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開けるな!物語(お笑い編)

 今日は、昔話を語ります。(絵本を開く)
 では、いきますよ。まずはじめは、

鶴を助けた男の話

昔々ある男が鶴を助けました。
後日その男はある女と結婚しました。
女が織る反物が素晴らしくて不思議に思った男が尋ねました。
女は言いました。「襖を開けないで! 部屋を覗かないで!
男は律儀に言いつけを守りました。
めでたし、めでたし。

 えっ、言いつけ守っちゃったの!? そこで終わるの、この話?
 いや、そんなことより、襖を開けてあげてよ。その方が良かったんじゃないのかなぁ。。。

 続いて、

亀を助けた男の話

 さっきのは「鶴を助けた話」、今度は「亀」ね。

昔々ある男が亀を助けました。
男は竜宮城でもてなされて、お土産に玉手箱をもらいました。
女は言いました。「決して玉手箱を開けないで!
男は律儀に言いつけを守りました。
代わりに男の妻がおばあさんになってしまいました。
めでたし、めでたし。

 「開けるな!」と言っても、結局誰かが開けちゃうんだろうなぁ。
 まぁ奥さんにしてみたら、旦那が何処ほっつき歩いてたんか、気になるわな。でも、おばあさんになっちゃったら、元も子もない。きっついなぁ。。。

 では、最後に、

箱を持たされた女の話

昔々、神様がある女に箱を1つ渡しました。
神様は言いました。「この箱を絶対に開けてはならない!
神の名はゼウス、女の名はパンドラ。
女は箱を開けました。
めでたし、めでたし。

 「開けるな!」と言うんなら、くれなきゃいいのに。鶴も乙姫もゼウスも、なぜ、くれるんだろうね? そして結局は開けても開けなくても、ロクな結果にならないの。
 うーん、(会場の女性に向かって)ねぇ、何かちょうだい! 絶対開けないから。
 ・・(間をおいて)・・この話、つまり「開けるな!」と言いながら何かをくれるこの手の話、僕は「男女の駆け引き」みたいなものを感じるんだけど・・・違うかな?
 ありがとうございましたぁ。

(789文字)


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