人間になる(11/5)

ひさびさに外に出ると街の風景はすっかり変わっていた。近所のビルは取り壊されて駐車場になっていた。平坦なアスファルトの上にくっきりと白線が刻まれていた。白線の上を歩いてみることにしたが、すぐに落ちてしまった。地獄への門はいつだって開いていた。僕はもう、何回目の地獄に落ちたのだろうか。

あといくつ罪を重ねれば人間になれるだろうか。黒電話がしんと鳴っていた。すごく寂しい夜に浮かび上がってきた報いの象り。

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