come True by Action.
すなわち「行動によって何かを実現しようとする気持ち」となりました。私が希望には四本の柱があるという話をするのは、このような議論を踏まえているからです。」
第1章 希望とは何か 「変わる」と「変える」
もし希望が持てないのであれば4つの柱の何かが足りていないのかもしれません。
特に「希望」と聞いたときに以前は願いのイメージが強かったですが、行動という言葉があり「希望」には行動することが大切だと学びました。
そして実現することだけに焦点を当てるのではなく、希望について考える過程そのものに意味があるのかもしれません。
・今の職場での仕事
・第34回中国ブロック理学療法士学会の運営の仕事
・2022年度に開催される第19回島根県理学療法士学会の学会長としての仕事
・県士会理事の仕事
それぞれに行動しているからこそ、僕は希望を持っていると感じることができます。
苦しい状況では何をしたら良いのか分からないですよね。
そのような時にこそ今できることに集中して、何か実現可能なものに向かって行動することが希望を持つうえでは大切です。
そして個人だけでなくみんなで共有することで、全体でより良い方向に進むことができるのかもしれません。
他にも「八幡さんから学んだこと」、「ウィーク・タイズ」、「キャリア教育」、「大きな壁」、「私の希望」など紹介したい話がまだまだあります。
希望は持ったほうがいいと押し付けたいわけではなく、苦しい状況でつらいと感じたときに「希望のつくり方」を知っていると状況を変えるヒントになるかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。