人生が終わる時
激情がこみ上げ、もう私の人生は終わりだと思った。
キッチンの戸棚、下の段を開けると入っている、彼が使ってるところなんか見たことない包丁。
少し錆び付いていて、これで身体のどこを刺そうか。
我が人生最期の時はまもなくである。
しばらく痛みに耐えなくてはならない最期を想像し、ひるんでしまった。
人生最期に撮る写真が包丁か、と思いつつiPhoneでそれを記念撮影した。
今しんだら、彼が第一発見者となる。
iPhoneのロックは、彼が私の身体を使って解除する?
その前に蘇生試みてくれるかな、
生き返っちゃったらどんな顔して会えばいいんだろう、とか。
あぁ、家族はどんな思いでこの知らせを聞くのだろうか。
わりといつも冷静に生きているが、包丁を手にしている間はいつも以上に冷静だった。
激情はどこへ行った!
結局最悪の選択はせずに済んだが、
「この世の終わり・人生我一人」というような感情がしばらく続いた。
それでもお腹は空く。
【追記】
noteの順序がアレだが、この時間軸は「クソ男」という記事を書く前の気持ちを綴ったものである。
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