森のどんぐりたちが裁判で争っています。一郎が、裁判長の山猫に呼ばれて、意見を求められました。宮沢賢治の童話「どんぐりと山猫」から、引用します。
どんぐりたちは、差別化を望み、個性を主張し合い、お互いに競争しているようです。
ここで、一郎が判決案を出します。山猫はどんぐりたちにその通りに申し渡して、争いはすぐに収まりました。
さて、出された判決はどんなものだったのでしょう。みなさんも、ちょっと考えてみてください。
引用を続けます。
名判決だと思いませんか? 毎年繰り広げられて今年も三日間ももめていた争いをものの1分半で解決したのですから、さすがに名判決だと言えるでしょう。おそらくこの判決は、多くの読者にとって予想外のものだったんじゃないでしょうか。そして、その判決に、心が躍るような楽しさ・嬉しさを感じたんじゃないでしょうか。
判決は「いちばんばかで、めちゃくちゃで、まるでなっていないようなのが、いちばんえらい」でした。
さて、この判決の真意は何でしょう。結局、どのどんぐりがえらいのでしょうか。
またこの判決を聞いて、どんぐりたちはなぜ「しいんとして、堅まってしまった」のでしょうか。どんぐりたちは、そのとき何を考えていたのでしょうか。
では、【問題】です。
頭で理屈で考えるのではなく、あなたの心の声を聞いてみてください。判決を聞いたときの驚き・感心・ウキウキ感を思い出せば、答えが1つに絞れるのではないでしょうか。
(どっちつかずの立場でなく、どれか1つに絞って、一貫性のある説明をしてください)
《文章例》
《解説》
ことわざ「どんぐりの背比べ」はAプラン、SMAPの「世界に一つだけの花♪」はBプラン、Cプランは「ケンカ両成敗」、そんなところでしょうか。
文学はいろんな読み方ができるものです。この設問もどれが正解ということはありません。筋が通っていて説得力があれば、なんでもいいんです。
ただこの設問に答える上で大事なことは「立ち位置を決めたら、ブレないこと」です。立ち位置を決める前のフラフラした状態のまま書き始めたのでは、一貫性のあるまとまった文章は書けないでしょう。
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