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240828【本編】C.ドビュッシー 弦楽四重奏曲ト短調作品10

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オープニング
やばそうな台風来てる もっと北の方に上陸する予報円がだんだん近づいて来て我々の真上を通りそうになってきた印象 いいかげん耳タコだとは思うけど 命を守る行動を心がけて

日曜日に開催された おりなす八女室内合奏団のコンサート 先週話した 大山平一郎先生の室内楽塾の生徒さんたちの金曜日のコンサート 無事開催 素晴らしいコンサートだった  やっぱお客さん少ない もうちょっと 学生さん 子どもたちは特に なんせ無料だし せっかくだから聴いてほしい

記念日の来た作曲家 久しぶりに取り上げようと思ったんですよね今日 8月生まれの作曲家8月22日にお誕生日だった クロード・ドビュッシー ピアノ曲とかでも大人気曲多い方

ドビュッシーの弦楽四重奏曲 聴いていただこう

曲の頭はその4人が すごく分厚いハーモニーを作って始まる音楽 クロード・ドビュッシー作曲 弦楽四重奏曲ト短調 作品10 第1楽章から

C.ドビュッシー 弦楽四重奏曲ト短調作品10
第1楽章 Animé et très décidé(活き活きと、きわめて決然として)

クロード・ドビュッシーの弦楽四重奏曲ト短調 っていう曲
分厚い弦楽器のハーモニーで始まって それぞれの楽器がまた分散して また集まって

ドビュッシー31歳 まだ若いころの作品

この曲 ドビュッシーが 作品10 って書いてる 弦楽四重奏曲ト短調作品10 ただ ドビュッシーって 他の音楽にたぶんほとんど 作品番号振ってないはず 昨日調べてみたら やっぱり この曲が唯一作品番号10番があるらしくて コレなんで作品10なんだろう ってなってるらしい ドビュッシーの冗談なんじゃないかとか

もともとドビュッシーは この曲を第1番として2曲の弦楽四重奏曲を作る構想でいたと言われている 第2番は最終的に作られることはなかったようで この曲一応第1番と自筆譜には書いてあるらしいけど 第2番がなくてドビュッシー唯一の弦楽四重奏曲なもんですからわざわざ1番とも呼ばない  要するにドビュッシーの弦楽四重奏曲はこの曲だけ

古い時代の音楽を聞き慣れている方には だいぶ現代的な感じがあるかも

C.ドビュッシー 弦楽四重奏曲ト短調作品10
第2楽章 Assez vif et bien rythmé(かなり急速に、とてもリズミカルに)

第2楽章 この音楽 第4楽章まであって 4楽章構成の場合 通常 第2楽章にはゆっくりの音楽が来る たまに逆転することがあって この音楽の場合は 第2楽章に比較的短めのスケルツォ的で急速な楽章 そのかわりに第3楽章にゆっくり楽章が来る
ピチカートっていう奏法 弦楽器を 弓で弾くのではなく 指で弾く奏法で演奏しているのが2本のヴァイオリンとチェロ その上で ヴィオラがほとんど変わらない音型のオスティナートを披露してはじまる楽章

ヴィオラの執拗なメロディなどはこの曲を通じて現れてきます この曲の解説でよく出てくる言葉に循環形式っていう言葉がある そういう 音楽の要素を 楽章をまたいで いろんなかたちで使っていくっていう手法  循環形式というと ドビュッシーよりも40年ほど先輩のフランスの作曲家 セザール・フランクっていう方が有名というか 代名詞のように言われる方 フランクの音楽が全部循環形式というわけでもないし 循環形式自体はベートーヴェン・ベルリオーズやワーグナーとか 以前の音楽にも見られる 循環形式を前面に出したという意味で循環形式といえばフランク っていう感じかな 

フランクの元で勉強した作曲家 ショーソン デュカス シャブリエ とかたくさんいらっしゃって フランキストって呼ばれたりする  そのフランキスト世代のほとんど 最後の世代としてドビュッシーがいて 

学生さんのドビュッシーから見たら 大先生というか そんな立場 実際にドビュッシーもフランクの和声法の授業を受けたことがあって フランクがあまりに 転調転調と言ってくるんで あの先生は転調マシンだ って言って逃げ出したことがあったそうで そもそもドビュッシーはワーグナーを嫌っていて フランク先生はワーグナーに影響されすぎていると考えていた

この音楽でもわかるとおり その後ドビュッシーはフランクの循環形式を十分に使いこなしているという部分もある

C.ドビュッシー 弦楽四重奏曲ト短調作品10
第3楽章 Andantino, doucement expressif(アンダンティーノ、甘く表情豊かに)

弦楽四重奏っていう音楽 けっこう久しぶりに持ってきた気がする ご存知のとおり ヴァイオリンが二人 ファーストヴァイオリンとセカンドヴァイオリン それに ヴィオラと チェロが一人ずつ たった4人 4つの楽器しか無い上に 全部同じ種類というか仲間の楽器 非常にシンプルな構成の上に全てが馴染みやすいっていう特性がある

弦楽四重奏曲 ハイドンの時代に誕生したというと語弊があるかもしれないがハイドンは交響曲の父とも呼ばれますが 弦楽四重奏の父とも 呼ばれる人 弦楽四重奏曲を83番まで なかでも第77番に『皇帝』っていう弦楽四重奏曲があって この第2楽章は今のドイツの国歌  モーツァルトも23番までの番号がついた弦楽四重奏曲 ベートーヴェンは第16番までの弦楽四重奏曲

正直 多い 全部聞くの大変そうでしょ 僕も自分で演奏でもしないとなかなか覚えられない

C.ドビュッシー 弦楽四重奏曲ト短調作品10
第4楽章 Très modéré - Très mouvementé - En animant peu à peu - Très mouvementé et avec passion(きわめて穏やかに - きわめて躍動して - 少しずつ動きを付けて - きわめて躍動して、かつ情熱的に)

第4楽章 少し静かに始まった 第2楽章でしつこくヴィオラがやってたモティーフが軽く変化を加えて登場 4楽章を通じてとあるモティーフが現れる こういうのが循環形式っていうのだと思う ドビュッシー 曲の進行に合わせてすごく細かく表現の指示を書いていて きわめて穏やかに という指示で始まって きわめて躍動して 少しずつ動きをつけて きわめて躍動してかつ情熱的に ってビックリマークがつくくらいの勢いで指示がついてる

他の弦楽四重奏曲の話
今日聴いているこのドビュッシー だいたい同じ時代のラヴェル ラヴェルもドビュッシーも1曲ずつしか書いてない  この2曲はフランスを代表する2曲  さっき話しが出てきたセザール・フランクとか ガブリエル・フォーレの弦楽四重奏も人気ある
ドイツウィーンのロマン派にもどると まず シューベルト15番まである中の弦楽四重奏曲第14番《死と乙女》 これ突出した人気 ブラームス第3番までのカルテット どれも捨てがたい ロシアにいきますと すごく弦楽四重奏曲を書いたのがショスタコーヴィチ 第15番まであって 僕は第9番だけ演奏したことある その時だったか 全集買って 15番まで全部聴けるけど 自分で弾いた第9番以外いまだにどれがどれかわかんない

チャイコフスキーにも大人気弦楽四重奏曲第1番  ロシア五人組のボロディンの弦楽四重奏 このひとは第2番の第3楽章に ボロディンのノクターンって呼ばれる人気楽章があって 弦楽四重奏曲全体も第2番が人気  チェコのスメタナにも『我が生涯より』っていう人気の弦楽四重奏曲がある ドヴォルザーク ドヴォルザークは番号で14番まで 特に第12番っていう アメリカ在住の頃に書いた弦楽四重奏曲 第12番『アメリカ』っていう曲が特別に人気

全体的に
さっきのハイドンの皇帝といいモーツァルトの春とかドヴォルザークのアメリカとか 具体的なタイトルがついた曲 人気になりすぎ
人気曲にしたければタイトルつけろってのは あんまり間違ってない
基本売れなきゃCDも出ないんで 出てるタイトルはだいたい人気曲  よっぽどのことがなければ変な曲のCDは無い 売れないから 弦楽四重奏のCDは基本安心して買っていただいてだいじょうぶ  知らない弦楽四重奏曲 聴いてみるのも楽しいかもよ 

 今日は フランス 印象主義音楽の代表クロード・ドビュッシーの 弦楽四重奏曲聴いてまいりました。


ディスカバー・ザ・クラシックス
【説明】ディスカバー・ザ・クラシックスというコーナーは元になった音楽とその音楽をカバーした他のジャンルの音楽などを並べて聴いて貰うコーナーです。

今日はチェロで溝口肇さんの演奏  もとはピアノ曲で ドビュッシー48歳くらいの頃に発表された プレリュード第1集 っていう曲集に収められている作品 タイトルを 亜麻色の髪の乙女

島谷ひとみさんが歌って大ヒットした 亜麻色の髪の乙女 は この曲とはタイトル以外あんまり関係ない あちらは1968年の作品 ヴィレッジ・シンガーズが原曲で  ドラゴンクエストでおなじみの すぎやまこういち先生の作曲

今日は 浜崎あゆみさん TEAM AYU さんから たしかこの番組できたばっかりの頃に 浜崎あゆみさんの LOVE CLASSICS っていうディスクをプレゼントしてもらったことがあって そのディスクから

クラシックカバーっていうよりは クラシックリミックスというか もともとある浜崎さんのヒット曲に すこーし クラシック音楽のテイストを噛ませた感じなので 似てるところは限られる


Winding Road / 浜崎あゆみ


フリートーク

八女市で弦楽四重奏を聴くのってなかなか無いから僕が弦楽四重奏団を組むのは一つ目標にしようと思う また今後も有名弦楽四重奏曲もこの番組でご紹介したい

先日聞いた『SF交響ファンタジー』聴いた際に『怪獣大戦争マーチ』という曲にリクエストいただいたので今日のエンディングで聴いていただく

番組後半はたくさんのメッセージで盛り上げていただきました。ありがとうございました。BGMなどで使用した楽曲はこちらです。(ジュナミ第1楽章だけでお別れの曲が3楽章終盤でした)

『ゴジラ』『空の大怪獣ラドン~ラドン追撃せよ』『キングコング対ゴジラ』『怪獣総進撃』『怪獣総進撃~マーチ』『怪獣総進撃~東京大襲撃』

こちらのアルバムから怪獣映画関係の音楽でした


エンディング
『怪獣大戦争』マーチ
同じアルバムからでした


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