積もった雪をどこまでかくか
とある神社の現場で働くアミーゴのお話。
その日アミーゴが現場に到着すると、境内には一面の銀世界が広がっていました。
夜の間に雪が降ったのです。膝下くらいまで積もっています。
アミーゴは大きなシャベルをひっぱり出し、雪かきを始めます。
神職さんや巫女さんもシャベル片手に集まってきました。
参拝者が来る前に参道の雪かきを終わらせなくてはなりません。
境内は広く、朝は寒く手はかじかんで、雪をかくだけでも重労働。
「こんなに積もっちまうとなぁ、やんなっちゃうよなぁ」神職さんが笑顔で話しかけてくれました。
「この時期にしては、結構降りましたね」アミーゴは答えます。
一時間近い雪かきのすえ、参道がようやく顔を出しました。
やがて参拝時間を迎え、たくさんの参拝者が境内に歩いて向かってきます。雪かきのおかげでみんな歩きやすそう。
アミーゴは満足そうに頷くと、少し遅くなってしまいましたが撮影の準備を始めました。
正午を回り、休憩しているアミーゴの元に神職さんがやってきました。
「今朝は雪かきありがとね。もう文教さんだか神社の職員だか分かんねぇな(笑)。温かいお茶いれるから飲みにおいで」
その後アミーゴは暖かいコタツでお茶を飲みながら、神職さんや巫女さんと世間話に花を咲かせました。
アミーゴは「文教さんだか神社の職員だか分からない」と言われたことをとても嬉しく感じていました。
文教スタヂオの現場は観光地や施設の中にあることが殆ど。そこにはアミーゴ以外にも、他の会社の方や施設の職員など共に働く方がたくさんいます。
所属している会社は違えども、一緒に働く限りみんな職場仲間だとアミーゴは考えます。職場に困っている人がいれば助けるし、逆に助けられた経験もたくさんあります。
今回の雪かきも、職場に積もった雪をかくのは当然のこと。アミーゴは当たり前のことをしただけでした。
しかし神職さんがいうには、自分たちが使う撮影現場の雪だけでなく、境内の端から端までお手伝いをしてくれたことが嬉しかったそう。
その嬉しい想いが「文教さんだか神社の職員だか分からない」という言葉になって表現されたのだと思います。
アミーゴは、神職さんが自分のことを仲間だと思ってくれていることが分かりとても嬉しくなりました。
私たちアミーゴがいることで、お客様も、施設の方も幸せになる、そんな存在であれたらいいな。
アミーゴはお茶をすすりながらそんなことを考えていました。