ドーム50年、今と昔とこの先と
福井県鯖江市にある実家に向かうために北陸新幹線で福井駅までやってきて、ローカル線に乗り換えた。なんだかやけに混んでるなと思ったら、乗客の多くが鯖江駅で降りた。
その辺りでイベントがあるとしたら、サンドーム福井だ。実家へ向かう途中だけど、ちょっとだけ回り道をしてついて行った。アイドル・グループのコンサートがあるらしい。
このドームが出来たのは私が小学生の時だから、今から50年ほど前のことだ。完成したばかりの頃に、小学校の行事でみんなでここにやってきて、実業団の女子バレーボールの試合を見た。私がこの場所に来たのは、そのとき以来だ。
小学生の僕には、女子バレーボールの試合は怖かった。脚が太くて体の大きい女たちが、叫び・怒鳴り合っている姿は、小学生を震え上がらせるに十分だった。
まず、うちの近所のおばちゃんたちよりだいぶ体が大きい。それ以上に異様なのは、太ももだ。小学生の細い脚しか知らなった僕には、あれが脚だとは思えなかった。
そして金切り声と怒鳴り声。チーム内の声かけが一番怖い。今にして思えば、作戦を伝えていたのだろうけれど、喧嘩しているようにしか見えなかった。
あれから50年経った。あのときの選手たちは、今では70歳か80歳くらいになっているはずだ。今でも背が高いんだろうな。太もものことは知らんが。
今年になって私は、ほぼ月に1回のペースで里帰りしている。父が1年前に亡くなって、一人になってしまった母と過ごすためだ。こうして私は、自分が老い、死んでいくシミュレーションをしている。