見出し画像

バカ(哲学対話)

参加者6名(+4名) 11/07(木)15:30〜17:05

 前々回、哲学対話をやっている最中に絶叫している声が聞こえた。高校3年生の何人かのグループだ。そのとき、対話しているメンバーの口から自然に出てきた言葉が「バカ」。次回は「バカ」をテーマに対話しようということになった。結果的には(2学期中間試験をはさんで)次々回になったわけだが、11/07(木)のテーマはその時に決めた「バカ」になった。

バカが現れる場面

 まず「バカ」という言葉を使う場面、「バカ」からイメージすること、そんなことをたくさん挙げてみた。

  • 絶叫・・・バカ騒ぎ・奇行

  • 親バカ、釣りバカ・・・夢中・盲目・溺愛

  • 「バカと天才は紙一重」・・・天才バカボン

  • バカっ速い・・・強調、ビックリ、常識から外れている

  • 成績が悪い・低い・・・割と客観的・ニュートラルな言い方

  • 怒って「バカ!」、波平さんがカツオに「バカもん」、唄「おバカさん」

  • バカにする・バカにしやがって・・・マイナスイメージ・見下す

 話している途中に、前に絶叫していた高校3年生のグループ(4人)が通りかかって、しばらくの間、対話に加わった。彼らが言うには「バカになりたいときがある、バカになると気持ちいい」・・・確かに、分かる。。。具体的でリアルな感覚を持ち込んでくれた。

バカにまつわる問いを出す

 バカに関していろんな要素がある程度出たところで、バカにまつわる想いを問いの形で出してみることにした。5分間の休憩を兼ねながら、その間に各自のやり方で捻り出す。モヤモヤのまま吐き出すのもアリ。

  • バカと天才は紙一重 → バカはどうしたら天才になれるか?
              → バカと天才は何が違うのか?
              → バカと天才はどこが同じ?

  • 絶叫している人をみて「バカ」と言った → どんな気持ちを彼らに抱いたのか?

  • アホとバカの違いは? → 関西圏と関東圏の違いという説がある

  • 「バカと言う側」と「バカと言われる側」の違いは? → 「バカにする・バカにしやがって」というときのマイナスイメージ

 7人中3人が「バカと天才は紙一重」辺りの問いを出した。これらは「バカ」をプラスに評価する立場と言えそうだ。
 こんな話をしている最中に、参加者の一人が椅子を何個か積み上げ始めた(上右の写真)。誰も止めようともせず、そのことを時々話題にしながらも、淡々と対話は進む。そうこうするうちに、おおよそ参加者みんなが納得できそうなフレーズが出てきた。

人並み外れて自由。(← バカと天才の共通項)

インタビュー形式で振り返り

 ここまでで1時間20分ほど立っていたので、そろそろ今日の振り返り。この場でまた一つ新しい試みを入れてみた。名付けて「ヒーロー・インタビュー」。
 美人キャスターになった気分で(うちの学校、男子校なんです)、金メダリストか決勝ゴールを決めた選手に対するように、対話の参加者にインタビューする。2人組になって、お互いにインタビューしあうのに、それぞれ3分、2人であわせて6分。
 紙を配った。「(取材相手が)自分に対して思ったこと・(取材相手が)仲間に対して思ったこと・次回に向けての意気込みを!」そんなことを聞き出しながら、出来ることなら「配信記事の見出し、配信動画の字幕に入れたくなるようなワード3つ」を拾い上げたい。(※ そのまま記事に上げることはしないし、動画をアップする予定は無いけれど、そんなワードが飛び出してきたら記録しておこうという趣旨です)

 その後で、その紙(インタビューされて、相手に自分のことを書いてもらった紙)を見ながら、この日の振り返りを1人1分程度で話す。6人で回して、計6分。こんな(↓)話が6人から出てきました。

  • 通りがかりの高校3年生が(話が停滞しそうなタイミングで)新たな意見を出してくれた。

  • 言葉の対話だけでなく、体を動かしたり、また実際にバカを体現してくれる人がいて、新しい刺激・発想・観点が生まれた。

  • 自分のことをバカだと思っていた。「バカ」について、自分の評価と他者の評価について理解できた。

  • 対話の途中で「バカなこと」をやってる人もいたが、みんながそれを許容していた。

  • 今日のテーマ「バカ」は難しいテーマだと思っていた。思いの外いろんな観点が出て、とても良かった。

  • 自分が「バカになりたい」ときがある。その訳が分かった気がする。

 こうしてこの日の哲学対話は終了。今日も素敵な時を過ごせました。

いいなと思ったら応援しよう!