好奇心で舌ピアスをあけてみた話
それは、AUSのワーホリ時代でのこと。
念願のトラガス(耳入口の軟骨)にピアスをあけたくて
私は、ピアッサー(有資格者)がいるお店へ向かった。
今はもうそんな気持ちはないが、当時は海外にいて
浮ついていたのか、年甲斐もなくタトゥーも入れるか悩んでいたくらいだ。
ヘソなのか舌なのか
そこで、タトゥーは帰国する未来が見えていた以上
不利でしかないと思い、今度はヘソなのか舌なのか
ボディピアスなるものをあけるか、悩み始めた。
結果、どのくらい痛いものなのか。
口の中なら帰国後も両親にはバレないだろうという
単純な理由で、舌にピアスをあけることにした。
トラガスのピアス
正直、トラガスはあけた時も後も、
痛みはあまりなく、さほど腫れず。
反対側が耳の穴の中に入ることから、すぐに安定した。
髪やタオルによる、ひっかかりなどもなく
基本、つけっぱなしで良いので楽である。
美容室でも毎回取らずに済むが、歯医者のレントゲンや
CTスキャンの際には、やはり取らなければならない。
舌ピアスの痛さレベル
正直あけた時はあっという間すぎて
痛みも感じないレベルだった。
ピアスをあけたことがある方はご存知の通り
あけた瞬間より、その後が長く痛むものだ。
事前にピアッサーから言われたこと
・食事毎に歯磨きとマウスウォッシュ必須
・後10日程度は腫れるけど、徐々に落ち着く
・君は人より舌が短いから希望の位置にはあけられない
よって、想定よりも奥になったが無事あけることはできた。
(人よりも舌が短いことは、この時に知った)
舌先の神経だけでなく、舌裏には静脈があり
それらを避けるため、やや斜めに刺す形であけるのだ。
衝撃のファーストピアスと舌の役割
びっくりしたことに
ファーストピアスは想像の2倍の長さ。
腫れと痛みは、想像の5倍だった。
長過ぎると思っていたファーストピアスでも足りないんじゃ?!
くらいに舌は分厚く腫れた。
加えて、初めて舌の筋肉痛を味わった。
腫れによって、会話、咀嚼、唾を飲み込む等の
口内交通整理に普段使わない部分の舌の筋肉を
必然的に活躍させることになったせいだ。
気が緩むとヨダレが垂れる=唾が飛びやすくなる。
とにかく喋りにくい。ご飯を食べるのが遅くなる。
会話時は集中力必須。
パードゥン?が止まらない
当時、接客業をしていた私。
ただでさえ英語の発音が悪い上、声も通らないのに
その喋りにくさも重なって、会話をするたびに
「パードゥン?」「ソーリー?」と聞き返された。
メガホンを使って会話、または
筆談で接客をしたかったくらいだ。
期間は短いが、痛みも不便さも
マウスピース装着とは比にならない程だ。
ちなみに歯列矯正前、癖になっている
食いしばりを防ぐため、舌のトレーニングを促されたが
懐かしくも同じ場所が筋肉痛になった。
舌ピアスの封鎖
帰国後は、人目を避けながら透明のピアスなどで
しのいでいたが2年目には、つけるのを諦めた。
面倒になったという方が正しい。
ピアスを飲み込んでしまったことも2度ある。
当時は人事職についていたこともあり、学生など
人前にでる機会も多かった。
やはり日本の文化には馴染まないと思い、静かに封鎖。
だが、ボディピアスほどの太さは無理だが
細いピアスであれば、いまだに通ると知った、ある日。
人間の身体の不思議に驚いたのは、言うまでもない。