AIって意外と人間っぽい
「AIに同じ言葉を投げ掛けても、その都度、受け応えが変わる」のには、理由があります。カオス理論で説明しましょう。
AIにとっては「ドンピシャリを狙う」より「柔軟に受け応えする」ことの方が大事だったりするわけです。言い換えると、AIに必要なのは「正確性」よりむしろ「適度なランダム性」だということ。そのために、あえてノイズを加えるなどして、曖昧さを作り出したりするわけです。
カオス理論を説明する比喩として「バタフライ効果」があります。「小さな差(蝶の羽ばたき)が影響して大きな差(竜巻)を引き起こす」というものですが、ここで言う「小さな差」は例えば「初期値」がそれに当たります。初期値の与え方によって、そのAIが有用なものになったり、全く使い物にならなかったり、結果として非常に「大きな差」が生じることは、AI界隈で当たり前に起きていることです。
いま挙げた例(ノイズを加える、初期値を与える)は、言うなれば「さじ加減」ですね。それを与えるのは人です。人の感覚です。AIの動きを見ながら微調整するという意味では「人とAIの共同作業」でもあります。
それら「さじ加減」で「AIの性能」が決まったりするわけです。そしてAIの性能の大きな部分が「柔軟性や曖昧さ」。それらを勘案すると「AIが人間っぽい」のはいかにもありそうなことだと私は思うのですが、いかがでしょうか。