モンゴル
ビザ申請から旅は始まる
今日(2005年8月1日)、モンゴル大使館にビザ申請に行ってきた。
これまでいろんな国のビザをとったけれど、いつもちょっと不安になる。昨日ネットで大使館のサイト見たら「モンゴル国警察庁の発行した招待状が必要」と書いてある。ガイドブックなどにはそんなこと書いてないわけで・・・結局は大使館のWEBページの情報が古いってこと。数年前から更新してないってこと。「ありえない」と言いたかったけど、「十分にありえる」もしくは「ありがちな」話だ。
今日午前中にTELして申請の時間を聞いたら「13:00 から 17:00 まで」という返事。ところが実際は 13:30 から 15:00 までだった。ボクは早く行って待ちぼうけを食らったからまだよかったが、下手をすると出直しさせられるところだった。
大使館のドアが開いて、十人程度が中に入る。係員はまだ準備している。みなが係員の様子を伺う。・・・係員の動きが止まった。さて、係員の指示を待つべきか、窓口の前に列を作るべきか・・・まず1人が窓口に行った。次の展開は?・・・2人目が窓口に向かった。3人目としてボクが向かった。直後、ボクの後ろに行列が出来た。・・・変な感じ。
ボクがパスポートと申請用紙を窓口に出すと、係員はほとんど中身を見もしないで「(受領は)来週の月曜日」と言って引き換えのカードを手渡してくれた。ボクは「来週の月曜日・・・」と復唱するしかなかった。
春にミャンマーのビザを申請したときは引き換えも何もくれなかった。ボクが「えっ?」と言うと、係員はパスポートのボクの顔写真を指差した。「これ見りゃわかる」と。
ビザ申請から旅は始まる。すでにちょっとした異文化体験。日本流に慣れ親しんだ感覚を拭い去る(?)ため、またウォーミングアップとして、自分でビザを申請した方がいい。
モンゴルの草原を移動する方法
アスファルト道路のメンテを怠ると、やがてアスファルトが割れて、そのうち穴になる。ドライバーは穴を避けて蛇行しながら、加速・減速を繰り返す。それでも時々穴に落ち込んで、乗っている人は思い切り頭をぶつけることになる。
これがモンゴルの「舗装道路」である(ホント、日本の道路はよくメンテされていると感心してしまった)。つまり、モンゴルの道路はほとんどすべてオフロードだと思っていい。
モンゴル旅行では、ドライバー付きの車をチャーターし、通訳が同行するのが普通である。2人もついてくるのは無駄なような気もするが、モンゴルでは英語もあまり通じないから通訳が必要だし、モンゴルのドライバーは車の保守も出来なければならないから、通訳が運転もするってのは無理みたい。
モンゴルを旅行する日本人の多くが訪れるハラホリンは、首都ウランバートルから380kmの距離にある。また、ハラホリンから100kmほど離れた場所に見所が点在している。つまり、このコースを旅するとなると、合計1000kmほどの道のりを移動することになる。さて、ざっと1000kmのオフロードを走るには、どんな車がいいだろうか?
選択肢は4つ。(独断と偏見で)快適な順に並べると、
日本製RV車 > ロシア製ジープ > 日本製ワゴン車 > ロシア製ミニバス
となる(所要時間はこれと逆順)。移動距離が長いことを考えると、「日本製RV車(トヨタのランドクルーザーなど)」にこだわった方がいい。日本からのツアーは多くの場合「日本製ワゴン車」になるが、参加人数が多くなればなるほど快適さは減少し、移動に要する時間は増加する。(1台に乗り切れない場合は2台に分乗するようだ)
ところで、日本車には1つ難点がある。それは故障した場合に、ドライバーが修理できないこと。新しい日本車は電子制御しているものが多いから、故障したら部品を交換しなければいけない。つまり、草原でトラブったらどうにもならないってこと。ロシア車なら構造が簡単だから、草原の真ん中でトラブってもその場でなんとか修理できるようだ。
以上から、ボクのお奨めは、
○ 2人で旅行する。(それでも車には全部で4人が乗ることになる)
○ ウランバートルの旅行会社に直接、ネットで手配する。(日本発のツアーは要注意)
○ 「日本製RV車」を指定する。(リスクがあっても、やっぱり日本製RV車にこだわる)
○ ウランバートルに着いたらすぐに草原に繰り出す。(ウランバートルは後回し)
○ 最終日をウランバートル観光に当てる。(最終日は、トラブった場合の予備日でもある)
写真の車は、ボクらが乗った三菱パジェロ。実は、移動途中に動かなくなって、別の車に乗り換えた。
モンゴル旅行、3つのコース
モンゴルは 草原 だけじゃない。南には ゴビ砂漠、北には タイガ(針葉樹林帯) が広がっている。
アクセスがいいのは、草原である。なにしろウランバートルが草原の中にあるのだから。砂漠や森に行こうとすると、国内線を使うことになる。(陸路行くと片道2日くらいかかるみたい)
ボクはたった4日間しかモンゴルにいなくて、しかも草原にしか行っていないのだが、人から話を聞いたりして面白そうだなと思ったのは「タイガ(針葉樹林帯)の森」である。(すぐ北がシベリアで、要するにシベリア・タイガの一部である。なお日本の森は広葉樹で、針葉樹とは違う)
砂漠はモンゴル以外にもある。それにあんがい退屈なんじゃないかという気がする。
草原は面白いが、乗馬など草原で出来ることは森でも出来る。モンゴル北部には森と川と湖があり、遊牧民の他に狩猟民もいて、草原以上に面白そう。次回は、タイガに行ってみようと思う。
写真は、ウランバートルとハラホリンをつなぐ道の途中にある砂の山(エルセンタサルハイ砂丘)。ドライバーがラクダを飼っている家の人と交渉して、乗せてもらった。ふたこぶラクダは、ひとこぶラクダより小さいが、乗りやすい。
モンゴルの温泉
やっぱり日本人には温泉はうれしい。ちょっとしたリゾート気分です。ウランバートル以外はほとんどゲル泊まりになり、ゲルでは共同シャワーしかなくて、そんなこんなで、多少遠かったが無理して来てしまった。
ウランバートルからハラホリン経由で500kmほどのところにこの温泉がある。地面から湧き出す温泉を、2つのツーリストキャンプと、野菜を栽培するためのハウスに送っている。質素だが、温泉が幸せで、自家製野菜がおいしいツーリストキャンプでした。
写真は、シベートマンハン温泉。もうひとつのキャンプの温泉は、ツェンケル・ジグール温泉。
ソーセージ (モンゴル)
ボクらが「温泉に行きたい!」と言うと、ドライバーさんは「実家の近く通るから、寄ってもいいか?」。「いいですよー」ってな感じで、ドライバーさんの両親が住むゲルを訪ねることになった。
お酒などお土産買って行ってみると、ちょうど牛を解体している最中。両親にしてみれば、とつぜん息子(ドライバーさん)と客(ボクら)が来たってことで、「さばいたばかりの牛を食ってけ」という話になった。
料理をする間に、ドライバーさんはボクらを馬に乗せて、近くを案内しながらまわってくれた。そこでの光景は、
○ 家畜(馬・牛・羊・ヤギ)に水を飲ませるための井戸。
人が馬に乗って、井戸の周りをグルグルまわり、井戸に連結している棒を回す。
そうすると、ポンプ式で水が汲み上げられて、水路に流れ、それを家畜が飲む。
「人が飲める水はもっとずっと遠くに行かないと得られない」って言ってた。
○ 逃げる子ヤギを、馬に乗って疾走しながら投げ縄で捕まえる様子。
「娘と子ヤギの写真を撮らせてあげよう」ってことで、ボクらのためにわざわざ捕まえてくれた。
逃げる子ヤギはびっくりするほど速い。
ボクにしてみれば、記念写真より、ヤギを追いかける光景の方がおもしろかった。
そうこうしているうちに出来上がった料理は、牛肉を塩と水で煮ただけのシンプルなもの。そのスープがとてもおいしかった。
写真は、牛の腸に牛の血を流し込んでいるところ。つまり血のソーセージってこと。
遊牧ライフのエコロジー度 (モンゴル)
ゲルの素材は、骨組みの木材と、シート状の布と、断熱材としてのフェルト状の羊の毛。ゲルの真ん中に、かまど兼ストーブ。その燃料は、牛の糞。あとは、イスを兼ねたベッドと少々の家具と炊事用具、それと必ずあるのが家族の写真。簡単に引越しをするための家だから、余計なものは持たない主義。
ストーブの燃料に薪を使うと火力は強いが、すぐに燃え尽きる。牛の糞は弱い火力で、チョロチョロと長く燃え続ける。かまどでミルクを温め、バターやチーズを作るには、牛の糞がぴったり。
家畜は主に、馬・牛・羊・ヤギの4種類。遊牧民は、4種類すべてのミルクを飲み、4種類すべてを食べる。穀物や野菜はあまり食べないみたい。
なかなかのエコロジー度だとボクは思うな。自然に生える草を家畜に食べさせ、家畜が与えるあらゆるものを利用する遊牧ライフ。もしかしたら世界で一番、環境にやさしい生活をしているんじゃないかと思った。
写真は、ツーリストキャンプのゲル。ストーブの燃料は薪。
ガンダン寺 (モンゴル)
モンゴルでは、チベット仏教が主流。以前ボクは中国のチベットに行ったことがあるが、中国共産党政権から弾圧を受けたチベット本土より、むしろモンゴルのチベット仏教の方が、活気があるように思った。お経を唱えているときなど、音楽を聴いているようだった。お参りする人は、踊っているようだった。
日本の仏教、もうちょっとなんとかなんないかな・・・(一般の日本人の感覚から遠すぎるように思う)
写真は、ウランバートルのガンダン寺。宗教行事の時は撮影禁止。