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フィリピンの火山、3つ
2023年の年末にフィリピンでマヨン火山・タール火山・ピナツボ火山の3つの火山を巡った。見た目も出来方も噴火の仕方もそれぞれ違う。
マヨン火山はきれいな円錐形をしていて、日本で言うと富士山にそっくりだ。どちらの国でも国のシンボルとされるような存在だ。
タール火山は大昔の噴火で出来たカルデラ湖(タール湖)の中に新しく出来た小さな火山。すなわち二重構造の火山(二重カルデラ)だ。
ピナツボ火山は近年噴火して大きな影響を残した点において、そしてそのときに真新しいカルデラが出来たという点において、伊豆諸島の 三宅島 に似ている。
マヨン火山
昨日(2023.12.20)の夜に成田を発って、夜中にマニラで乗り換えて、早朝(2023.12.21)5時半にビコール空港に着いたら、目の前にマヨン山が見えた。標高2,463mの活火山だ。
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朝のうち雲がほとんど掛かっていなくて、噴煙だか水蒸気だかがしっかり見えた。そしてお昼に向けて時間が経つにつれて、ちょっとずつ雲に覆われてきた。
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マヨン山について、現地の人がこう言っていた。上手い言い方だと思ったので、紹介しよう。いわく「日本の富士山は、上の方が雪をかぶって白い。フィリピンのマヨン火山は、上の方が煙を吐いて白い」と。なるほど、確かに。
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マヨン山を堪能する1つの方法は、山腹をATV(All Terrain Vehicle)で走り回ること。溶岩、草地、川の上をアクティブに進む四輪バギーだ。マヨン山の周りの何ヶ所かでやっている。
タール湖とタール火山
今日(2023.12.24)はクリスマス・イブ。フィリピンにはクリスチャンが多くて、元々陽気なフィリピン人が、街中でもホテルでもなお一層賑やかだ。
マヨン火山に続いて、フィリピン2つ目の火山はタール火山。タール湖というカルデラ湖の中に出来た火山だ。
カルデラの縁にあって、タール湖とタール火山を見下ろすような位置にある街がタガイタイ。マニラ首都圏から2〜3時間の距離にあって、標高700mほどの高原で、観光地でもあり避暑地でもあるから、東京にとっての箱根みたいなところと言ったら良いだろうか。
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実は 箱根は大きなカルデラ で、芦ノ湖は紛れもないカルデラ湖だ。その点でも両者は同じ。ただ芦ノ湖の中に火山が無いのに対して、タール湖にはタール火山があるというわけだ。
写真(↑)を見ての通り、噴煙を上げていて、現在は島への立ち入り禁止になっている。また、写真の左奥で雨が降っているのが見える。なかなか素敵な写真かもしれないな。
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翌日(2023.12.25)、島に上陸できないのを承知で、ボートをチャーターして島の周りを1周廻ってもらった。上から見るよりは島がだいぶ大きくて、波も高くてボートがよく揺れる。
ボートの上からは見えなかったが、話によるとタール火山の中にもカルデラが出来ていて、水が溜まっていると言う。ということは、二重カルデラであるに留まらず、二重カルデラ湖ということになる。ますますもって上陸できないのが残念だが、しょうがない。
ピナツボ火山のカルデラ湖
マヨン火山、タール火山に続いて、フィリピンで3つ目の火山は、ピナツボ火山。1991年に大噴火を起こして、それは20世紀で最大の噴火にして、数年にわたって世界の気候を変えたと言われている火山だ。
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1991年の噴火口は今では湖(Crater Lake)になっている。麓の観光オフィスから火口湖に至る道のりは、まず4輪駆動のジープで道なき道を15km、1時間強かけて進む。噴火で積もった火山灰がその後の雨で流れた土石流の上を進むと言ったら分かりやすいだろうか。
ジープで行き切った所、そこから3.5km歩いて登ったところに火口湖がある。所要1時間強。
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※ 旅行会社で手配してもらいました。(2023.12.27)朝4:00に出発してからの動きを時間とともに記しておきます。ホテルに戻ってくる予定時刻は14:00〜15:00ということでしたが、予定よりもだいぶ早く戻ってきました。客が私一人(お陰で金額的にはお高くつきましたが)だったために、歩きもジープも速く進んだためだと思われます。
4:00ー5:00 ホテルでピックアップ→観光オフィスまで車で移動。
5:00ー5:40 観光オフィスにて手続き。血圧検査も。
5:40ー6:45 4輪駆動のジープで観光オフィスから登山口まで。
6:45ー7:40 石づたいに小川を越えたりしながら、歩いて登る。
7:40ー9:15 湖で景色を堪能。その場で飲み物・軽食販売あり。
9:15ー10:05 同じ道を歩いて下る。楽しいハイキングです。
10:05ー11:10 4輪駆動のジープで観光オフィスまで戻る。
11:10ー12:55 車でアンヘレスに戻る。(途中にランチ25分間)
高原リゾート、バギオ
バギオの標高は1,500m、だからエアコンが要らない。常夏のフィリピンにあってエアコンが要らないというのは、とても贅沢なことだ。そしてまた12月の今、寒いわけでも無い。南国の高地は年中春のように過ごしやすい。
マニラ首都圏から車で5〜6時間ほどということだから、東京にとっての軽井沢のようなイメージで受け取れば良いのだろうか。実際ここは富裕層の別荘地になっている。そして同時に庶民の暮らしもある。
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街を歩くと坂だらけ。山の地形そのままに今も暮らしているようで、平らな場所がほとんど無いと言ってもよいくらいだ。道路から建物に入って5階まで上がると反対側の道路に出るということが当たり前に起きる。
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リゾート地だからだろう、ホテルも面白い。昨日(2023.12.28)泊まったホテルにはこの辺りに住む山岳民族の衣装やら生活道具やらが飾ってあった。今日(2023.12.29)泊まっているホテルは外観がイカれてる。
レストランの入口にいろんなオブジェが置いてあったり、街中の壁にはいたるところ絵が描いてあったり、アートな街になっている。
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ただちょっと残念だったのは、年末だからなのか週末だからなのか、美術館の多くは閉まっていた。近郊にアート作家の村などもあるらしいが、僕は行ってない。でも、街中を見るだけでも楽しい。